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金沢の紅葉 その1 (H21.11.28)

兼六園の紅葉


兼六園・県立伝統産業工芸館付近の紅葉



兼六園・県立伝統産業工芸館付近の紅葉


11月最後の週末に金沢を訪ねる機会がありました。

11月末でしたので、紅葉はすでに終わっているだろうと思っていましたが、兼六公園に行ったところ見頃のこうようが出迎えてくれました。

今年は11月に入って暖かい日が続いたため、紅葉の時期が遅れたのかもしれません。

ラッキーでした。


兼六園・県立伝統産業工芸館付近の紅葉



兼六園は、水戸偕楽園、岡山後楽園と並ぶ日本三名園の一つです。

兼六園は江戸時代の代表的な大名庭園として、加賀歴代藩主により、長い歳月をかけて形づくられてきました。

金沢市の中心部に位置しており、四季折々の美しさを楽しめる庭園として、国内のみでなく世界各国の観光客に親しまれています。


兼六園・県立伝統産業工芸館付近の紅葉



兼六園の紅葉


兼六園の紅葉



兼六園・山崎山の紅葉



兼六園・山崎山の紅葉

兼六園は、「廻遊式」の要素を取り入れながら、様々な時代の庭園手法をも駆使して総合的につくられた庭です。

廻遊式とは、寺の方丈や御殿の書院から見て楽しむ座観式の庭園ではなく、土地の広さを最大に活かして、庭のなかに大きな池を穿ち、築山を築き、御亭(おちん)や茶屋を点在させ、それらに立ち寄りながら全体を遊覧できる庭園です。

いくつもの池と、それを結ぶ曲水があり、掘りあげた土で山を築き、多彩な樹木を植栽しているので、「築山・林泉・廻遊式庭園」とも言われています。



兼六園の風物詩・雪吊り


何代もの加賀藩主により、長い年月をかけて形づくられてきた兼六園ですが、作庭における基本的な思想は一貫していたようです。

その思想とは神仙思想。大きな池を穿って大海に見立て、そのなかに不老不死の神仙人が住むと言われる島を配します。

藩主たちは、長寿と永劫の繁栄を庭園に投影したのです。最初の作庭者、5代藩主・綱紀は、瓢池に蓬莱(ほうらい)・方丈(ほうじょう)・瀛州(えいしゅう)の三神仙島を築きました。また、13代藩主・斉泰も、霞ヶ池に蓬莱島を浮かばせています。


唐崎松



唐崎松


庭園の名前は、すぐれた景勝の代名詞である「六勝(ろくしょう)」を兼ね備えているという理由から、12代藩主斉広の時代に奥州白河藩主・松平定信によって、「兼六園」と命名されています。

六勝とは宏大(こうだい)、幽邃(ゆうすい)、人力(じんりょく)、蒼古(そうこ)、水泉(すいせん)、眺望(ちょうぼう)をいいます。



霞ヶ池


兼六園には数多くの名勝があります。

唐崎松(からさきのまつ)

兼六園の中で最も枝ぶりが見事な松です。13代藩主・斉泰が琵琶湖湖畔の唐松から種子を取り寄せて実生から育てた黒松です。

雪の重みによる枝折れを防ぐため、冬にほどこされる雪吊りは兼六園ならではの風物詩です。

他の庭園では見られない、趣深い風情を紡ぎだします。


虹橋付近の光景



徽軫灯籠

徽軫灯籠(ことじ灯籠)

霞ヶ池の北岸に配された兼六園を代表する景観です。

徽軫灯籠は足が二股になっていて、琴の糸を支える琴柱(ことじ)に似ているのでその名が付いたと言われています。

この灯籠は水面を照らすための雪見灯籠が変化したもので、高さは2.67mです。

かたわらのモミジの古木、曲水に架かる虹橋と一体となって優れた風景を醸し出しています。



兼六園 右は曲水


雁行橋(がんこうばし)

11枚の赤戸室石を使って雁が夕空に列をなして飛んでいる姿に作られているので雁行橋と呼ばれています。

また、1枚1枚の石が亀甲の形をしているので、別名を亀甲橋とも言われ、この橋を渡ると長生きするとされてきましたが、現在は石の磨耗が著しいため、通行できなくなっています。


旭桜と雁行橋と曲水



七福神山

曲水

寛永8年(1631年)の寛永の大火の翌年、3代藩主・利常が、金沢城の防火用水を確保するために設置した用水が「辰巳用水」です。

この用水が、後に兼六園の曲水として用いられることとなり、園内に豊富な水の流れをつくっております。

両岸には桜が植えられ、4月の開花時には杜若の若緑とともに美しい景観を楽しむことができるそうです。

用水の取り入れは、金沢の南を流れる犀川の上流で、本園から約10km離れた上辰巳町だそうです。



霞ヶ池 右前方は蓬莱島


霞ヶ池

兼六園のほぼ中心部に位置する、園内で最も大きな池です。

面積は約5800平方メートル、深さは最も深いところで1.5mあります。

栄螺山、内橋亭、徽軫灯籠、虹橋、唐崎松、蓬莱島などの名勝がこの霞ヶ池の周辺に配され、廻遊しながら四季折々の庭景を楽しめるよう配慮されています。


蓬莱島



内橋亭

内橋亭

かつて蓮池庭内にあった四亭の一つで、霞ヶ池の西南岸に設けられた水亭です。

蓮池馬場の馬見所に建てられていたものを、明治7年(1874年)、現在の場所に移築しました。

栄螺山のうっそうとした樹々を背景に、石脚で支えられたこの亭は、まるで水面に浮かんでいるような印象を与えます。



霞ヶ池と雪吊り


噴水

この噴水は霞ヶ池を水源としており、池の水面との高低差による自然の水圧であがっています。

水の高さは約3.5mありますが、霞ヶ池の水位の変化によって変わります。

藩政末期、金沢城内の二ノ丸に水を引くため試作されたものと伝えられています。

日本で最古の噴水であると言われています。


噴水



冬桜

花見橋

擬宝珠(ぎぼうし)の欄干がある木橋です。

橋から見る花の眺めがすばらしいことから、この名前がつきました。

花の季節になると、緩やかに流れる曲水に沿って、桜、カキツバタ、サツキ、ツツジなどが咲き誇り、多くの人を魅了します。

夏の緑陰、秋の紅葉、冬の雪景も見逃せないそうです。


冬桜


冬桜



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 雪の兼六園(2005年撮影)

        風来坊


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