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館林のツツジ  (H16.4.29)



つつじが岡公園中央広場


中央広場(バスツアー記念撮影アングル)


ゴールデンウィーク初日の4月29日、帰省渋滞に巻き込まれつつ、館林市の群馬県立つつじが岡公園に行ってきました。

今年のツツジの満開は4月25日だったとか、4月29日の訪問は少し遅かったようです。

ヤマツツジは残念ながらほとんど散っておりました。樹齢800年を超えるヤマツツジの巨樹群をお届けできないのが残念です。


つつじが岡公園一帯は、古来から山ツツジが自生し、ツツジが崎と呼ばれていたそうです。

伝説によれば、慶長10年(1605年)近世初代館林城主榊原康政が、側室「お辻の方」をしのびヤマツツジを植えたと伝えられています。

園内には樹齢800年を超えるヤマツツジに加え、新田義貞の妻「勾当の内侍」遺愛のツツジなど、歴代城主、篤志家・自治体によって保護増殖が図られています。


中央広場


中央広場


現在、園内には、50余品種・約1万株のツツジが植裁されており、世界に誇るツツジの名園として国内外に知られています。

江戸の世より花見客で賑わったつつじが岡公園へは、月上旬から月上旬にかけての花期になると、今なお40万人以上の人々が、全国各地から訪れるそうです。



月下旬から月上旬の花盛りになると、朱紅色のヤマツツジ、紫紅色のオオヤマツツジ、真っ赤な本霧島、白色の白霧島、白琉球などが咲きそろい、園内はまるで燃ゆるがごときの壮観を極め、その景観は筆舌に尽し難く、ただただ訪れる人たちを驚かせます。


中央広場南側


つつじのトンネル



風来坊も3年前に初めて訪問したときは、その壮観さに驚かされました。

毎年見に来る価値があると思いましたが、やっと3年ぶりにツツジに再会できた次第です。


つつじが岡公園の正門を入り30mほど進んだところが、見学コースの入口でつつじのトンネルになっています。

見学コース入口の左手が中央広場で、バスツアーの方々の記念写真撮影場所となっており、その景観に圧倒されるところです。

最初の写真は、見学コース入口から見た、中央広場のツツジです。


名勝指定区域中央部付近


名勝指定区域中央部付近


見学コースのつつじのトンネルの中程から右に曲がり少し進んだところが、国の名勝に指定されている区域の中央部になります。

ヤマツツジやキリシマツツジの古木が数多く植えられているところで、色の異なるつつじが咲き誇っています。


更に奥へ進んだところが、古代から自生していたヤマツツジと歴代城主が各地から移植したと伝えられるヤマツツジの巨樹が植えられているところです。残念ながら今回はすでに散っておりました。


日本には各地にツツジの名所がありますが、つつじが岡公園のツツジは、次の6つの特徴があると公園ガイドに記されていました。

こうした特徴から、世界にほこる日本一のツツジの名園と言うことができます。



特徴1:樹齢800年を超えるヤマツツジの巨樹群が、自然形のままで保存されています。(歴史的な価値)


展望台付近

キリシマツツジ古木群


つつじが岡公園には、古代から自生していたヤマツツジと、城主が他より移植したヤマツツジを加え、これらの樹齢800年を超える巨樹群が、今なお自然形のままで生長し続けています。

樹齢や樹形上からもまさに日本一の風格を備えたツツジと言えます。風雪に耐え、生き続けるヤマツツジの巨樹群は、花見客の絶賛を浴びています。


特徴2:日本における園芸ツツジ栽培史上、特記すべき江戸キリシマ古木群が多数保存されています。(品種上からの価値)


江戸末期の文化から天保にかけて、江戸大久保のツツジが有名であったことは広く知られています。その最盛期には、花の種類も70余種にも及んだと言われています。

これらのツツジは、明治から大正にかけて、大久保の復興した各つつじ園に残されていたものと考えられています。


キリシマツツジ古木群

大紫


特に古来より有名であり、珍重されてきた江戸キリシマ(江戸で生産されていたキリシマツツジの総称名)系の本霧島や紅霧島などの品種が、殆ど含まれていたものと思われます。

大正4年5月、館林町有志杉本八代氏は、ツツジの名所ここ大久保萬花園より、本霧島、紅霧島、白霧島など多数の江戸キリシマ系の品種を主に購入し、つつじが岡公園に寄付しました。


このツツジは、現在、樹齢100年の大株となり、良好な状態で新公園に保存されています。

このように多数の江戸キリシマ系の品種を大株で保存しているつつじ公園は、日本のどのつつじ公園にも見ることができません。

江戸キリシマ系の品種を研究する上からも極めて大切なツツジであり長く保存しなければなりません。


キリシマツツジ


白琉球


特徴3:歴代城主から現在まで保護育成が図られています。(永続的な管理)

古代よりつつじが崎に自生していたヤマツツジ群と、歴代城主が、各地より移植したツツジは、明治以降もツツジ保護のため手厚い育成管理が継続して行われてきました。

現在は古木ツツジが多いため、近代技術を施した肥培管理が、一株一株に実施されており、こうした手厚い管理は他に類がないそうです。


特徴4:学者等が日本一、世界一の折り紙をつけました。


昭和52年4月28日、アメリカのツツジ・シャクナゲ協会長デビット・リーチ氏が来園し、世界一の折り紙をつけました。


オオヤマツツジ


キリシマツツジ


また、昭和56年3月、東京大学理学部教授理学博士山崎敬氏は、「館林のツツジの価値は、花期の美しさはもちろんですが、盛衰はあっても、数百年にわたって、日本の園芸ツツジの発展と期を同じくして、連綿と栽培されてきたことです。

これは周辺の多くの人々の協力があってこそ出来ることで、日本の園芸植物では他に見られない特徴で、おそらく世界的にも例のないことと思います。」と言葉を寄せています。


特徴5:国際花と緑の博覧会で最高の「名誉賞」を受賞し、日本一の折り紙がつけられました。

平成2年4月より開かれた国際花と緑の博覧会に、館林市より推定樹齢450年の桔梗咲き霧島古木2株を出品しました。

このツツジは世界53か国、出品数
6,507点の中から「ツツジの大きさ」「咲かせた技術」「優れた景観」等の点が他に類が稀であると最高の「名誉賞」に輝きました。


キリシマツツジ


乙女心


特徴6:世界初の宇宙ツツジが生育しています。

館林市出身の宇宙飛行士向井千秋さんの乗ったスペースシャトル「コロンビア」が、日本時間の平成6年7月9日、米国のケネディ宇宙センターから打ち上げられました。

この時、搭載された市の花ヤマツツジなどが、大きな夢を秘めて、順調に生育しています。


世界で初めての宇宙ツツジが生育していることは、日本一のツツジの名園に、新たな夢と感動を与えています。


また、今後ツツジの新品種育成なども考えられています


新公園のキリシマツツジ古木群


新公園のキリシマツツジ古木群


つつじが岡公園の面積は49,890uあります。植栽面積は旧公園が17,414u、新公園が5,461uです。ここには50余種約1万株が植えられています。

新公園は、昭和5年2月に完成した西方の細長い公園です。ここには大正4年5月に、杉本八代氏によって寄付された本霧島、八重霧島、桔梗咲き霧島、紅霧島、紅の司、白霧島、日の出霧島、東錦などキリシマツツジの古木が自然形のままで保護育成されています。


キリシマとキリシマツツジの呼び名

キリシマという名は、もともと特定の1品種に対する名で、広く栽培されている小輪深紅色の種類で、本霧島とも呼ばれていました。

また、キリシマの名のつくいくつかの品種の総称に、キリシマツツジの名を用いました。


新公園のキリシマツツジ


新公園のキリシマツツジ


なぜツツジの根元は保護するのか

ツツジの根は浅根性で、細根が地表近くで生育しています。これは絶えず酸素を必要とするためで、通気の良い環境にしなければなりません。

このために根元の踏み固めを防止することが大切になります。

公園内のロープはこの役割を果たすために張られています。


つつじが岡公園へのアクセス

東北自動車道館林ICから約10分です。ただし、つつじが岡公園への右折は大変混雑します。一度通り過ぎてUターンする、あるいは手前で右折して1〜2本右側の道路を利用することをお薦めします。また、一番奥に無料駐車場がありますが、渋滞のため手前の有料駐車場(1日500円)に駐車し、歩く方が早いです。

関連するホームページ

  つつじが岡公園
               風来坊

新公園のキリシマツツジ

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