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ロースガーデンと横浜市イギリス館
外国人墓地から約200mで「港の見える丘公園」に到着です。 「港の見える丘公園」は横浜観光に欠かすことのできない観光地の一つです。 公園でありながら、観光名所として成立しているのは「山下公園」と同じですが、その名前のとおり、横浜港を見下ろすことのできる高台にあるこの公園は、港の風情を間近に感じることのできる山下公園とは違った魅力があります。
「港の見える丘公園」はかつて横浜開港期にイギリスとフランスの軍隊が駐屯した場所です。 横浜開港と同時に横浜に多くの外国人が暮らすようになると、当然日本人との間にトラブルが発生するようになり、自国居留民の安全と財産を守るという名目で軍隊が呼ばれたようです。 現在の公園中心部あたりにイギリス軍が、フランス山にフランス軍が駐留しました。
「港の見える丘公園」のほぼ中央、ローズ・ガーデンのバラに包まれるように「横浜市イギリス館」が建っています。 昭和12年に英国総領事公邸として建築された建物で、近代主義を基調としたモダンな形と伝統を加味した重厚な美しさは、当時の大英帝国の風格をよくあらわしているといわれています。
ロースガーデン
昭和44年(1969年)に横浜市が買い取り、コンサートホールや会議室として利用されていましたが、平成14年にリニューアルを行い、資料展示室などが設けられ、一般公開されました。 横浜市指定文化財に指定されています。
ダブルデライト
花霞
山手111番館付近のローズガーデン
公園の南側部分、「横浜市イギリス館」や「大佛次郎記念館」に隣接して、ローズ・ガーデンが造られています。 「港の見える丘公園」はもともとバラの名所として知られていましたが、既存のバラ園とあわせて再整備し、ローズ・ガーデンとして開園したものです。 約1800本のバラが西洋風の庭園と調和して、訪れる人の目を楽しませてくれます。
山手111番館
バラを見ながら「横浜市イギリス館」の裏手に廻ると「山手111番館」があります。 「山手111番館」は、J.H.モーガンの設計により、大正15年(1926年)アメリカ人 J.E. ラフィン氏の住宅として建てられました。 赤瓦の屋根と白い壁が美しいスパニッシュスタイルの洋館です。 横浜市指定文化財に指定されています。
ブラシの木
山手111番館からの展望
「山手111番館」の周囲には、バラを始め数多くの花が植えられています。 この時期、「山手111番館」の喫茶室からは色とりどりの花を楽しむことができます。
大佛次郎記念館
「山手111番館」「横浜市イギリス館」に隣接して「大佛次郎記念館」があります。 大佛次郎は横浜に生まれ、横浜を愛し、そして横浜を最も多く描いた作家です。 中でも「霧笛」「幻橙」は開化期の横浜を愛惜をこめて描いた名作として今も多くの人々を魅了しつづけています。 代表作には「パリ燃ゆ」「天皇の世紀」などがあり、「鞍馬天狗」の作者としても親しまれています。
霧笛橋
「大仏次郎記念館」と「県立神奈川近代文学館」を結ぶ橋が霧笛橋です。 霧笛橋という名前は大仏次郎の名作「霧笛」からの命名ですが、横浜港を見下ろす「みなとの見える丘公園」にある橋にはぴったりの名前といえます。 この橋の上から眺めるベイブリッジも格別なものがあります。
霧笛橋からのベイブリッジ
「県立神奈川近代文学館」は1984年の開館です。 資料館としては立地条件に恵まれ、資料保存のエキスパートを擁することが関係者に認識されたことから、保存資料は2005年末で図書約40万冊、雑誌約41万冊、肉筆資料(特別資料)約15万点以上など、総資料数は104万点に達しております。 近代日本文学を専門とする国内最大規模の資料館として発展を続けています。
県立神奈川近代文学館
また、大衆文学、児童、詩歌などジャンルごとの大規模展示をはじめ、夏目漱石、芥川龍之介、泉鏡花、武者小路実篤、川端康成、太宰治、吉川英治などの個人作家の展示など、50回以上の企画展を開催するなど文学の普及活動に力を注いでいます。 今回も、「澁澤龍彦回顧展」が開催されていました。
港の見える丘公園の展望台
港の見える丘公園は、その立地から横浜有数の観光名所として知られ、ベイブリッジを含めた横浜港の様子を一望する展望台には連日多くの観光客が詰めかけています。
展望台とマリンタワー
展望台とその南側一帯はこの公園の中心部分であり、歌壇なども整備されています。 のんびりと散策するのも良く、ベンチに腰を下ろして潮風に吹かれながら時を過ごすのも良いものです。 高台にあって展望が開けているというのは開放感があって良いもので、その魅力は「港の見える丘公園」という名前に象徴されているといえます。
山下公園と氷川丸 その先は大桟橋
展望台からのベイブリッジ