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御岳園地の紅葉
多摩川上流の御岳渓谷は「日本名水100選」に指定されている景勝地です。 多摩川の両岸には、約4kmにわたり遊歩道が整備されており、四季ごとにその様相を変える華やかに変える渓谷には、多くの観光客が訪れて思い思いに散策を楽しんでいます。
御岳橋からの展望
また、御岳渓谷にはカヌーのメッカとしても広く知られ、ウォータースポーツを楽しむ若者が全国から集まります。 スポーツよりも芸術を好まれる方は、美術館めぐりがお勧めのようです。 日本画壇の巨匠、川合玉堂の作品や書斎が展示されている玉堂美術館をはじめ、御岳渓谷には美術館や記念館が点在しており、遊歩道を散策しながら立ち寄る人も多いようです。
御岳橋上流の紅葉
多摩美術館上流の紅葉
楓橋の紅葉
御岳渓谷遊歩道は、JR青梅線御嶽駅を中心に、多摩川の両岸約4kmにわたり整備されている遊歩道です。 上流は御嶽駅と川井駅の中間あたりから、下流は沢井駅と軍畑駅の中間ぐらいまでです。
鵜の瀬橋傍の紅葉
駅からも近く、比較的平坦な遊歩道ですから、気軽に歩いて四季折々の渓谷美を楽しめる人気のコースです。 この遊歩道を通って御岳美術館、玉堂美術館、櫛かんざし美術館、澤乃井小澤酒造などをめぐることができます。
軍畑大橋から多摩川上流の展望
御岳渓谷遊歩道入口
今回は紅葉の時期に訪ねましたが、折角の機会ですから、青梅市観光協会のホームページで紹介されている「御岳渓谷ハイキングコースを歩く」に沿って散策することにしました。 このコースはJR青梅線軍畑駅から御岳渓谷を「御岳美術館」まで上り、UターンしてJR青梅線御嶽駅まで戻るコースです。 御岳渓谷ハイキングコースの概要です(クリックして下さい)。
JR青梅線軍畑駅で下車し、駅前の坂を200mほど下ると青梅街道に突き当たります。 「軍畑駅入口」の信号を渡ったところが多摩川にかかる「軍畑大橋」です。 紅葉が綺麗でしたが、午前8時と朝が早かったため、左手の多摩川右岸はまだ陽が当たっていませんでした。
青梅街道から多摩川に降りる遊歩道
散策路沿いの多摩川
青梅街道の川側の歩道を上流に向かって400mほど進むと「御岳渓谷遊歩道入口」の案内板があります。 案内板の傍に多摩川に降りる遊歩道を少し下がると急な階段があります。 階段を下りると多摩川沿いの御岳渓谷遊歩道です。
多摩川には大きな岩石が見られますが、この付近の多摩川の流れは緩やかです。 御岳渓谷という名前からは、急流に沿って上り下りしながら進んでいく遊歩道が想像されますが、御岳渓谷は歩きやすい平坦な遊歩道が整備されており、上り下りする個所があるのは、遊歩道の一番下流の軍畑駅に近い部分のみです。
楓橋
右上が「ままごと屋」
遊歩道入口から1kmほど上流に進むと楓橋があります。 楓橋の右側の坂を登った青梅街道沿いに、清酒「澤乃井」で有名な小澤酒造があります。 古文書により元禄15年(1702年)には酒造業を営んでいたことが判明している老舗です。 無料で酒蔵の見学(1日4回)をすることができます。1日4回です。
遊歩道沿いにある「澤乃井園」は小澤酒造の直営の庭園で、売店、食堂、東屋などがありくつろぎの場として利用できます。 また、酒蔵見学の受付もしています。
小澤酒造
青梅街道から澤乃井園を望む
澤乃井園
「澤乃井園」の隣にある「ままごと屋」は澤乃井直営の料亭で、豆腐料理で有名です。 清酒・澤乃井を生む名水「岩清水」を使って作られた、豆腐やゆばを中心とした各種の季節コース料理を提供しています。 すぐ隣りに姉妹店の「豆らく」があります。
小澤酒造から、歩行者専用橋の楓橋で対岸に渡ったところに建つのが寒山寺です。 寒山寺は中国の蘇州にある寒山寺にちなんでいます。 書家の田口米舫が明治17年(1885年)に中国の姑蘇城外の寒山寺を訪れた際、主僧の祖信師より釈迦仏木1体を託されました。
帰国後、昭和5年(1930年)に小澤太平氏の協力によって、この場所に寒山寺が建立されました。 御岳渓谷の遊歩道沿いにひっそりと佇むお堂には、渓谷を散策に訪れた人々が立寄り、鐘をつく姿が見られます。
楓橋から坂道を5分ほど上ったところに「櫛かんざし美術館」があります。 江戸から昭和にかけての櫛とかんざしを中心に、紅板、はこせこ、かつら、矢立など季節に合わせた作品を常時約400点を展示しています。 展望ホールから見る多摩川の流れは絶景とのことですが、訪ねた時間が早くてまだ開館していませんでした。
櫛かんざし美術館
楓橋及び多摩川下流の展望
楓橋は歩行者専用の吊り橋で、長さ80m、幅2mで水面まで15mです。 現在の橋は昭和53年に架けられた2代目の橋です。 周囲の美しい自然と清流は昔から名高いものがあり、紅葉の名所でもあります。 寒山寺にのぼる階段から眺める楓橋の景観は見事です。
楓橋から多摩川上流の展望
楓橋付近は見事な紅葉も鑑賞することができます。 このエリアは、JR青梅線沢井駅から5分ほどのところにあり、御岳渓谷観光の拠点のひとつといえる場所です。
楓橋上流
楓橋から上流は多摩川の両岸に遊歩道が整備されていますが、今回は川の北側を歩きました。 楓橋から上流の御岳渓谷遊歩道は舗装された遊歩道で、道幅も広くて歩きやすくなっています。
鵜の瀬橋
楓橋から上流に600mほど進むと鵜の瀬橋があります。 鵜の瀬橋は長さ72m、幅1.4m、水面まで10mの歩行者専用の橋です。 昭和49年(1974年)の台風16号で流出した後、昭和62年(1987年)に架けられた2代目の橋です。
鵜の瀬橋上流の光景
鵜の瀬橋上流の紅葉
鵜の瀬橋の北側の遊歩道には紅葉の綺麗な場所があります。 鵜の瀬橋から100mほど進んだ川傍に東屋があります。 ここの紅葉も綺麗です。
東屋
「お山の杉の子」の歌碑
東屋の遊歩道の反対側に、「お山の杉の子」の歌碑があります。 童謡「お山の杉の子」は、「月の砂漠」や「京人形」など数々の名曲を世に出した佐々木すぐりの作曲で、吉田テフ子の作詞です。 佐々木すぐるは、たびたび御岳渓谷を訪れており、昭和12年に都心の自宅改築中や戦時中には疎開してその地に居住していました。
多摩川渓谷
多摩川渓谷遊歩道
この間、地元の小学校の校歌を進んで作曲されるなど、地域の人々との交流を深めるとともに、御岳の緑豊かな自然をこよなく愛されていました。 昭和19年に作曲された「お山の杉の子」は、この土地の美しい杉木立の山々によって誕生したものです。
歌碑は、佐々木すぐるの生誕百年を機に、その功績と歌の心を後世に伝えたいという地元の有志によって平成9年3月に建立されたものです。
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