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水郷佐原で春まつり 雛舟パレードと雛巡りハイキング その2 (H26.3.15)

雛巡りハイキング


鳥居河岸 右は利根川



香取駅

JR成田線香取駅に10時15分に到着すると、同じ電車に50名程度の駅からハイキング参加者が乗車していました。

イベントコースで案内板に従って多くの参加者とともに歩きましたので、コースの細部については説明を省略します。

香取駅から左方向(西方向)に400mほど進んだ丁字路を右折し、600mほど進むと、最初の散策スポット「鳥居河岸(津宮浜鳥居)」です。



津宮河岸の常夜灯


津宮浜鳥居に向かう階段の右手前に「津宮河岸の常夜灯」があります。

階段を上ると津宮河岸で、前方に広々とした光景が広がります。

眼下に利根川が流れていますが、河口から35km付近ということで、流れは殆どなく、海を眺めているような感じです。

鳥居河岸を上流に向かって2kmほど進んだ左手が「道の駅・川の駅 水の郷さわら」です。


津宮浜鳥居



鳥居河岸 右は利根川



道の駅・川の駅 水の郷さわら



道の駅・川の駅 水の郷さわら

道の駅になぜ船が・・・・と思ったところ「道の駅・川の駅」でした。

ここは道の駅のみでなく、観光船の乗り場にもなっていました。

「水の郷さわら」から河岸を500mほど進み、河岸から左斜め下に進んだところを左折して、400mほど進んだ右手が香取市役所です。佐原市役所と思っていましたが、いつの間にか佐原市から香取市になっていました。


香取市役所からさらに400mほど進むとJR成田線の踏切です。

踏切を渡って左折して50mほど進むと小野川の海運橋です。

千葉県北部の佐原は、古くから水郷の町として栄えました。

町を南北に流れる小野川沿いと香取街道沿いには古い商家が立ち並び「北総の小江戸」と呼ばれています。

映画やドラマの撮影にも数多く登場する日本情緒溢れる町でもあります。

また、日本で最初の実測地図を作り上げた「伊能忠敬ゆかりの地」としても知られています。


香取市役所



小野川



小野川沿いの建物 雛飾りも

このような歴史景観をよく残し、またそれを活かしたまちづくりに取り組んでいることが認められ、平成8年12月、関東で初めて「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。

「重要伝統的建造物群保存地区」には昔からの家業を引き継いで、現在も営業を続けている商家が多く、「生きている町並み」として評価されています。


水郷佐原観光協会作成の観光MAPには、佐原の町を徒歩で散策するコースとして「街並みルート」「忠敬ルート」の2つ紹介されています。

「街並みルート」は所要時間約4時間で道のりは約1時間、「忠敬ルート」は所要時間約5時間で道のりは約2時間です。

今回は、「第9回さわら雛めぐり」を見るために設けられたコースですから、2つのコースの中間のコースでした。


小野川沿いの建物



小野川沿いの景観



小野川の雛飾り

海運橋から小野川に沿って進むと、川沿いには江戸時代や明治・大正・昭和の初めに建った商家や土蔵が立ち並んでします。

残念ながら川沿いの柳は芽を吹いていませんでしたが、川のあちこちにある船着き場にはお雛様が飾られていました。

小野川に沿って上流に200mほど進んだところに「町並み観光中央案内所」があり、さらに200mほど進んだところが「忠敬橋」です。



町並み観光中央案内所


左右の通りが香取街道で佐原のメイン通りで、「第9回さわら雛めぐり」のメイン会場です。

「忠敬橋」を左折し、町並みに飾られて人形を眺めながら100mほど進んだ右手が「佐原町並み交流館」で、数多くのお雛様が飾られていました。

「佐原町並み交流館」から、香取街道を200mほど進んだ左手が「八坂神社」で、その傍に「水郷佐原山車会館」があります。


町並み観光中央案内所の雛飾り



香取街道沿いの建物



香取街道沿いの建物



香取街道沿いの建物

八坂神社は小野川の東側の本宿地区の守護神・氏神様で御祭神はすさのおのみことを祀っています。

明治の神仏分離の時に八坂神社と改名され現在に至っています。

佐原の大祭りは、7月中旬に行われる八坂神社の祇園祭と、10月第2土曜日を中日として3日間行われる諏訪神社秋祭りの総称をいい、関東三大山車祭りの一つと称され、約300年の伝統を有しています。


山車は24台あり、夏祭りには10台、秋祭りには14台の山車がそれぞれ引き廻されます。

「佐原囃子」の音を町中に響かせながら、小江戸と呼ばれる街並みの中を家々の軒先をかすめながら進むさまは風情たっぷりで、江戸時代の情景を彷彿させます。


自慢の山車は、総欅造りの本体に関東彫りの重厚な彫刻が飾り付けられ、上部には江戸・明治期の名人人形師によって制作された高さ4mにも及ぶ大人形などが飾られます。


八坂神社



水郷佐原山車会館



水郷佐原山車会館



水郷佐原山車会館

平成16年に「佐原の山車行事」が国の重要無形文化財に指定されました。
「水郷佐原山車会館」には交替で2台の山車が展示され、高さ8mにも及ぶ総欅造りの山車を下からも上からもじっくり見ることができます。

その中には、幕末から明治に造られた名工の手による彫り物や江戸時代から昭和初期にかけて活躍した名人形師が手がけた大人形など、現在では同様に造ることが困難な希少価値の高い山車飾りもあります。



観福寺



観福寺


「水郷佐原山車会館」から香取街道に戻り、さらに100mほど進んだ「香取神宮入り口」の交差点を右折して、1kmほど進んだ右手が「観福寺」です。

「観福寺」は、川崎大師、西新井大師と並ぶ、関東三大厄除大師の一つに数えられています。

真言宗豊山派に属し、本堂、大師堂、観音堂、不動堂、鐘楼など堂々とした構えの北総の名刹です。

守護仏は聖観世音菩薩で、弘法大師が布教の折りにお泊まりになったため、お堂を建てたのが起こりと伝えられています。寛平2年(890年)のことです。


観福寺



観福寺

国指定重要文化財の釈迦如来、十一面観世音菩薩、地蔵菩薩、薬師如来の金銅製懸仏の4体は、鎌倉時代の秀作です。

広大な境内には、伊能忠敬、国文学者の伊能頴則、楫取魚彦などの墓地をはじめ、古い下総板碑など歴史的に貴重な資料が数多く残されています。

また観福寺は、春の桜、夏の緑、秋の紅葉に代表される四季の景観の美しさでも知られています。



与倉屋大土蔵


福音寺から元来た道を200mほど戻り、最初の信号のある三叉路を左折して道なりに500mほど進んだ右手が「与倉屋大土蔵」です。

与倉屋は、明治初期は酒醸造業を営み、その後醤油製造業を戦後まで続け、戦後は昭和30年頃まで製粉業を営み、現在は倉庫業をしています。

道路沿いの大土蔵は明治22年(1889年)建造で日本最大級です。


東薫酒造



東薫酒造

「与倉屋大土蔵」を右手に見て、道なりにさらに200mほど進むと丁字路となり、その傍に建っているのが「東薫酒造」です。

「東薫酒造」は文政8年(1825年)の創業で、180年以上に亘って酒造り一筋に歩んできた老舗です。

芳醇な香りの大吟醸「叶」は全国新酒鑑評会で11回の金賞のほか、様々な賞を受賞しているとのことです。


「東薫酒造」では、酒造りの行程を案内人の説明を聞きながら無料で見学することができます。所要時間は約30分です。

ここで駅からハイキング参加者には甘酒のサービスがあり、きき酒も楽しむことができました。

「さわら雛舟」を見学する時間の関係で、酒造り行程の見学はパスしました。


馬場酒造本店



佐原の町並み

「東薫酒造」から東方向に50mほど進むと「馬場酒造本店」です。

「馬場酒造本店」は、天保13年(1842年)に酒造りを始めた蔵元で、日本酒や味醂の醸造を長年に亘り営んでいます。

機械による大量生産はせず、できる限り伝統の製法を守り、人の手で丹精込めた酒造りを行っているとのことです。



香取街道の街並み



香取街道の街並み


「馬場酒造本店」から少し進むと「伊能記念館西入り口」の交差点で、この付近から佐原の古い町並みとなり、それぞれの店頭には、竹飾りのお雛様が飾られていました。

町並みを眺めながら200mほど進むと「忠敬橋」で、右折して小野川に沿って50mほど進んだ左手が「伊能忠敬旧宅」です。


香取街道の街並み



香取街道の街並み

忠敬が18歳から50歳まで30年余りを過ごした家が保存されています。
平屋建ての旧宅は、造り酒屋や米穀を商っていた表の店舗部分と母屋、その奥に文政4年(1821年)に建てられた土蔵があります。

東日本大震災で大きな被害を受け、現在復旧工事中で残念ながら見学できませんでした。



伊能忠敬旧宅前の小野川



伊能忠敬旧宅前はさわら雛舟の発着所でした


小野川に面した「伊能忠敬旧宅」の正面には「だし」と呼ばれる荷揚場があり、現在は観光船の乗り場になっています。

今回は「さわら雛舟」の発着所になっていました。

「伊能忠敬旧宅」の傍の小野川に架かっている橋が「樋橋」です。

もとは江戸時代の前期に作られた、佐原村用水を小野川の東岸から対岸の水田に送るための大樋でした。


樋橋:ジャージャー橋 右の工事中が伊能忠敬旧宅



樋橋:ジャージャー橋 右の工事中が伊能忠敬旧宅

300年近く使われ、戦前にコンクリートの橋になってからも橋の下側につけられた大樋を流れる水が、小野川にあふれ落ちて「ジャージャー」と音を立てるので「ジャージャー橋」の通称で親しまれていました。

現在の橋は観光用に造られたもので、30分ごとに落水させています。

この樋橋の落水は「残したい日本の音風景100選」に選ばれています。



伊能忠敬記念館


伊能忠敬旧宅から樋橋を渡ったところに「伊能忠敬記念館」があります。

伊能忠敬は、延享2年(1715年)に九十九里の小関村に生まれ、17歳の時に佐原村の伊能家の婿養子に入りました。

当時の伊能家は酒、醤油の醸造や米の売買を行う大商家でした。

忠敬は伊能家の主人として家運を盛り立て、また村の名主として活躍しました。


伊能忠敬像



茶屋 いのう

50歳で隠居した後、江戸に出て本格的に天文学と地理学を学びました。

55歳から10回に分けて全国測量を行い、その間歩いた距離は約3万5千kmといわれています。

その成果は「大日本沿海輿地全図(輿全地図)」として、忠敬が73歳で没した3年後に、弟子達の手によってまとめられました。



山車の演技



街並みの雛飾り


「伊能忠敬記念館」には、伊能図とも呼ばれる「大日本沿海輿地全図」を始め、伊能忠敬の人となりや全国を測量した足跡などが年代順に紹介されています。

重要文化財となっている測量器具や伊能図の数々が、地球1週分近くの距離を測量して歩いた忠敬の業績をしのばせています。

その結晶ともいえる正確さと芸術的な美しさを備えた地図は必見です。
今回は国宝の地図の原画も展示されていました。


街並みの雛飾り



街並みの雛飾り

「伊能忠敬記念館」の裏手にある、町並み観光駐車場では「小江戸さわら春祭り」が開催されていました。

会場に到着したときに、ラッキーにも佐原大祭で実際に曳き廻される下宿区の山車の演技が行われていました。

特設ステージでは、佐原囃子の演奏と手踊りの披露など様々な催しが行われるようです。



街並みの雛飾り


街並みの雛飾り



JR佐原駅


「小江戸さわら春祭り」会場から忠敬橋に戻り、香取街道の街並みや雛飾りを眺めながら約15分でJR佐原駅に到着です。


  
佐原散策その1へ



          風来坊


JR佐原駅


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