散策スポット目次
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鬼押出し園
惣門
鬼押出し園は、天明3年(1783年)の浅間山大噴火の際、流れた溶岩によって作り出された、溶岩の芸術ともいえるものです。 「火口で鬼があばれ岩を押し出した」という当時の人々が噴火を見た印象が、鬼押出し園の名前の由来となっています。
噴火の激しさを今に伝える景観は、世界3大奇勝のひとつに数えられており、浅間高原随一の名勝地です。 溶岩原野の広さは幅3キロ、長さ12キロで、その中に遊歩道が設けられており、いくつかの散策コースも設定されています。
表参道の光景
風来坊の訪れた日は生憎の霧で、視界が良くなったり悪くなったりという状況でしたが、惣門から表参道、観音堂、裏参道を巡る標準コースを散策しました。 このコースは徒歩で約30分です。 浅間山の勇姿は残念ながら霧の彼方でした。
散策コースの道々には岩海の奇観が広がり、狛犬岩や親子岩など自然が造った芸術を堪能することができます。 また、鬼押出し園の中央に位置するところに浅間観音堂があります。 浅間観音堂は大噴火の犠牲となった霊を供養するために、御本尊に東叡山観永寺伝来の秘仏である聖観世音菩薩が、上野寛永寺の別院、厄除観音として祭られています。
親子岩
観音堂からの展望
浅間山観音堂からの展望
標準コースに追加するコースとして、園内が一望できる奥の院参道(1.2km)や、浅間高原に自生する約100種類の高山植物が表示された高山植物観察コース(770m)などがあります。 奥の院参道の入口に行った頃が、最も霧が深く展望台からの展望が望めないことから奥の院参道はあきらめました。
鬼押出し園の北東側には、レンゲツツジやシャクナゲなどをはじめとする高山植物が咲き誇る、168.000平方メートルの広大な「花木園」があります。 天気の良い日には大きく聳える浅間山をバックに、美しい光景を楽しむことができます。
奥の院参道入口
鬼押出し園の奇岩
鐘つき堂と浅間山観音堂
浅間山の噴火(鬼押出しのできかた) 浅間山の噴火の様子が鬼押し出し園で配布されたパンフレットに記載されていました。 これは嬬恋村誌から抜粋したものだそうです。 天明3年(1783年)4月9日、浅間山が突然噴火。その後も何度となく灰を降らします。 5月26日に活動が激しくなります。
浅間山観音堂
鬼押出し園・裏参道
裏参道の光景
6月18日には北側の大笹鎌原方面に火山礫が10cmも積もります。 7月になると大爆発が連続し、7日〜8日に最後の大爆発となります。 7月7日には鳴動をし、地震のように大地が揺れ、夕刻に噴出した火砕流は、北の斜面を流下して北麓の密林地帯を埋め尽くし、火の海となります。 これは吾妻火砕流と呼ばれています。
7月8日、前夜の鳴動もますます激しくなり、夜が明けても空一面黒煙に包まれ、夜のように暗くなります。そして午前11時頃・・・・ 浅間山が光ったと思った瞬間、真紅の火炎が数百メートルも天に吹き上がると共に、大量の火砕流が山腹を猛スピードで下りました。 山腹の土石は溶岩流により削り取られ、土石流れとして北へ流れ下りました。
散策路の避難所
食堂・喫茶・売店
この土石流れにより、鎌原村をはじめ多くの集落が埋没しました。 鎌原村を直撃した土石なだれはその所要時間は僅か10数分の出来事だったとのことです。 これは鎌原火砕流と呼ばれています。
最後に火口から流れ出した溶岩流は粘性流体で、その流速もゆるやかなものだったので、遠くまでは流下せず、現在の鬼押し出し園となっているようです。 いずれにしても火山噴火の凄まじさが実感できる光景です。
ヒカリゴケ
霧に煙る鬼押出し園
浅間山は活火山で現在も活動を続けており、平成16年9月1日に21年ぶりに爆発して活動を再開しました。 9月1日の爆発では、噴石を飛散させ、山頂の北東6kmまで最大3cmの火山礫が降下しました。 こうした危険に備えるため。散策路のあちこちに避難所が設けられていました。
裏参道を降りてくる途中でヒカリゴケを見ることができました。 ヒカリゴケは原始的なコケ植物で、涼しく、洞窟や岩陰のような暗い湿った環境に生息します。 名前のとおり、暗い場所では黄緑色の光を発しますが、自然発光ではなく、一部の細胞が暗闇にある僅かな光を反射することによるものだそうです。
鐘つき堂
水盤舎
アクセス 車/上信越自動車道碓氷軽井沢ICから中軽井沢、鬼押ハイウェー経由で30km。小諸ICから中軽井沢、鬼押ハイウェー経由で35km。
電車/長野新幹線軽井沢駅からバスで40分。しなの鉄道中軽井沢駅からバスで30分。吾妻線万座・鹿沢口駅からバスで25分
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