散策スポット・北海道東北

散策スポット目次

HOME

前ページ

次ページ

日向薬師の彼岸花 (H18.9.24)


日向薬師の彼岸花自生地



日向薬師の彼岸花自生地


今年8月に座間のヒマワリ畑で知り合いになった友人が、「伊勢原の彼岸花が綺麗ですよ。田の畦に咲く彼岸花ですが」と教えてくれました。

今年の彼岸花は「巾着田」を第一のターゲットにしておりましたので、伊勢原は無理だろうと考えていました。



ところが、日本に接近していた非常に強い台風14号が、進路を北東に変えて関東の遙か沖合を通過したため、傘マークだった9月23日(土)、24日(日)が、いずれも秋晴れの行楽日和となりました。

風来坊、23日の巾着田に引き続き、24日は伊勢原に出かけました。


日向地区の彼岸花自生地



散策路に咲く彼岸花


伊勢原の彼岸花は「日向薬師の彼岸花」として知られているようです。

小田急伊勢原駅から「日向薬師行き」の路線バスに乗車して、約20分で終点の日向薬師に到着です。

バスの折り返しターミナルのすぐそばに、彼岸花散策路の入口があります。



群生する彼岸花


群生する彼岸花



散策路に入ると黄色の稲穂と紅い彼岸花が見事にマッチした田園風景が目に飛び込んできました。

懐かしい故郷の光景に出会った感じでした。


散策路といっても狭い農道であり、一方通行になっています。


散策路に咲く彼岸花



散策路に咲く彼岸花


風来坊が訪ねた24日は、丁度稲刈りが行われていました。

多分、兼業農家のため休日でないと人手が足りないのではないでしょうか?

農家の人達が一生懸命働いていましたが、その中に真剣に稲刈りに取り組んでいる小さな兄弟も見かけました。



稲刈り作業に励む農家の人達



彼岸花は中国が原産地で、稲作に伴って日本に伝来してきたものと考えられています。

彼岸花が田の畦で咲いているのは偶然ではなくて、それなりの意味があります。ノネズミやモグラに田の畦に穴をあけられては、田に張った水が流れ出てしまい、水稲を育てることができなくなります。

このため、ノネズミやモグラが近づくことができないように、有毒な彼岸花を畦に植えたのです。


稲刈りを手伝う子供達



日向地区の彼岸花自生地


彼岸花は球根から花までアルカロイドのリコリンを中心とした有毒成分が含まれています。

このため。ノネズミやモグラに田の畦を荒らされなくなるのです。

田の畦に、咲く彼岸花は、稲作を守るための先人の知恵だったということができます。


彼岸花の花茎の汁に触れた場合は、有毒成分によって皮膚炎を起こすことがあるので要注意です。



彼岸花


白い彼岸花も



この彼岸花の毒は水によく溶けるため、球根をよく水にさらせば食用にすることも可能です。

しかしながら、彼岸花の球根は普段は食べるのではなく、大飢饉の時に非常用食料とされたようです。


棚田の岸に咲く彼岸花



棚田の岸に咲く彼岸花


彼岸花は気温が下がると成長が始まります。台風による長雨などの影響で、8月中旬から下旬にかけて気温が低くなると開花が早まります。

逆に9月上旬になってからも残暑が続くと、彼岸花の開花が遅くなる傾向にあります。


このように、彼岸花の開花時期は天候に左右されるようですが、例年秋のお彼岸の頃に見頃を迎えることが多く、「彼岸花」と呼ばれる由来のようです。



日向地区の彼岸花



彼岸花は曼珠沙華とも呼ばれていますが、この呼び名は仏教の梵語から来たもので、天界の美しい花を意味しています。

また、彼岸花は昔から稲作と深い係わり合いを持つ植物であることから、日本各地でそれぞれ呼び名が異なり、400〜500種類の呼び名があるとも言われています。


この地域は既に稲刈りが完了しています



柿も実っています


伊勢原の彼岸花自生地は日向地区のみでなく、藤野地区、洗水地区など数カ所あるようです。

バスの終点で「日向地区自治会・たかべや緑の里振興会」の方が「彼岸花自生地案内図」を配布してくれますので、それを見ながら散策するのも良いかと思います。


風来坊は、日向地区の彼岸花を見たあと、薬師林道を登って日向薬師に行きました。


日向薬師


日向薬師本堂



日向薬師は日向山霊山寺とよばれ、霊亀2年(716年)に行基菩薩によって創建された真言宗の古刹です。

行基が熊野を旅した時に、薬師如来のお告げを受けて、この地に霊山寺を建立したと伝えられています。


日本三薬師の一つです。


日向薬師境内



日向薬師の鐘堂


日向薬師には、鉈彫の本尊薬師如来三尊像を始め、薬師如来像・阿弥陀如来像・四天王・十二神将など25点の国の重要文化財があります。

また樹齢800年と言われる、境内の幡かけ杉は、県の重要文化財に指定されています。

御本尊は4月15日の大祭の他、初薬師(1月8日)と正月3
3カ日に御開帳になります。


旗かけ杉

足利尊氏が幡をかけ、平和と幸せ・五穀の豊かな実りを祈った「幡かけの杉」として親しまれています。

「宝城坊の二本杉」として県の天然記念物に指定されています。

樹齢約800年で、樹高は33mと35mです。



幡かけ杉


幡かけ杉



仁王門


金剛力士像


金剛力士は仁王ともいわれ、寺の表門にいて寺の境内を守るとされています。

一体は口を開いて左手に金剛杵をとり、一体は口を閉じて右手を開いた形に現れています。

阿(あ)形像・吽(うん)形像の二形像です。



金剛力士像


金剛力士像



アクセス


小田急伊勢原駅から「日向薬師行き」バスで約20分、終点で下車してすぐ

駐車場 

日向薬師折り返しバスターミナルに約15台の無料駐車場あり。その他小規模な有料駐車場もあります。


          風来坊


仁王門から本堂に向かう坂道

  目次  TOP 前ページ 次ページ