ブラフ18番館
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山手居留地の誕生
山手地区は関内地区と並ぶ外国人居留地として知られています。開発されたのは1867年(慶応3年)に外国人に開放されて以来のこととされています。
明治初期には道路が整備され公園が開園するなど、現在に引き継がれているまちの骨格が出来上がりました。
明治中期になると煉瓦造りの本格的な西洋館が登場するなど山手の異国情緒は一段と高まりました。
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復興期のまちづくり
関東大震災は山手に壊滅的な被害をもたらし、西洋館は殆ど倒壊してしまいました。
震災復興により学校や教会、住宅などが再建されましたが、それらは時代の影響を受け被災する前の姿に比べるとシンプルで合理的なデザインのものとなりました。
現在山手に残る西洋館は、大多数がこの時期に建築されたものです。
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ブラフ18番館
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ブラフ18番館館内・中央はチェスの盤面
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山手ある横浜市所有の西洋館はいずれも『公園』に附属して保存されており、入場料は無料です。風来坊、西洋館を巡りながら山手を散策しました。
JR石川町駅から元町方向に30mほど進むと「山手イタリア山庭園」の案内があります。
案内にしたがって、やや急な大丸谷坂を200mほど進むと、右手に小さな階段があり、その上が「山手イタリア山庭園」「ブラフ18番館」「外交官の家」に通じる洒落た入口になっております。
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「ブラフ18番館」は、大正末期に建てられた外国人住宅です。戦後は、カトリック山手教会の司祭館として平成3年まで使用されました。
平成5年に当地に移築復元され、現在は当時使用されていた横浜家具の復元展示をするなど、実際に当時の暮らしを体験することができます。
横浜市認定歴史的建造物に指定されております。
ブラフ18番館の庭からは、今日ではベーブリッジを望むことができます
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ブラフ18番館からの光景
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グラフ18番館から外交官の家を望む
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「ブラフ18番館」から一段上に上がったところが「外交官の家」です。
「外交官の家」は、明治43年、東京渋谷の南平台に建てられた、明治政府の外交官・内田定槌の私邸です。
平成9年山手・イタリア山庭園に移築復原されました。設計はJ.M.ガーディナー。アメリカンビクトリア様式の建物は重厚で、内部のステンドグラスは当時の様式を映しています。
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邸内は家具や調度類が復原され、当時の外交官の生活を感じることができます。
国の重要文化財に指定されております。
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外交官の家
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イタリア山庭園
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山手イタリア山庭園は、イタリアで多く見られる庭園様式を模し、水や花壇を幾何学的にデザインした公園です。
明治13年(1880年)から明治19年(1886年)までイタリア領事館が置かれていたことから、「イタリア山」と呼ばれているこの場所は、みなとみらい21地区や関内周辺の市街地を一望することができます。
この山手イタリア山庭園に隣接して、「ブラフ18番館」と「外交官の家」があります。
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「外交官の家」を出て、「港の見える丘」方面に向けて山手本通りを歩いていくと、右手にカトリック山手教会があります。美しいせん塔をもつこの教会は、洋館が建ち並び、異国情緒が漂う山手通りの中でも特に印象的です。
この教会の前身は1862年にフランス人神父が開き、日本最初のカトリック教会とも言われる横浜天主堂です。
明治39年(1906年)に山手44番館に移り、双塔を持つ煉瓦造りのゴシック風の教会堂は、「とんがりやそ」日本人の間で呼ばれ、親しまれておりましたが、関東大震災で崩壊し、昭和8年に再建されたのが現在の聖堂です。
横浜市認定歴史的建造物に指定されております。
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カトリック山手協会
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ベーリック・ホール
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深い緑の中にプールや弓道場がある元町公園は、山手本通りに面し、周辺の歴史的建造物とともに、山手を象徴する絶好の景観をつくりだしています。
園内にはブラフ80メモリアルテラス、ブラフ溝など横浜の歴史を忍ばせる施設とともに、「ベーリック・ホール」「エリスマン邸」「山手234番館」があります。
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「ベーリック・ホール」は、J.H.モーガンの設計により、昭和5年(1930年)に建てられたイギリス人貿易商・ベーリック氏の邸宅です。
1956年〜2000年までセント・ジョセフ・インターナショナル・スクールの寄宿舎としても使用されました。
戦前の山手の個人邸としては最も規模の大きいもので、多彩な装飾など建築学的にも充実した価値ある建物です。
横浜市認定歴史的建造物に指定されております。
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ベーリックホール
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エリスマン邸
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平成2年、元町公園に移築された「エリスマン邸」は、大正15年(1926年)にスイス人貿易商エリスマン氏の私邸として建てられました。
木造2階建ての白く美しい洋館は、近代建築の父、アントニン・レーモンドの設計です。
1階各室には、彼の設計した家具が復元展示され、2階は「横浜山手地区」の資料館となっています。
木立に囲まれた眺めのよい喫茶室があります。
横浜市認定歴史的建造物に指定されております。
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