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旧古河庭園  (H16.5.15)



バラ園と洋館


洋館とバラの庭園で有名な旧古河庭園は、古河虎之助が経営した東京における大正初期の代表的な庭園です。


武蔵野台地の斜面と低地という地形を活かし、北側の小高い丘には洋館を建て、斜面には洋風庭園、そして低地には日本庭園を配したのが特徴です。


この庭園はもと明治の元勲・陸奥宗光の別邸でしたが、彼の次男が古河財閥の養子になった時、古河家の所有となりました。なお、この当時の建物は現存しておりません。

現在の洋館と洋風庭園の設計者は、英国人ジョサイア・コンドル博士(18521920)です。

博士は当園以外にも、旧岩崎邸庭園洋館、鹿鳴館、ニコライ堂などを設計し、我が国の建築界に多大な貢献をしております。


第1段テラスの花壇と洋館


第2段テラスのバラ園


石造りの洋館(大谷美術館)

英国貴族の邸宅にならった古典様式で、天然スレートぶきレンガ造り。

外壁は伊豆真鶴産の赤味をおびた新小松石(安山岩)で覆われており、雨にぬれると落ち着いた色調をかもしだします。


テラス式庭園

バラ園を中心にした三段のゆるやかな階段状の庭園です。

第1段テラスは、バラ、ユッカ、シュロと花壇からなり、斜面は各種のツツジ、サツキで覆われています。


第2段テラスのバラ


第3段テラスから洋館を望む


鉄平石張りの石段を降りると第2段テラスとなります。ここは左右対称の「幾何学模様」でバラ、ドウダンツツジ、イブキをサワラ、ハクチョウゲ、ツゲの低い刈込が縁どっています。

第3段テラスには、ツツジの植込が広がっています。


西洋庭園

ジョサイア・コンドル設計で、左右対称の幾何学模様の刈込のフランス整形式庭園と、石の欄干や石段・水盤など、立体的なイタリア露壇式庭園の技法が合わさっていて、それがバラと洋館と調和した絵画的な景観美となっています。


ノイバラ


日本庭園


日本庭園

日本庭園の作庭者は、京都の庭師植治こと小川治兵衛(18601933)です。

彼は古河庭園以外にも、山県有朋の京都別邸である無鄰庵、平安神宮神苑、円山公園、南禅寺界隈の財界人の別荘庭園などを作庭し、その後の造園界に多大な貢献をしております。


深山の境

日本庭園への入口はシイを主体にした濃い植込で、明るい洋風庭園とは雰囲気が一変します。

さらに奥は、シイ、モチノキ、ムクノキ、カエデなどで構成され、この庭園で一番深い植込になっています。

周りは渓谷でえぐられ、深山幽谷の観を呈しています。


日本庭園


日本庭園


心字池

「心」の字に似せて造った池で、日本庭園の中心。鞍馬平石や伊予青石などで造られ、「船着石」があります。

ここは池を眺めるための要となる所で、正面には「荒磯」、雪見燈篭、枯滝、石組み、そして背後には築山が見られます。


枯滝

水を使わないで山水の景観を表現する「枯山水」の道具立ての一つが枯滝です。

心字池の州浜の奥の渓谷に、御影石や青石、五郎太石などで造られています。


見晴台

枯滝の後ろの築山に設けられています。


枯滝


見晴台からの光景


大滝

10数mの高所から落ちる滝。園内のもっとも勾配の急な所をさらに削って断崖とし、濃い樹林でおおって深山の渓谷の趣をだしています。

曲折した流れから始まり、数段の小滝となり最後は深い淵に落ちるという凝った造りです。

以前は井戸を水源にしていましたが、水源が枯渇し、現在は井戸水と池水の循環でまかなっています。




旧古河庭園は、戦後、国へ所有権が移りましたが、地元の要望などを取り入れて、東京都が国から無償で借り受け、一般公開されました。


数少ない大正初期の庭園の原型を留める貴重な存在で、昭和57年8月4日に東京都の名勝に指定されています。


大滝


日本庭園


アクセス&入園料

地下鉄南北線西ヶ原駅から徒歩7分

JR駒込駅から徒歩12分

JR上中里駅から徒歩7分

駐車場はありません。

入園料:150円



旧古河庭園で有名なバラについては、次ページで紹介します。



  旧古河庭園のバラはこちらから




              風来坊


日本庭園

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