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初秋のひまわりとわたらせ渓谷ハイキング (H26.10.10)


JR両毛線岩宿駅



駅からハイキング受付

JR東日本の「駅からハイキング&ウォーキングイベント」の「初秋のひまわりとわたらせ渓谷ハイキング」に参加しました。

細部説明は「群馬県みどり市で、遅咲きのひまわりや見事な渓谷美を誇る高津戸峡を巡るコースです。日本古代史上の大発見となった岩宿遺跡や、足尾の銅を運ぶ銅(あかがね)街道の宿場町として栄えた大間々の散策も楽しめます。」となっています。


コースの概要は次のとおりです。

JR両毛線岩宿駅(受付)岡登緑道岩宿遺跡岩宿人の広場岩宿博物館ひまわりの花畑大間々まちなか散策大間々博物館(コノドント館)はねたき道了尊・はねたき橋高津戸峡遊歩道ながめ公園わたらせ渓谷鐵道大間々駅両毛電気鉄道・東武鉄道赤木駅(ゴール)


長閑な風景です



サトウキビ畑

歩行距離約11Km、歩行時間約3時間30分(施設での見学時間を除く)、所要時間約4時間30分(施設での見学時間を含む)でした。

わたらせ渓谷を訪ねるのは初めてでしたが、イベントコースのため多くの方が参加されており、道に迷うこともなくスムーズに散策することができました。

このため、所要時間3時間45分、約18,000歩でした。



柿も実っています



岡登緑道


「みどり市」とは、初めて耳にする名前でした。

みどり市は平成18年3月に、笠懸町、大間々町、勢多郡東村が合併してできた、群馬県で一番新しい市です。

豊かな自然が自慢で、特に市の南北を走る「わたらせ渓谷鐵道」の車窓から見る渓谷美は絶景です。

また、岩宿遺跡やながめ余興場、富弘美術館などの観光施設、文化施設数多く点在しています。

隣りは桐生市、太田市、日光市などです。東京から時間圏内で周辺観光にも便利とのことです。


岡登緑道



岡登緑道

イベントコースのため要所には案内係が配置されていたこと、多くの方と一緒に歩いたことからコースの案内は省略します。

岩宿駅で受付を済ませ、田畑の続く道を1Kmほど進むと「岡登緑道」です。

「岡登緑道」は、江戸時代に作られた農業用水路「岡登用水」に沿って作られた歩道です。

昭和63年〜平成7年にかけて整備されたそうで、ウォーキングやちょっとした散歩など、市民の憩いの場として活用されています。


「岡登緑道」を500mほど歩いた後、左折して案内にしたがって500mほど進むと「岩宿遺跡」です。

「岩宿遺跡」は、群馬県みどり市にある旧石器時代の遺跡です。昭和21年(1946年)に、考古学者の相沢忠洋によって発見されました。

この発見によって、土器時代以前の日本列島に人類は居住していなかったとされていたそれまでの定説は覆され、日本にも旧石器時代が存在していたことが証明されました。


岡登緑道



岩宿ドーム



岩宿遺跡

これ以降、それまで行われていなかった、ローム層の発掘が進められ、日本全国において旧石器時代の遺跡の発見が相次ぐことになりました。

それまでの考古学・日本史の常識を覆し、日本にも世界史でいう旧石器時代段階に人々が生活していたことをはじめて明らかにした、貴重な遺跡が岩宿遺跡です。


一番上の石垣が積まれている場所から、旧石器時代の石器が見つかりました。

上下2枚の地層からそれぞれ異なる組み合わせの石器類が出土し、日本の旧石器時代研究の開始当初から、旧石器時代にはいくつかの段階差があることが分かったことも、岩宿遺跡の発掘調査の大きな成果です。

相沢忠洋像



岩宿の里案内板



岩宿人の広場



岩宿人の広場

岩宿ドームでは、岩宿遺跡の関東ローム層と、岩宿遺跡の時代をやさしく解説するビデオを見ることができます。

岩宿遺跡から200mほど進むと「岩宿人の広場」と「岩宿博物館」です。

岩宿博物館の周囲は「岩宿の里」と呼ばれ、この地域の代表的な里山です。

シンボル的な岩宿遺跡のそばには岩宿博物館があり、稲荷山にあるカタクリ群生地、鹿の川沼ほとりの桜並木、古代ハス池などは、花の時期になると多くの人々で賑わいます。



岩宿博物館


「岩宿人の広場」には、岩宿遺跡に関連する屋外展示があります。

岩宿博物館は岩宿遺跡の発掘資料や出土した石器を展示している博物館です。

常設展示では、岩宿遺跡の発掘調査のようすを映像やパネルで紹介するコーナー、岩宿時代の地形や環境をパネルや模型で再現したコーナー、岩宿時代のヒトの狩猟や生活の道具である石器の作り方・使い方を解説したり、各地で発見された石器文化の地域性や移り変わりなどを紹介するコーナー、岩宿人の狩りのようすを紹介するコーナーなどがあります。


岩宿博物館



古代の里公園



ひまわりの花畑



ひまわりの花畑

岩宿博物館から、古代の里公園を通り抜けて、1Kmほど進むと「ひまわりの花畑」です。

みどり市笠懸町吹上地区では、9月下旬から10月中旬にかけて約12万本のひまわりが開花します。

開花期間中、地元の人たちによる「ひまわりの花畑まつり」が開催され、新鮮野菜の直売や各種アトラクションが催されます。

アトラクションでは、笠懸保存会による馬上より弓を射る「笠懸」の武技が行われます。

笠懸地区の周辺地域は古くは笠懸野と呼ばれ、地名の由来となった「笠懸」は、鎌倉時代にこの地で源頼朝が騎射を催したときに、風で飛ばされた笠を射させたことに始まるとのことです。

それ以来、疾駆する馬上から笠を模した的を射る「笠懸の武技」は、武士の射術鍛錬のために奨励されたとのことです。

ひまわりは残念ながら見頃を過ぎていました。


ひまわりの花畑



赤城駅



大間々の街並み



大間々の街並み

ひまわりの花畑から2Kmほど進むと、上毛電鉄上毛線・東武桐生線の「赤城駅」です。

ここから大間々の街並みが始まります。

大間々の魅力は、江戸時代初期に町割りされた歴史のある街並みと、町からすぐに行くことができる渓谷「高津戸渓谷」とのことです。


「おおまま」は約400年前、江戸時代の初期に町割りされた古い町です。

「おおまま」の意味は、「大きなママがある町」とのことです。

ママとは、崖とか傾斜地を意味し、ここでは渡良瀬川の河岸段丘を指しています。

大間々ではこのママが南北数キロにわたっており、「大きなママがある町」となるとのことです。


大間々の街並み



大間々の街並み



大間々の街並み



大間々の街並み

みどり市大間々博物館(コノドント館)は旧大間々銀行の本店でした。

大間々銀行は明治16年(1883年)に群馬県内で最初の私立銀行として開業しました。

大間々は銀行を必要とするほど、ビジネスが盛んであったことを示しています。

明治41年(1908年)「大間々繁昌記」という本が発行され、当時の大間々の繁栄ぶりを伝えています。

本店の建物は大正10年(1921年)に建設されたもので、大正期の洋風建築として貴重な近代化遺産です。


大間々の繁栄をもたらしていたものとしては、「生糸を主体とした市の存在」「足尾銅山や山中(渡良瀬川上流域)とのビジネス」がありました。

当時、生糸は日本最大の輸出品でした。

また、足尾銅山や渡良瀬川上流域には、さまざまな物資(米・木材など)を供給する必要がありました。


大間々の街並み



みどり市大間々博物館(コノドント館):旧大間々銀行本店



みどり市大間々博物館(コノドント館)



みどり市大間々博物館(コノドント館)

江戸時代初期、慶安2年(1649年)に幕府が制定した足尾の銅を江戸に運ぶための街道が「あかがね街道」です。

足尾から馬の背に乗せて利根川の河岸まで運び、船で江戸まで送ります。

一日で運送する区間毎に宿場が設定され、銅を一時保管する施設「銅蔵」が設けられています。

大間々もこのあかがね街道の宿場でしたが、延享3年(1746年)前橋藩領に編入されたため、宿場は隣接する天領の桐原に移されました。

足尾→沢入→花輪→大間々→大原→平塚河岸→江戸へ


みどり市大間々博物館(コノドント館)は、大間々地域の資料を展示する総合博物館(旧称・大間々町歴史民俗館)として、昭和63年(1988年)に開館しました。

開館以来、この地域に残る貴重な資料の調査・研究・収集・保管のための活動を行ってきたほか、分かりやすい常設展示やタイムリーな企画展などを通じ、「楽しめる博物館」として、多くの人たちが気軽に知識と遊びに来られるための環境づくりに努力しているとのことです。


大間々地域の自然や歴史に関する資料を総合的に展示しているほか、親子で楽しめる恐竜の立体映像もあります。


みどり市大間々博物館(コノドント館)



はねたき橋



はねたき道了尊

大間々の街並みを抜け、わたらせ渓谷鐵道を横切ると「はねたき道了尊」と「はねたき橋」があります。

「はねたき道了尊」は「道了さん」の名で親しまれている仏様です。

心の曲がった子供を更生させるご利益があり、信仰されています。


高津戸峡に架かる「はねたき橋」は、全長120m、幅3.5mの歩行者専用橋です。

その名前は「水が飛散する様子が滝のように見える」ことに由来しています。


床には、全国各地から寄せられた鳥・魚・花を描いた120枚のタイルが埋め込まれています。


はねたき橋



高津戸峡



高津戸峡



高津戸峡



高津戸峡

「はねたき橋」を渡ると「高津戸峡遊歩道」です。

高津戸峡は「関東の耶馬溪」とも讃えられています。

はねたき橋から高津戸橋までの約500mの遊歩道は、高津戸峡の川面に近く、四季折々の美しい自然が満喫できる変化に富んだ散策路です。



高津戸峡



高津戸峡



高津戸峡


また、川底のくぼみに落ち込んだ石が、水流によって回転してできたポットホールや、ゴリラの頭のように見えることから名付けられたゴリラ岩などの奇勝を見ることも出来ます。

「高津戸遊歩道」の下流側にある、高津戸橋から眺める渓谷は、はねたき橋との白と赤とのコントラストもあり絶景です。


高津戸峡



高津戸橋



高津戸橋からの展望



高津戸橋

高津戸橋のそばに「ながめ公園」はあります。

高津戸峡の眺めが良いから、「ながめ公園」という名が付いたとのことです。

稲刈りなどの農作業を済ませて、早く「ながめ」に行きたいなあと思わせる、今で言うテーマパークのような行楽地だったとのことです。



ながめ公園からの展望



ながめ公園からの展望


公園の一角に「ながめ余興場」があります。

昭和12年(1937年)に建てられた木造二階建ての劇場です。

直径約6.3mの廻り舞台や花道、二階席もある本格的な造りで、玄関は歌舞伎座を模したといわれています。

最盛期の昭和20〜30年代には人気劇団や流行歌手が次々に舞台を踏み、窓にぶらさがったり、木に登って観る人もいたというほどの人気ぶりだったとのことです。


ながめ余興場



トロッコ列車



大間々駅

「ながめ公園」から300mほどで「わたらせ渓谷鐵道大間々駅」です。

わたらせ渓谷鐵道は、特定地方交通線の足尾線を引き継いだ、わたらせ渓谷線を運営する第三セクターの鉄道事業者です。

桐生駅から間藤駅の44.1kmを運行しています。

トロッコ列車が人気のようですが、毎日は運行されていないとのことです。



駅からハイキングコール 記念品贈呈あり


大間々駅から1Kmほどで赤城駅(ゴール)です。

上毛電気鉄道の上毛線と、東武鉄道の桐生線が乗り入れ、接続駅となっています。

東武鉄道の特急「りょうもう」の大部分が当駅から発着しています。


赤城駅



上毛電気鉄道


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 みどり市観光ガイド




     風来坊


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