散策スポット・桜2011

散策スポット目次

HOME

前ページ

多摩森林科学園の桜 (H23.4.25)


多摩森林科学園サクラ保存林



多摩森林科学園サクラ保存林

今年の東京の開花宣言は昨年よりも6日遅い3月28日でした。

しかし、近年東京の開花は随分早く、これでも平年並みとのことです。

開花宣言後、寒い日が多く、東京、横浜のソメイヨシノの満開は4月8日前後でした。


4月23日に新宿御苑でオフ会がありましたが、八重桜が花吹雪の状況でした。

咲く時期の遅い御衣黄も見頃を過ぎて、緑色が随分あせていました。

多摩森林科学園は都心よりは1週間程度開花が遅いですから、八重桜が見頃ではないかと4月25日に訪ねました。


多摩森林科学園サクラ保存林



多摩森林科学園サクラ保存林

多摩森林科学園にはサクラ保存林があります。

第2次世界大戦後しばらくの間、わが国は社会情勢も厳しく、サクラに思いを寄せる心のゆとりなど全く無く、公園、神社、寺院など各地に植えられている貴重なサクラの名木が手入れされないままに放置されていました。

その後、世の中が落ち着きを取り戻してくるにしたがい、貴重なサクラ品種を保存し、広く後世に伝えようという動きが盛り上がりました。



御衣黄


このため、昭和40年、農林省林業試験場浅川実験林内(現在の森林総合研究所多摩森林科学園)にサクラ保存林を設置し、サクラについてのいろいろな調査研究を進めることになりました。

これを受けて、昭和41年からサクラ保存林の造成が始まりました。


御衣黄



楊貴妃

現在は約8ヘクタールの面積に江戸時代から伝わる栽培品種や国の天然記念物に指定されたサクラのクローンなど、全国各地からのサクラ約250種類、1500本が植えられています。

また、導入されていない品種の収集や、分類の見直し、保存方法、生理的反応などの研究も進められているとのことです。



吉祥寺


サクラ保存林は、サクラの本数は1500本と多いですが、各種のサクラが植裁されており、2月下旬から5月上旬にかけて順次見頃となります。

このため、山一面に咲き誇る桜を楽しむというわけにはいきません。

山の斜面に設けられた散策路を歩きながら、各種のサクラを一つ一つ楽しむということになります。


白妙



静香

今回訪ねた4月下旬は、晩春に咲く桜が見頃となる時期です。

サクラ保存林には晩春に咲くサクラが約30種類あり、平年の気温ですと4月中旬に咲き始め4月25日頃に満開となるとのことです。

晩春に咲くサクラの主な種類としては、早晩山、関山、御衣黄、普賢象、福禄寿などがあり豪華な八重桜がメインです。


サクラの花は、長い冬の眠りから目覚め、やっと咲いたかと思う間もなく散り始め、雨や風にあえばなおさらのことと、命の短いことやはかないもののたとえとして、よく使われます。

サクラ保存林で調査した結果、ソメイヨシノの場合は個々の花の寿命が7日です。一本の木全体としては、開花から満開までは5日間、満開の期間が5日間とのことです。


駒繋



関山



有明

個々の花の寿命が7日ですから、満開になると間もなく最初に咲いた花は散り始めるわけです。

多摩森林科学園では開花から満開までは5日ですが、開花の早い都心などでは開花から満開までの日数が7日〜10日と長くなりますので、満開と同時、あるいは満開を待たずに、初めに咲き始めた花から順次はらはらと散り始めます。


この桜を見て、誰しもが花の命のはかなさ、短さを強く感じ、もう少し長く咲いていて欲しいと願うわけです。

今年の東京の開花は3月28日でしたが、その後寒い日が多く、満開は4月8日頃でしたので、開花から満開まで10日ほどあり、満開の頃にはすでに初めに咲いたサクラが舞っていたことになります。


市原虎の尾



市原虎の尾


緑桜



糸括

多摩森林科学園のある場所は、400年以上もの昔、小田原の北条氏が南下してきた武田の軍勢を迎え撃った古戦場です。

江戸時代は幕府直轄地となり、伊豆・韮山の反射炉で有名な江川太郎左衛門が代官として治めていました。

園内には当時植えられた江川ヒノキが残っています。



帆立


多摩川森林科学園のある場所は、甘里(トドリ)町と呼称されていますが、この地名の由来は「秩父まで十里、鎌倉まで十里」からきたという説が一般的だそうです。

多摩森林科学園は日比谷公園の約3.5倍の56ヘクタールあります。

高尾山に連なる山地の東の端にあって標高は183m〜287mです。

多摩森林科学園は試験林、樹木園、サクラ保存林の3つに大きく分かれています。


御車返し



御車返し


白山大手毬



片丘桜

試験林

試験林は約40ヘクタールあり、多摩森林科学園の大部分を占めています。

試験林には天然林も残されており、約13ヘクタールの天然林には700種類以上の植物が自生しています。

試験林は当初はケヤキやテーダマツなど国内外の林業用樹種の植栽試験地として利用されてきましたが、現在では天然林を中心に野生動植物を調査する場として利用されています。



渦桜


試験林は午後1時から約2時間〜2時間半程度、インストラクターが案内してくれます。

1日1回15名程度で、事前予約はなく、当日の午前中に当園での申し込みとなっています。案内料は無料です。ただし、4月は行われておりません。


万里香



千里香


太白



渦桜

樹木園

樹木園は約7ヘクタールの敷地に、林業用の高木樹種を中心におよそ620種、6000本の樹木が植えてあります。古いものは150年以上経っているそうです。

第1樹木園〜第3樹木園の3つの樹木園に分かれています。



普賢象


入園料

4月 400円
5月〜3月 300円

休園日

毎週月曜日、ただし4月は無休
入園時間 9時30分〜午後3時30分(午後4時閉門)


三ヶ月桜



駿河台匂

アクセス

JR高尾駅北口から徒歩10分
駐車場はありません。

関連するホームページ

 多摩森林科学園



       風来坊


目次  TOP HOME