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輪王寺大猷院
常行堂
輪王寺大猷院は、3代将軍徳川家光の廟所です。 境内には、世界遺産に登録された22件の国宝、重要文化財が、杉木立の中にひっそりとたたずんでいます。
先祖である家康公の廟所(東照宮)をしのいではならないという家光の遺命によって、彩色や彫刻は、控え目に造られましたが、かえってそれが重厚で落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
法華堂
仁王門付近の紅葉
入り口の「仁王門」にはじまり、徳川家光墓所の入り口に当たる「皇嘉門」まで、意匠の異なる大小6つの門で、境内が立体的に仕切られており、門をくぐるたびに景色が変化して、あたかも天上界に昇っていくような印象を受けます。
仁王門からの展望
仁王門 3代将軍徳川家光が眠る廟所「奥の院」へは、石段を登るごとに次々と現れる特徴ある6つの門を辿ることになります。 木立の中、参拝の足を進めるごとに変わる景色はあたかも人間界から天上界へと登っていくような印象を受けます。 初めにくぐるこの「仁王門」の左右には「金剛力士像」がまつられています。
仁王門
二天門
二天門 仁王門を潜って左に折れると、大きな二天門を仰ぎ見ることができます。 桜門下層正面左右に、持国天、広目天の二天を安置していることから二天門と呼ばれています。 背面には風神、雷神が配置された均整の取れた美しいこの門は、上部分と下部分の彩色が著しく異なっており、日光の建造物では他に例がないとのことです。
二天門を潜り、続く石段を左手に曲がり見下ろすと、後にしてきた灯籠や水屋が見渡せます。 ここからの眺めは天上界からの眺めにたとえられています。
二天門からの展望
夜叉門 次にあるのが、霊廟への最初の入り口となる夜叉門です。 切り妻造りで、正背面に軒唐破風を付けた低平な落ち着いた造りながら、鮮やかな彩色が目を引く華やかな門です。
毘陀羅
阿跋摩羅
ケン陀羅
烏摩勒伽
正面、背面の左右柵内に「毘陀羅(びだら)」「阿跋摩羅(あばつまら)」「ケン陀羅(けんだら)」「烏摩勒伽(うまろきゃ)」の「四夜叉」を納め、霊廟の鎮護に当たっています。 欄間、扉の羽目板部分、壁面などに流麗な牡丹唐草彫刻が施されていることから、牡丹門とも呼ばれています。
唐門
拝殿への入口
唐門 夜叉門を潜り拝殿の前、大猷院の中心に位置するのが唐門です。 その名前のように唐破風を持つ、一間一戸の小規模な門ですが、隅々まで繊細な彫刻と金、白を基調とした彩色が施されており、その意匠装飾は大変気品のあるものです。 柱や貫、梁には七宝、麻の葉などの細かい地模様が彫られ、扉には上に鳳凰、下に唐草、前後の破風の下には雄雌の双鶴と白竜などの彫刻で余すところ無く、美しく装飾されています。両側の袖塀の羽目には多くの鳩が彫られ、百間百態の群鳩とされています。
大猷院廟
大猷院廟 大猷院廟は大猷院の中心伽藍で、拝殿、相の間、本殿から構成されおり、承応2年(1653年)に造営されたものです。 その正面は、敬愛する家康公の墓所(東照宮・奥社)の鬼門の方角を向いています。
拝殿
拝殿 拝殿は、東照宮の権現作りをそのまま生かし、規模は小さくとも細部の技法に力を尽くした造りとなっています。 拝殿の内部は細部に至るまで金箔が施され、文字通り金箔玉楼となっています。 東照宮が「権現造り」を中心とした神仏習合形式であるのに対し、大猷院廟は「仏殿造り」の純仏教形式となっています。
本殿
本殿 拝殿に続く本殿の最奥部、「厨子(御宮殿)」の中には、今回宝物殿で初公開中の「家光公座像」と「御位牌」が、またその前後には、家光公の本地「釈迦如来」(非公開)が奉安されています。 金・黒、赤の彩色をくまなく施された外観は、別名「金閣殿」の呼び名があるほど豪華で、江戸芸術の極みを示しています。
寺院は本尊が南を向くのが定式で、家康公の御廟である東照宮もそのような造りになっています。 ところが大猷院の本殿は東北(鬼門)を向いています。 これは家光が「死して後も朝夕東照大権現(家康公)の側でお仕え奉る」と遺言し、御廟も東照宮の方へ向けてあるためだといわれています。
皇嘉門
皇嘉門 本殿の後ろ、大猷院の最も奥に位置する家光公の御廟へは、「皇嘉門」から入ります。 中国、明朝の建築様式を取り入れたその形から、一名「竜宮門」とも呼ばれている美しい建物です。 門を潜るときに見上げると、天上には「天女の画像」が描かれており、これから先が家光公の御霊を奉る聖域であることを象徴しています。 門の名前は、「陽明門」と同じく宮中の門の名を戴いています。
皇嘉門への入口
夜叉門
水屋
関連のホームページ 輪王寺大猷院 日光山内散策その1へ 日光山内散策その2へ 風来坊