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横浜散策・開港の道 No1 (H16.11.7)


本日のスタートJR桜木町駅

開港の道

桜木町駅前から新港地区を経由し港の見える丘公園へ至る、全行程3.2kmの散策ルートが「開港の道」です。

2002年に「赤レンガ倉庫」や「山下臨港線プロムナード」などが整備されたのに伴い設定された比較的新しいコースです。

ルート上の路面には「開港の道」を示すマークが設置され、さらに随所にコース上の観光スポットまでの距離を示した案内柱が設置されております。

本日のコース

本日のコースは、桜木町駅⇒日本丸メモリアルパーク⇒汽車道⇒運河パーク⇒赤レンガ倉庫⇒山下臨港線プロムナード⇒大桟橋⇒開港広場⇒山下公園⇒人形の家⇒港の見える丘公園です。


桜木町駅前

本日のスタート地点の桜木町駅前は、随分と整備が進み広々とした駅前に変わっていました。桜木町駅前を左手に進むと、「動く歩道」を経由してランドマークタワーです。

本日はランドマークタワー方面には向かわず、道路を横切ってバスターミナルに沿って左に進みます。

「動く歩道」と平行して進む形になります。200mほど進んで横断歩道を横切ったところが「汽車道」の入口です。


桜木町駅前からのランドマークタワー


散歩道に設置された「開港の道」のマーク

日本丸メモリアルパーク

汽車道入口の左側が、日本丸メモリアルパークです。日本丸は昭和5年(1930年)に神戸の川崎造船所で進水した帆船で、同年秋から文部省の航海練習船として、姉妹船「海王丸」とともに訓練航海に従事してきました。

戦時中は帆船から機船に改造され緊急物資輸送に、戦後間もなくは引き揚げ輸送に従事していました。


昭和27年に帆船として復旧し、再び練習船として活躍しましたが、昭和59年日本丸U世が就役すると同時に、初代練習船としての使命を終えております。

航海した距離は183万キロ
(地球45.4周に距離に相当)、育てた実習生は11,500名に達するそうです。

総トン数2,278トン、全長97メートル、総帆数29枚のこの帆船は、かつて「太平洋の白鳥」「海の貴婦人」とも呼ばれた美しい船です。


日本丸メモリアルパークからの展望


日本丸

現在は横浜市が船主となり、船籍を横浜港に置き、みなとみらい地区に残された旧三菱重工業1号ドックに浮かべられ、ボランティアの人々の力なども借りてその美しい姿が保存されています。

日本丸の左側はランドマークタワーです。



日本丸

汽車道

日本丸メモリアルパークの傍から新港地区に向けて、大岡川の湾を横切るように延びている歩道が「汽車道」です。

汽車道は、明治44年
(1911年)に開通し、昭和60年まで新港埠頭の物資輸送に使われていた臨港鉄道の遺構を活用した約500mの遊歩道です。

汽車道の路面にはそのレール跡が残されております。


汽車道 中央は港一号橋梁


港一号橋梁


汽車道には3つの橋梁が架かっており、いずれも横浜市の歴史的建造物に認定された貴重なものです。

最も桜木町駅よりの橋梁が「港一号橋梁」、次が「港二号橋梁」で、明治42年に鉄道院によって架設されました。


汽車道からの光景

汽車道 前方はワールドポーターズ


いずれの橋にも使用されている、100フィートのトラス橋は、明治40年
(1909年)にアメリカン・ブリッジ・カンパニーで建造されたものです。

重量機関車の出現により、それまでのイギリス系トラス橋にとってかわり、明治30年代から主流となったアメリカ系トラス橋の遺構として貴重なものです。

港二号橋梁

港三号橋梁から桜木町方面を望む


新港地区寄りの「港三号橋梁」は、もともと夕張川橋梁であったものが後に大岡川橋梁の一部として使われ、現在汽車道の一部として移設されたものだそうです。

ポニー・ワーレン・トラス橋という英国形式ワーレン・トラス橋で、これは日本最初の鉄道橋(旧六郷川橋梁)と同じ構造だそうです。

運河パーク

汽車道は桜木町駅と新港地区を結ぶプロムナードとして機能しており、駅からワールドポーターズや赤レンガ倉庫辺りへと行き来する人で賑わっています。

汽車道を抜けた一角は運河パークと呼ばれる広場です。

舗道の脇はちょっとした芝生の広場のように造られており、ベンチでのんびりとしたひとときを過ごすこともできます。

ここから横浜や山下公園への水上バスも出ています。運河を行き来する小船の軌跡などをぼんやりと眺めて過ごすのも良いかと思います。


ランドマークタワーをはじめとするみなとみらいの高層建築群の織りなす風景を楽しむベストポイントが、汽車道や運河パークと言っても過言ではないでしょう。

汽車道


汽車道からの展望

桜木町側からコスモワールド付近への眺めもいいし、運河パーク側からランドマークタワーを正面に見る風景などは現在の横浜の最も象徴的な眺めだと言うこともできます。

海に浮かぶランドマークタワーを眺めながら風来坊もしばしこの付近で佇みました。通路として行き過ぎるにはもったいないプロムナードです。



汽車道からの展望

ワールドポーターズ&サークルウォーク

「開港の道」は運河パークからワールドポーターズの正面エントランスを入り、2階から外に出て「サークルウォーク」に抜けるように設定されています。

サークルウォークは交差点に設けられた楕円形の「歩道橋」で、目の前に「赤レンガ」倉庫が拡がります。


ワールドポーターズは、インテリア、アウトドア、ファッション、ホビー等の約160の輸入店舗や映画館を有する大型商業施設です。


ナビスコ横浜西側から運河パークを望む


錨のモニュメント

錨のモニュメント

運河パークから臨港鉄道遺構の線路が延びる先には空洞のあるナビオス横浜の建物が横たわっています。

風来坊、ワールドポーターズに立ち寄らず、線路に沿って真っ直ぐ進み、ナビオス横浜の空洞部分を抜けました。


ナオビス横浜の空洞部分の傍らには錨のモニュメントが置かれています。


この錨は石川島播磨重工業横浜工場で1971年に建造され、中近東から日本へ重油を運搬した大型原油輸送船「高岡丸」
(全長316m、幅50m、21.6万トン)に備え付けられていたものと同型です。

錨の重量は18
.27トン、長さ4.8m、幅2.9mです。

ナビスコ横浜の空洞を抜けると正面が赤レンガ倉庫、左手がサークルウォークで、横断歩道を渡るとサークルウォーク経由の「開港の道」に合流です。


ナビスコ横浜


赤れんが倉庫2号館

赤レンガ倉庫

「赤レンガ倉庫」は、明治から大正にかけて建設された歴史的建造物を利用した商業施設で、1号館と2号館からなっています。

赤レンガ倉庫はみなとみらい地区のビル群などと比べると小さなものですが、やはり経てきた歴史の重みを感じさせるのか、堂々とした佇まいが印象的です。

1号館はホールや展示室が置かれ文化施設としての役割を果たしています。1階フロアの一角に横浜の老舗も並んでいます。

2号館はレストランや雑貨店などが並ぶ商業施設です。

この日は、「みなとみらい:ふるさと祭り2004」というイベントが開催されており、赤レンガ倉庫付近は大混雑でした。

全国各地からの出店が競い合っていましたが、残念ながら高知の店は見当たりませんでした。


赤れんが倉庫1号館


緩やかな坂が続く山下臨港線プロムナード

山下臨港線プロムナード

赤レンガ倉庫から山下公園までは「山下臨港線プロムナード」を歩きます。

山下臨港プロムナードは、新港地区から山下公園にかけて残されていた鉄道高架橋を利用した遊歩道で、延長は約550
mです。

左手に海を眺めながら、緩やかな坂になった鋪道を進むと徐々に視点が高くなり、周囲の展望が開けてきます。

ビルの2階〜3階に相当する高さで、歩きながら振り返ると、赤レンガ倉庫やみなとみらいのビル群を一望する景観が広がります。

やがて「山下臨港線プロムナード」は、「開港広場」と「大桟橋」を結ぶ道路の上を越すことになります。

その手前に下へと降りる階段が設けられております。「開港の道」は「大さん橋」を経由するように設定されています。


ビル3階の高さの山下臨港線プロムナード


大さん橋への緩やかなスロープ

大さん橋

階段を下りて左に進むと目の前に緩やかスロープが拡がります。

とてもその先に桟橋があるようには見えない光景ですが、実はスロープが桟橋の一部なのです。

アプローチの道路から緩やかな坂が続き、真正面は車寄せの向こうにエントランスがあります。

ここが「横浜港大さん橋国際旅客ターミナル」と呼ばれている、いわゆる「大さん橋」です。

車道の両脇の舗道はボードウォークのスロープで、途中からは客船ターミナルの建物の屋上部分へと向かうスロープが設けられています。


大さん橋国際旅客ターミナル


大さん橋係留岸壁

スロープを上り桟橋の端に出ると係留岸壁を望むことができます。遙か彼方まで桟橋が続いている感じです。

今年5月に訪れた時はこの岸壁に11万トンの豪華客船サファイア・プリンセスが係留されていました。



  サファイア・プリンセス

この屋上広場の中央部分は、スロープが複雑に組み合わさって三次元曲面を成しています。

とても不思議な気持ちになる形状なのですが、海洋面のうねりを表現したものなのでしょうか? 

実はこの客船ターミナルの建物はいっさいの柱や梁が無い構造であるらしく、おそらくこの不思議な三次元曲面の構造自体で屋上部分、すなわち屋根を支えているのかもしれません。

屋上部分では芝生を張った広場がありますし、随所にベンチも設けられています。


大さん橋屋上部分


突端部分の大さん橋ホール

大さん橋の一番奥の部分、すなわち突端部分には「大さん橋ホール」があります。

横浜観光では出入国ロビーに特に縁はありませんが、2階部分の一角にはお店や喫茶コーナーなどもあり、ちょっとしたひと休みに良いかもしれません。

東側に面した喫茶コーナーでは窓外にベイブリッジや山下公園などが間近に見えます。軽食も可能ですから、観光や散策のひと休みの場所として、意外な穴場かもしれません。


屋上の広場からは周囲に展望が開け、海風に吹かれながら爽快な気分が味わえます。

沖に向かって、左手には間近に赤レンガ倉庫が見え、その向こうにはみなとみらいの高層ビル群、さらに横浜の街並みを一望することができます。

眼前に広がる横浜港を見ながら視線を右手に向けると、ベイブリッジとその下を行き交う大小の船の姿が見えます。


大さん橋からの光景
 シーバスがまもなく接岸します


大さん橋からの光景

さらに右手へと視線を移すと山下公園と氷川丸、マリンタワーなどの姿が視界に入ってきます。

そうした景観を求めてか、屋上の広場には観光客らしき人たちの姿も見かけましたが、今年5月のサファイア・プリンセス寄港時に較べると静かなものでした。


関連のホームページ
    開港の道


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          風来坊

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