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都電荒川線沿線のバラ (H26.5.24)


三ノ輪橋停留所駅前広場のバラ



都電荒川線

都電荒川線は、東京都荒川区南千住1丁目の三ノ輪橋停留場から、新宿区西早稲田1丁目の早稲田停留場までを結ぶ、東京都電車(都電)の軌道路線です。

かつては東京都23区を中心に数多くの都電路線がありましたが、その殆どが廃止され、都電荒川線は唯一現存している路線です。



三ノ輪橋停留所のバラ


1960年代の交通渋滞解消政策ならびに赤字公共事業整理政策の推進にともなう都電廃止の流れの中、都電27系統ならびに32系統については、沿線住民からの存続要望が高く黒字運営が見込めること、大半が専用軌道であるため交通渋滞を引き起こすことがまれで、路線の管理も比較的容易であることが勘案されて、27系統の一部(王子駅前〜赤羽)が廃止されたのみで、そのほとんどが存続することになりました。


三ノ輪橋停留所のバラ



三ノ輪橋停留所のバラ

1974年にそれまで別系統として運行されていた、27系統と32系統を統合して「荒川線」と改称されて現在に至っています。

都電荒川線の大部分は専用軌道となっており、車道と区分されていない併用区間は明治通り(国道132号線)を走行する王子駅前停留場から飛鳥山停留場間のみです。



三ノ輪橋停留所のバラ


都電荒川線は全長12.2kmですが、このうちの「三ノ輪橋」から「荒川車庫前」までの約4.8kmは荒川区を走っています。

荒川区では、区の中央部を東西に走る都電荒川線を「みどり軸」として位置づけ、バラによる緑化に取組んでいます。

現在、都電荒川線の荒川区内約4.8kmのうち、植栽が可能な約4km区間に約140種、約13000株のバラが植えられており、5月から6月の上旬にかけては色とりどりのバラが咲き乱れます。


三ノ輪橋停留所のバラ



関東の駅百選認定駅

荒川区内の都電沿線のバラは、荒川区とボランティアグループ「荒川バラの会」が維持管理を行っています。

「荒川バラの会」は、三ノ輪停留、荒川二丁目停留場、荒川遊園地前停留場の各停留場付近、及び荒川二丁目南公園の花壇を維持管理しているボランティアグループです。

会員の方々の熱心な活動により毎年春と秋にはきれいなバラが咲き誇ります。



三ノ輪橋停留所〜荒川一中前停留所のバラ



荒川一中前停留所付近のバラ


また、荒川区は、会員を対象としたバラの育て方講習会や見学会を実施しているほか、用具の貸与、ボランティア保険の加入などの支援を行っています。

この荒川区の都電沿線のバラは、社団法人日本観光協会が主催する「花の観光地づくり大賞」で、平成17年度に「大賞」を受賞しています。


荒川一中前停留所付近のバラ



荒川区役所



荒川公園



荒川区役所

さらに、荒川バラの会の熱心な活動も高く評価され、平成22年度には財団法人都市緑化基金(現:都市緑化機構)主催、緑の都市賞・みどりの地域づくり部門において「都市緑化基金会長賞」を受賞したほか、平成25年度には「第24回『みどりの愛護』功労者国土交通大臣賞」を受賞しています。

このように、荒川区の都電沿線のバラは、荒川区民の方が育てたバラといえるものです。


今年も、「1日乗車券 都営まるごときっぷ」を利用して出かけることにしました。

今年はネットの友人達と出かけることにし、JR巣鴨駅に集合した後、巣鴨駅から都営三田線に乗車して、西巣鴨で下車し、新庚申塚停留所から「三ノ輪橋行き」都電に乗車しました。

終点の三ノ輪橋停留所が「都電荒川線バラ巡り」のスタートポイントです。


荒川区役所



荒川自然公園



荒川二丁目停留所付近のバラ



荒川自然公園

都電荒川線の始発・終着停留所である、三ノ輪橋停留所の駅前広場には約40種類のバラが植えられています。

都電に乗車して三ノ輪橋停留所が近付くと、前方に見事なバラが飛び込んできます。

三ノ輪橋停留所はバラと都電を撮影するスポットで、駅前広場には数多くのカメラマンが次々に到着する都電を熱心に撮影していました。


三ノ輪橋停留所は、「春には見事なバラが咲き揃う都内唯一の都電が走る停留場」として平成9年に「関東の駅100選」に選出されています。

都電は平成19年に昭和初期をイメージしたレトロ車両を投入したとのことですが、三ノ輪橋停留場も昭和30年頃をイメージしたレトロ調のデザインに改修されています。

三ノ輪橋停留所のバラは、駅前広場のみでなく、停留所の裏側にも見事に咲き誇っています。


荒川自然公園



荒川自然公園



荒川自然公園

荒川一中前停留所は、地元の要望により平成12年に設置された、都電荒川線で最も新しい停留所で、通称「ジョイフル三ノ輪前」です。

三ノ輪橋停留所から荒川一中前停留所の線路沿いには、細い小道があり、バラと都電が間近で見られる穴場スポットです。

またバラが咲く前には停留場の名称ともなっている区立第一中学校や付近のサクラが咲き、春の都電荒川線を彩ります。


荒川一中前停留所〜荒川区役所前停留所〜荒川二丁目停留所の間は、線路沿いに会社や民家が建っており、線路に沿って歩くことができません。

荒川二丁目停留所から線路に沿って荒川区役所前停留所方向に100mほど進むと、道路が線路から離れます。

そのまま道なりに100mほど進むと幅広い明治通りに出ます。明治通りを300mほど進んだ右手が「荒川公園」です。

「荒川公園」は荒川区役所の正面玄関の南東に広がる公園で、区役所公園とも呼ばれています。


荒川自然公園



荒川自然公園



荒川自然公園



荒川自然公園

春にはソメイヨシノやシダレザクラが咲き誇る人気のお花見スポットです。

また、中央に位置する噴水の周りでは、ベンチに腰掛けてお弁当を拡げたり、おしゃべりを楽しむ人々が集う、みんなの憩いの場所になっています。

この時期の「荒川区役所」は、荒川公園のみでなく、区役所の各階のベランダにもバラが咲いています。

「荒川公園」から「荒川区役所」の裏手の方向に進むと、都電荒川線の踏切があり、左方向に100mほど進むと荒川二丁目停留所です。



町屋駅付近のバラ


停留所の周りには、「荒川バラの会」の会員が管理しているバラ花壇があり、ちょうど見頃を迎えたばらが咲き誇っていました。

この花壇付近及び花壇の傍の緩やかな坂を上ったところが、「荒川自然公園」です。

「荒川自然公園」は、三河島水再生センターの上部に建設された公園で、面積約5万7千平方メートル、東京ドームの約1.2倍の広さで、荒川区で一番大きな公園です。


町屋駅付近のバラ



日暮里・舎人ライナーからの景観



日暮里・舎人ライナーからの景観

北側部分には、遊びながら交通ルールを学べる交通園やテニスコート、野球場、子ども用プールなどがあります。

南側部分には自然観察のできる野草園があり四季折々の花や草木が観賞できます。

東京都「新東京百景」にも選定された、見晴らしの素晴らしい公園です。

三河島水再生センターの敷地内には約320本のソメイヨシノが植えられており、サクラが開花する頃には、期間限定で一般公開されます。



荒川遊園のバラ



荒川遊園のバラ


「荒川自然公園」を奥の方向(北方向)に300mほど進むと、公園北側の出口があり、出口から左手方向に300mほど進むと京成本線の町屋駅及び都電の町屋駅前停留所です。

町屋は、都電荒川線と東京メトロ千代田線、京成本線の3路線が結節する地点です。

駅を中心とするエリアに立ち並ぶ高層ビルには多くの商業施設が入居しており、古くから栄える尾竹橋通り沿いの商店街とともに活気ある街の骨格を作っています。


荒川遊園のバラ



荒川車庫付近のバラ



荒川車庫付近のバラ



荒川車庫付近のバラ

町屋では駅前の広場と都電沿線にバラが植えられています。

線路沿いにはツルバラを、広場には大輪の花をつけるハイブリットティー系のバラなどが植樹されています。

また、停留所付近は「あらかわバラの市」の会場となります。今年が6回目で、5月17日(土)に開催されました。

「あらかわバラ市」では、バラの花鉢の販売、バラの相談コーナー、バラ関連商品の販売などのイベントが行われます。


町屋駅前停留所から熊野前停留所の区間は、バラの植え込みの場所が確保できないため、線路脇に大型のプランターで栽培しています。

また、線路の両側が車道で、その外側が歩道になっているため、バラを見ながらゆっくり散策ことができません。

その一方で、線路が直線であるため、電車内から見るバラが綺麗です。

このため、町屋駅前停留所から熊野前停留所までは電車で移動しました。


荒川車庫付近のバラ



荒川車庫付近のバラ



荒川車庫付近のバラ



都電の展示車両

熊野前停留場は、日暮里と見沼代親水公園とを結ぶ「日暮里・舎人ライナー」熊野前駅と接続しています。

今回は日暮里・舎人ライナーを利用して、舎人公園に移動して昼食を食べ、再び熊野駅に戻りました。

熊野前停留所から小台停留所の間は、都電の軌道内を緊急車両が通行できる構造になっているため、バラが植裁されていません。ということで熊野前停留所から荒川遊園地前停留所までも都電で移動しました。


荒川遊園地停留所付近には大輪や房咲き、ツルバラなど様々なばらが咲き誇っています。

荒川遊園地前停留所の目の前が「荒川遊園」の入口です。

「荒川遊園」は都内唯一の公営遊園地です。

大正11年(1922年)開園の老舗遊園地で、隅田川沿いにあります。

低年齢層の子供が楽しく遊べるように特化しており、入園料やアトラクション利用料の安さが特徴です。


都電の展示車両



最新型の車両

荒川遊園地前停留所から荒川遊園にはいると、園路の左右にバラの花壇が設けられており、様々なバラが咲き誇っています。

ここの花壇も「荒川バラの会」の方々が維持管理しているとのことです。

バラの傍にはベンチも置かれており、バラを見ながら休憩することもできます。



大塚バラ祭り



大塚バラ祭り


都電荒川線の小台停留所から荒川車庫前停留所を過ぎて、北区境までの区間の沿線には、豊富な種類と数多くのバラが植裁されています。

この付近には背丈よりも大きなバラも数多くあり、荒川線沿線のバラのメインスポットの一つといえます。

この付近も線路の両側は車道になっていますが、線路の南側(荒川遊園地の反対側)の道路は一方通行で交通量が少なく、しかも線路沿いに歩道が設けられており、バラを眺めながらゆっくり散策することができます。


大塚バラ祭り



大塚バラ祭り

また、比較的短い間隔で踏切が設けられており、踏切の線路内からバラを眺めることもできます。

また、荒川車庫前停留所のすぐ傍に「都電おもいで広場」があります。

「都電おもいでひろば」は平成19年にオープンした新しい施設で、旧型の都電車両2車両が展示されています。

見学できるのは、土・日・祝日の午前10時から午後4時です。



大塚バラ祭り


今回は、荒川区のバラを楽しんだ後、飛鳥山停留所から徒歩約15分の「旧古河庭園のバラ」を訪ねた後、飛鳥山停留所に戻り、「大塚バラ祭り」を見に行きました。

「大塚バラ祭り」は今年が3回目という新しいイベントで、都電大塚停留所から向原停留所までの沿線、天祖神社、大塚台公園、沿線商店街が会場となっています。

今年の「大塚バラ祭り」は、5月11日(日)から25日(日)の間、開催されました。JR大塚駅南口から坂を上って向原停留所までの都電の線路沿いには、約500種類のバラが植裁されています。

今年が4回目ということですが、線路の両側には見事なバラが咲き誇っていました。


大塚バラ祭り



大塚バラ祭り



大塚バラ祭り

「オールドローズ」、「王室のバラ」、「香りのバラ」、「イギリスのバラ」、「ドイツのバラ」など、コーナーごとにテーマが設けられており、そのテーマに添った品種が植えられていて、それぞれに異なった趣のバラを楽しむことができるようです。

また、イベント期間中は、地元商店街の街灯や店先などに彩り鮮やかなバラが飾られるとのことです。


都電荒川線沿線のバラを見る場合は、自由に乗り降りできる一日乗車券がお勧めです。

一日乗車券には、「都電一日乗車券」「都営まるごときっぷ」「東京フリーきっぷ」などがありますが、今回は、営地下鉄、都バス、都電、日暮里・舎人ライナーに1日自由に乗車できる「都営まるごときっぷ(1日乗車券)」を利用しました。


大塚バラ祭り



旧古河庭園のバラ



旧古河庭園のバラ



旧古河庭園のバラ

バラが見頃の時期には、荒川区が中心となって都電車内にバラの装飾を施した特別電車「都電バラ号」が運行されます。車両は都電荒川線9001号(赤いレトロ車両)です。

ことしは、5月3日(土)から6月1日(日)の間、運行されていますが、残念ながら出会いませんでした。



関連のホームページ


 荒川区役所(都電沿線のバラ)

 あらかわバラの会

 大塚バラ祭り




        風来坊


旧古河庭園のバラ


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