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大藤(野田の長藤)(足利市の天然記念樹)
足利フラワーパークでは、「8つの花の季節」を設定し、テーマごとに、それぞれのステージに数百株の花木が季節を彩り、年間を通じて花を楽しむことができます。 しかし、何と言っても、足利フラワーパークの支柱は、4月中旬〜5月中旬に設定される「ふじのはな物語」です。
ふじのはな物語 藤と言えば日本古来の花木と言われ、万葉集にも歌われています。 その日本を代表する原種・野田藤、色ごとに、うすべに藤、むらさき藤、長藤、八重の藤、白藤と順に花を先送ります。 最後は日本では栽培が難しいと言われているきばな藤(マメ科キングサリ属)と1ヶ月以上も藤の花がお楽しみになれます。
2本目の大藤 見学者の向こうが天然記念樹の大藤
「ふじのはな物語」で紹介されているように、足利フラワーパークには4本の大藤棚があります。 平成8年2月、大藤棚の4本が足利市朝倉町から20kmの移送の上、現迫間町に植栽されました。 藤は移植が比較的容易な樹種といわれていますが、それでも根元の径が60cm程度までというのがこれまでの常識のようです。
2本目の大藤 見学者の向こうはクルメツツジ
2本目の大藤
しかし、日本女性樹木医第1号で足利フラワーパークの園長である塚本こなみさんによって、根元の径90cm前後の藤3本の移植に見事に成功しました。 そして10年の歳月が流れ、10年前72平方メートルの藤棚も10倍以上の900平方メートルにも拡がり、今日では素晴らしい景観を呈しています。
3本目の大藤は花房が170cmの長藤 藤棚の下からの見学可能
足利フラワーパークの最大の見物である大藤(野田の長藤)は、幹回り3.6mの美しい樹体を持つ樹齢130年の長藤です。 4月下旬から5月上旬に、160cmもの長い花房を250畳の棚いっぱいにつけるそうです。 1999年10月に足利市の重要文化財天然記念樹に指定されています。
花房が170cmの長藤
長藤の藤棚の下は大混雑
天然記念物の大藤棚の隣に、もう1個の大藤棚があります。 隣の大藤棚からは2つの大藤棚の素晴らしい景観を眺めることができます。
3本目の大藤棚は西ゲートの近くにあります。 花房が170cmにもなる長藤棚です。 この長藤棚は花房の下に入って眺めることが可能です。
長藤の全容
八重黒龍(足利市の天然記念樹)
大藤棚の最後の1本が大変に珍しい八重黒龍藤の藤棚です。 八重黒龍藤は、野田藤系の黒龍藤の突然変異といわれている八重藤です。 この八重黒龍藤も早川農園から移植されたものです。 八重の藤棚としては日本一だそうで、1999年10月に足利市の重要文化財天然記念物に指定されています。
八重黒龍
濃い紫色の、長さ25cmほどの八重の総状花序で、香りが強く、花をポプリとしても使用するそうです。 少し遠くから見るとブドウの房の様にも見えます。 園内の最も中心部にある藤棚では「初めて見ました」という声が連続して聞こえてきます。
白藤のトンネルは未完成!
白藤 3番手に咲くのが白藤です。 足利フラワーパークには、白藤23本で構成された長さ80mの白藤のトンネルがあります。 白藤はムラサキ藤に較べると開花時期が少し遅く、今年はまだ咲き始めという状態でした。 残念ながら、白藤のトンネルもこれからという状況でした。
園内の白藤
トンネル内の白藤
白藤のトンネルは、白藤の房が垂れ下がるトンネルの中の景観も素晴らしいですが、トンネルの外側からの景観も見事なものがあります。 しかしながら、今年はトンネルの外の景観もこれからという状態でした。 また、白藤の滝も咲き始めの状態でした。
むらさき藤のスクリーン
むらさき藤 藤と言えば紫と言われる程です。 野田藤の40〜50cmの花房の藤、棚と違い足利フラワーパークオリジナルな仕立て方、芸術の域までに達したと言われる程のアート性を持つ一株一株、固体が違うかの様に色目の違い(紫、青系紫、空色系紫と)まで伝わり、その美しさが強調されています。
むらさき藤
白藤とむらさき藤
きばな藤 一般的にはキングサリとして知られている花で、フジのような房に鮮黄色の蝶形花が咲くので、別名をキバナフジといわれています。 日本に来たのが昭和40年代といわれる、藤とは異なるキングサリ属です。
ヨーロッパではたいへんにポピュラーな春の花木で、房の長さは20〜30cmとフジよりは短いのですが、揃ってたくさん咲くのでかなり豪華です。 足利フラワーパークには80mに渡って続くきばな藤のトンネルがあり、5月から咲く「ふじのはな物語」の最後の花です。 今年は全く咲いていませんでした。
きばな藤のトンネルは未開花
うす紅藤
うす紅藤 足利フラワーパークで最初に開花する藤で、4月中旬に見頃を迎えます。 全国各地に販売されている紅藤(園芸改良品種)とは異なる、野田藤の淡い40cm程度の優しい感じのする藤の花です。 「ふじのはな物語」の開園を告げる藤です。 この時期では見頃を過ぎていました。
八重国龍
足利フラワーパークの藤 その2へ 風来坊