散策スポット・鎌倉

散策スポット目次

HOME

前ページ

次ページ

光則寺のヤマアジサイ (H23.6.3&6.9)


くれない



七段花

ヤマアジサイは福島県以西の本州・四国・九州に分布する落葉低木です。

サワアジサイの別名があるように、ブナ林などの夏緑広葉樹林の谷筋などに生育しているそうです。


ヤマアジサイや、北海道、新潟など豪雪地で自生する同系統のエゾアジサイも含めて、花の形は装飾花のつき方によってガク型と手まり型があり、さらにその中間の半手まり型もあります。



胡蝶の舞



酔湖の絣


羽衣の舞



横浪の月(土佐の織姫)


乙女の舞



剣の舞


黄冠



ティアラ


伊予の光



青鳳



伊予の星屑

また、装飾花の花弁は、基本的には4弁ですが、3弁のものや多弁の八重咲きのものもあります。

花の色は青の濃淡や紅色、さまざまな色調の紫やピンク、白・・・・と多彩で、葉の色も黄金色や斑入り、黒葉など変化に富んでいます。


鎌倉では長谷寺の隣の光則寺と北鎌倉の古陶美術館で数多くのヤマアジサイを見ることができます。

そのほか、長谷寺や御霊神社などのあじさいの名所でも、ヤマアジサイを見ることができますが、種類はそれほど多くはありません。


白雪姫



伊予の乱れ髪


阿波紫



藍姫


東雲



富士の滝


藍姫七変化



モンアソ


瀬戸の月



ナデシコ



土佐の月

今年はツツジや藤などの開花が遅いので、ヤマアジサイの開花も遅いのではないかと思いつつ5月26日に訪ねたところ、境内の鉢の数が少なくて随分早い感じでした。

ヤマアジサイのお世話をされている光則寺の方に尋ねたところ「今年のヤマアジサイは咲くのが遅く、しかも成育が悪くて蕾の数が少ないです。見頃は6月上旬になるかと思います」とのことでした。


光則寺を訪ねた翌日の5月27日に関東は梅雨入りしました。

平年よりも12日、昨年よりは17日も早く、1951年の統計開始以来2番目の早さとのことです。

梅雨入り後は雨の日が続くなどスッキリしない天候でしたが、久々に晴れ間の覗いた6月3日に、少し早いかなと思いつつ光則寺を訪ねてみました。




長州維持


伊予の盃



祖谷の風車


清澄沢



大虹


白鷺



秋吉の桃姫


モモイロ



伊予絞り



石鎚の光

境内にはいると数多くの鉢植えのヤマアジサイが並んでおり、多くの鉢で見頃を迎えつつありました。

見頃には少し早かったですが、ヤマアジサイの花は咲き始めが綺麗ですから、まあまあという感じです。


光則寺は、樹齢約200年の見事な海棠(かいどう)が有名ですが、花の寺としても親しまれております。

光則寺の入口には「四季の光則寺・野草と茶花マップ」が置かれており、境内に咲く花の図面があります。

図面一面に小さな字で花の名前が書き込まれています。




土佐の涼風


土佐緑風



伊予の十字星


土佐美鈴



黒姫


瀬戸の夕紅



紫紅梅


白斑



美方八重



伊予冠雪

光則寺のヤマアジサイには次のような経緯があります。

稲村ヶ崎の増淵整治さんのお宅では、5月を迎えると500種を超えるヤマアジサイが咲き誇っていました。

自宅の「山あじさいの隠れ里」を開放して愛好家に喜ばれていましたが、諸般の事情により1999年に開放を断念されました。


公開できる場所を探している時に立ち寄った光則寺で地植えのシチダンカを見つけたことから、2001年から多数のコレクションのうち、100種類を境内で展示することになりました。

2005年に増淵さんから全鉢寄進されて、引き続き光則寺で展示を行っています。

こうした経緯から、現在は光則寺の住職の妹さんがお世話をされています。


白鳥



普賢の花


ミヒラ



深山八重紫


濃紫



筒井童子


紫変化



伊予の薄墨


八重咲き甘茶



伊予絣



赤倉甘茶

ヤマアジサイは

春たっぷり陽射しを浴びて蕾を充実させる

夏・残暑の強い陽射しや高温に弱い

秋の陽射しを浴びることで来年の花芽が充実する

耐寒性はあるが、冬の冷たい乾風は蕾や枝に被害を及ぼす

花色は土のPHの影響を受けるものがある


といった条件から、

ヤマアジサイの育成にふさわしい場所に移動でき

花色によって土を変えることができる鉢植えがベスト

とのことです。


久住の涼風



青甘茶


天城甘茶



龍馬1


土佐11



田の字


舞姫



伊予時雨


井内絣



美萩錦



白富士

光則寺では250種類ほどのヤマアジサイを栽培しており、開花の始まったヤマアジサイの鉢から逐次境内に並べられます。また、見頃を過ぎた鉢は逐次撤去されます。

6月3日には100種類以上のヤマアジサイが並べられており、見頃には少し早い感じながらも大いに楽しむことができました。


ヤマアジサイは西洋あじさいよりも2週間程度早く見頃を迎えます。

西洋あじさいを念頭に置いていると、ヤマアジサイの見頃を逃してしまいますので要注意です。

ヤマアジサイの時期は鎌倉も比較的空いています。

しかも光則寺は拝観時間が7時30分から日没までと長いですからゆっくり楽しむことができます。


伊予桜



富士の白雪


楊貴妃



深山黒姫


肥後絞り



土佐紺青


峰の雪



乙女の舞(木沢の光)



濃青エゾ


浜美人



宵の星


伊予錦



木曽変化


鎌倉小町



富岳



山水菊


白花



紅山


唐津



紅冠雪


富士白額



土佐の暁



右側が葉化病のアジサイ
(日本アジサイ協会HPから借用)

葉化病に注意

最近 緑花のアジサイがブームになっており園芸店などで販売されていますが非常に危険です。

あじさいの花の色が左の写真のように濃い緑色のアジサイです。

写真は日本あじさい協会のホームページから借用しました。


この緑花のアジサイは、ファイトプラズマという微生物により花の色が緑色になるアジサイ葉化病に罹っています。

近年まで、アジサイやポインセチアなど、これまで新品種と思われて珍重されていたものが、実はファイトプラズマによるものだと判明したそうです。

ファイトプラズマはセミの仲間の昆虫「ヨコバイ」によって媒介され、感染を急速に拡大させます。


伊予の青絣



白妙

この葉化病によって庭の全てのアジサイが枯死した例もあるとのことです。

葉化病は、西洋あじさい、ガクアジサイ、ヤマアジサイいずれにも伝染します。

葉化病の原因であるファイトプラズマが、ヨコバイによって媒介され、感染が拡大することが解明されたのは最近であり、除去薬剤はまだ開発されていません。

したがって、葉化病に感染しているアジサイを発見した場合は焼却処分する必要があります。


光則寺のヤマアジサイも一部この葉化病に感染したとのことです。

怪しいなと思い写真を撮って日本アジサイ協会に送ったところ葉化病と判明したとのことです。

鎌倉でも葉化病の感染が見られるとのことです。

葉化病でない緑色のアジサイもありますが、葉化病との見分けは難しいようですから、避けるのが無難です。


対馬



日向紺青

アジサイの葉化病に関しては、日本アジサイ協会の会報で警告も出されているようですが、一般にはあまり知られていないようです。

「緑色のあじさいに注意」ということは、「日本アジサイ協会」のホームページでも紹介されています。


 日本アジサイ協会のホームページ


群馬県や長野県のあじさい園では大きな被害が出ているようです。

アジサイ愛好家の方は注意して下さい。

ただし、薄緑色→白色→緑色と変化するアナベルは問題ありません。


阿波紫紅



八丈千鳥(御霊神社)


八丈千鳥(御霊神社)



伊予テマリ



伊予獅子テマリ


緑星テマリ



別子テマリ


新宮テマリ



祖谷テマリ


青テマリ



白扇


アクセス
江ノ島電鉄長谷駅から徒歩10分

拝観時間 
7:30〜日没まで

拝観料 
100円


       風来坊


目次  TOP HOME