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アプトの道を歩く その1 (H22.9.12)


碓氷第3橋梁(めがね橋)



碓氷第3橋梁(めがね橋)


松井田町(現在は安中市)が建設を進めていた旧信越本線とアプト式旧線を利用した遊歩道「アプトの道」が平成13年4月4日に、横川〜めがね橋間が開通し、一般に開放されました。

各隧道内には照明も設置され、橋梁には転落防止の高欄が新設されています。

また、めがね橋〜熊ノ平は、現在遊歩道化を目指して調査工事が行われています。



高崎〜横川間は明治18年(1885年)、軽井沢〜直江津間は明治21年(1888年)に開業しましたが、碓氷線と呼ばれた横川〜軽井沢間は、碓氷峠が急勾配のため、路線決定が紆余曲折し、明治26年(1893年)4月にようやく開業しました。


この結果、高崎〜直江津間の全線が開業することとなりました。


碓氷第3橋梁(めがね橋)



碓氷第3橋梁(めがね橋)



碓氷第3橋梁(めがね橋)


横川〜軽井沢間の11.2km(標高差550m)は66.7パーミル(1000mで66.7m上昇)という鉄道としては急勾配のため(通常は30パーミル程度です)、ドイツの山岳鉄道で実用化されていたアプト式が採用され、昭和38年まで運行されました。

アプト式は、機関車の車輪の間に備えた3枚の角度の異なる歯車をラックレールに噛ませる方式です。



碓氷第3橋梁(めがね橋)


碓氷第3橋梁(めがね橋)



しかしながら、アプト式の碓氷線は、速度が遅く、輸送力も低いという問題がありました。

「アプト式」を使わない通常の「粘着式」運転の可能なEF63型電気機関車が登場し、輸送量の増加に対応するため、碓氷新線が昭和38年に開通しました。


碓氷新線の開通に伴い、「アプト式」の路線は使命を終えました。


橋の上に出る取り付け階段



めがね橋の上部



めがね橋

「お散歩写真隊」のサブコミュニティー「お散歩レンガ隊」のメンバー16名で遊歩道「アプトの道」を歩きました。

横川駅から軽井沢行きのJRバスに乗車して「めがね橋」まで行き、めがね橋から横川駅までの4.8kmを散策するコースです。

バスは横川駅から碓氷バイパスではなく、旧国道18号線を走り、坂本宿や峠の湯を経由して約15分で目的地の「めがね橋」到着です。



「めがね橋」でバスから降りると目に前に碓氷第3橋梁(めがね橋)が飛び込んできます。


めがね橋は、高さ31.39m、長さ91.06mという巨大なアーチ橋で、まさに圧巻です。

碓氷線(アプト式旧線)には、当時の土木技術の粋を集めて、28のトンネルと18の橋梁は造られていますが、めがね橋は4連式アーチ橋で碓氷線では最大の橋梁です。


めがね橋の上の遊歩道



めがね橋



めがね橋


めがね橋には200万個以上のレンガが使用されており、国内でも最大のレンガ造りアーチ橋です。

めがね橋の工事は明治25年4月に橋脚の基礎工事に着手し、25年12月にはレンガ積みを完了しています。

24時間体制の突貫工事だったとのことです。



明治27年に耐震性を高めるための補強工事が行われました。


これにより、アーチ部と橋脚が太くなったとのことですが、この補強工事により現在でも健全が保たれているとのことです。


めがね橋



めがね橋上からの展望 旧国道18号線 右手前の道からアプトの道へ



めがね橋上からの展望 旧国道18号線と碓氷川


遊歩道アプトの道が整備されたことにより、このめがね橋の上を歩くことができるのです。

めがね橋の裏側に、橋の上に行くことのできる取り付け階段が設置されています。

めがね橋の上は遊歩道化されるとともに、欄干には転落防止用の高欄が設置されています。

めがね橋の上からの展望もなかなかのものです。



めがね橋の上流側に橋梁を見ることができます。


碓氷新線の橋梁で、昭和38年から平成9年まで使用されていました。

長野新幹線の開通に伴い、碓氷新線は廃止になり、現在は使用されていません。

長野新幹線は約3km先の山の中を通っているとのことです。


碓氷新線の橋梁 現在は使用されていません



6号隧道


めがね橋の軽井沢側にあるのが6号隧道です。

6号隧道はアプト式旧線の中では一番長く546mあります。

未整備のため立ち入り禁止になっています。



めがね橋を渡ったところにあるのが5号隧道です。

アプトの道には5つのトンネルがありますが、その中で一番長いトンネルで、長さは243.6mです。

トンネルの中が右にカーブしています。

5号隧道軽井沢側



5号隧道内部 右にカーブしています


第5隧道を出たところに緑の高欄が設置されています。

この場所に第10カルバートがあります。

カルバートは基本的には橋梁の一部ですが、アプト式旧線では径間10フィート以下をカルバートと呼称していました。

第10カルバートは小さいながらもレンガのアーチです。



5号隧道横川側 隧道の手前に第10カルバート



第4隧道軽井沢側 第3隧道が見えます



第4隧道内部


第4隧道から第5隧道を望む



4号隧道は長さが100.3mです。


直線のトンネルで、4号隧道の入口から3号隧道を見ることができます。


第4隧道横川側



第3隧道軽井沢側


3号隧道は長さ77.5mです。

直線のトンネルです。

3号隧道の出口から、4号隧道、5号隧道を見ることができます。



第3隧道横川側 第5隧道まで見通せます



3号隧道を出て、第2中山道跨線橋をくぐり、ゆるやかな左カーブを進むと左手にあずまやがあります。


ここで休憩することができます。

あずまやの前から碓氷湖を展望することができます。


第2中山道跨線橋 横川側から



あずまや前からの碓氷湖


あずまやを過ぎると直線の下り坂ですが、ここの勾配が急になっており碓氷線の急勾配を実感できる場所とのことです。

急勾配の坂を下りたところが第2隧道ですが、その手前右手が碓氷湖です。

碓氷湖には湖周遊歩道があります。

第3橋梁のスタート地点から、1kmのところです。



第2隧道軽井沢側



第2隧道は長さ112.8mです。

トンネルの中が左にカーブしています。

損傷が激しいようで、トンネル内部は補修工事が行われています。


第2隧道横川側



第2橋梁



第2橋梁の高欄


第2隧道を出て100m程進んだところが第2橋梁です。

長さ23.5m、高さ12.2mの一連アーチです。

遊歩道の両側に緑色の高欄が設置されています。

橋梁には朽ち果てたキロポストを見ることができます。

残念ながら、沢の下から橋梁を見ることはできません。



第5隧道軽井沢側



第2橋梁から右にカーブして暫く進んだところが第1隧道です。

この第1隧道の上を旧中山道が通っており、隧道の軽井沢側から旧中山道に出ることができます。

この付近の旧中山道は、急な山道になっており、「峠道探訪」の案内にも「上りも下りも急な坂道です。気をつけて!」と書かれていました。


旧中山道



第5隧道から軽井沢方向を望む


第5隧道内部



第5隧道横川側


第1隧道は長さ187.1mです。


中が少しカーブしています。



第1隧道を出て100mほど進むと右手に北原白秋の歌碑が設置されています。


うすいねの 南おもてと なりにけり

 くだりつつ思う 春のふかきを


北原白秋の歌碑



峠の湯


北原白秋の碑を過ぎて第1中山道跨線橋で、国道18号旧道をくぐると右手が峠の湯です。

第3橋梁の出発点から約2km、横川駅まで約2.9kmです。

峠の湯には天然温泉のほか、レストラン、売店、ギャラリー、カラオケルーム、大広間、休憩室などが設けられています。



関連するホームページ


 碓氷峠観光案内所




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      風来坊


峠の湯


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