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日向薬師の彼岸花 (H23.9.28)

日向地区


日向地区の彼岸花



日向地区の彼岸花



日向地区の彼岸花

「日向薬師の彼岸花」は、伊勢原市の日向薬師付近に自生している彼岸花の総称で、彼岸花自生地も日向地区、藤野地区、洗水地区などに9ヶ所ほどあります。

彼岸花自生地のメインは、小田急線伊勢原駅から「日向薬師行き」の路線バスに約25分乗車した終点付近に拡がる日向地区です。


日向地区には路線バス終点の日向薬師停留所から上流に棚田のような感じで拡がる田園地帯のエリア、その対岸のエリア、そしてバス終点の日向薬師停留所から上流に向かって右側にある白髭神社付近の3ヶ所の群生地があります。

右側の白髭神社からは日向薬師に登っていくことができます。


日向地区の彼岸花



日向地区の彼岸花



日向地区の彼岸花

今年は彼岸花の咲く時期が遅く、いつにしようかと迷っていたところ、9月25日に日向薬師に行ったネットの友人から「まさに見頃です」とのメッセージがありました。

その後天気があまり良くなかったですが、晴天に恵まれた28日に出かけることができました。

昨年は9月29日でしたから1日違いでした。



日向地区の彼岸花


昨年は小田急線伊勢原駅北口10時15分発のバスに乗車しましたが、平日にもかかわらず大混雑で多くの人が積み残されて、臨時便が出る状況でした。

日向薬師は日本三薬師のひとつであり、週末は日向薬師への参拝や大山へのハイキングのために訪れる人が多いことからバスの便数も多いですが、平日は通勤時間帯を除くとバスの便数が週末の半分以下となります。


日向地区の彼岸花



日向地区の彼岸花

このため、彼岸花の時期などのように観光客が集中すると乗車できず、臨時便が運行されるようです。

もちろん、彼岸花の時期は週末にも臨時便が運行されています。

こうした状況から今年は朝早く行くことにし、伊勢原駅北口7時50分のバスに乗ることにしました。


バスはこの時間でも一部の乗客が立つ程度の混雑でしたが、さすがにこの時間は通勤者が殆どで終点の日向薬師まで乗車したのは2人のみでした。

バスターミナルのすぐそばに、日向地区の彼岸花散策路の入口があります。

一番乗りかと思ったところ、すでに5〜6人の人が熱心に写真を撮っていました。

その後も次々と人が訪ねてきており、さすがに人気の日向薬師です。


日向地区の彼岸花



日向地区の彼岸花



日向地区の彼岸花

日向地区では田圃の周りの農道が、一方通行の散策路になっており、この散策路に沿って田園地帯に咲く彼岸花を楽しむことになります。

日向地区の散策路付近の彼岸花は見頃を迎えていましたが、上流のエリアは咲く時期が少し遅いようで、まだ蕾も随分残っていました。

今年は彼岸花の開花時期が遅いため、日向地区の田圃の稲はすでに刈り取られており、黄色の稲穂と赤い彼岸花のコントラストを見ることはできませんでした。



日向地区の彼岸花


日向地区の彼岸花


藤野地区


藤野地区の彼岸花



藤野地区の彼岸花


日向地区の彼岸花を見た後、1kmほど下流にある藤野地区を訪ねました。

日向地区からバスの運行されている道路に沿って緩やかな下り坂を下がると「藤野入口」のバス停があり、ここから左にはいると藤野地区の彼岸花の群生地です。

今年は日向薬師バス停から300mほど下流の「坊中」のバス停から、橋を渡らずに三叉路を左に進み、川の左岸を道なりに進んで藤野地区に出ました。


藤野地区の彼岸花



藤野地区の彼岸花

藤野地区は川の両岸に彼岸花が咲いています。

藤野地区ではまだ稲刈りが行われてなく、黄色の稲穂の中に咲く彼岸花を見ることができました。

川の右岸では田の畦道に沿って彼岸花が咲いていました。



藤野地区の彼岸花


川の左岸は畦道のみでなく、川に沿った田畑に向かう小道の両側に彼岸花が咲いていました。

藤野地区の上流部分で、川面に幅20cmほどの鉄板が架けられており、川を渡ることができます。

しかし、川岸から鉄板の架けられており川底に下りる梯子も木組みの急な階段で、足の丈夫な方でないとわたることは困難です。

また、鉄板は川面すれすれに架けられており、雨の直後には渡ることができないかもしれません。


藤野地区の彼岸花



藤野地区の彼岸花



藤野地区の彼岸花

藤野地区から500mほど下流にあるのが洗水地区です。

「藤野入口」のバス停からバスが運行されている道路に沿って、5分ほど緩やかな坂を下ると「諏訪坂下」のバス停があります。

このバス停から民家に沿って100mほど入ったところが、洗水地区の彼岸花の群生地です。


洗水地区


洗水地区の彼岸花 蕾が多く岸も緑色が多いです



洗水地区の彼岸花


洗水地区は日向地区ほど広くはありません。

洗水地区は田圃の中に散策路が設けられており、非常に近くから彼岸花を撮影することができます。


洗水地区の彼岸花 蕾が多くて赤い部分が少ないです



洗水地区の彼岸花

また、「彼岸花散策路」の案内板にしたがって進むと、田圃の一番高いエリアに出ることもできます。

このエリアにも彼岸花が点在しています。

この場所から田畑の道に沿って藤野地区に行くことができますが、案内板はありませんので、散策路がややわかりにくいです。



洗水地区の彼岸花


洗水地区は稲刈りが行われていない田圃が一部の超されており、黄色い稲穂と赤い彼岸花のコラボレーションを楽しむことができました。

洗水地区は蕾も随分多く、満開一歩手前というところでした。


洗水地区の彼岸花



洗水地区の彼岸花



洗水地区の彼岸花 蕾が多いです

洗水地区からさらに300m程、バス道路に沿って下ったところにも見事な群生地がありました。

「高部屋みどりの里」です。

バスの窓から見ることのできるエリアです。

稲穂はすでに刈り取られていましたが、見事な光景に出会うことができました。


今年は11時20分に帰途につきましたが、まだこの時間は帰る人は少なく、ゆっくりバスに乗ることができました。

そういえば昨年は満員のバスにやっと乗車できました。

やはり人気の日向薬師は、平日でも朝早く来るのが無難のようです。

特に、撮影しながらさがってきて、途中から乗車する場合は要注意です。


洗水地区の彼岸花 蕾が多いです



洗水地区の彼岸花



洗水地区の彼岸花

彼岸花は中国が原産地で、稲作に伴って日本に伝来してきたものと考えられています。

彼岸花が田の畦で咲いているのは偶然ではなくて、それなりの意味があります。

ノネズミやモグラに田の畦に穴をあけられては、田に張った水が流れ出てしまい、水稲を育てることができなくなります。

このため、ノネズミやモグラが近づくことができないように、有毒な彼岸花を畦に植えたのです。


彼岸花は球根から花までアルカロイドのリコリンを中心とした有毒成分が含まれています。

このため。ノネズミやモグラに田の畦を荒らされなくなるのです。

田の畦に、咲く彼岸花は、稲作を守るための先人の知恵だったということができます。

彼岸花の花茎の汁に触れた場合は、有毒成分によって皮膚炎を起こすことがあるので要注意です。


洗水地区の彼岸花



洗水地区の彼岸花


洗水地区の彼岸花


高部屋地区


高部屋地区の彼岸花



高部屋地区の彼岸花



高部屋地区の彼岸花

この彼岸花の毒は水によく溶けるため、球根をよく水にさらせば食用にすることも可能です。

しかしながら、彼岸花の球根は普段は食べるのではなく、大飢饉の時に非常用食料とされたようです。


彼岸花は気温が下がると成長が始まります。台風による長雨などの影響で、8月中旬から下旬にかけて気温が低くなると開花が早まります。

逆に9月上旬になってからも残暑が続くと、彼岸花の開花が遅くなる傾向にあります。


高部屋地区の彼岸花



高部屋地区の彼岸花



高部屋地区の彼岸花



高部屋地区の彼岸花

このように、彼岸花の開花時期は天候に左右されるようですが、例年秋のお彼岸の頃に見頃を迎えることが多く、「彼岸花」と呼ばれる由来のようです。

今年は9月に入っても猛暑日が続くなど、残暑が極めて厳しく、彼岸花の咲く時期も例年よりは随分と遅く、お彼岸の時期には殆ど咲いていませんでした。


彼岸花は曼珠沙華とも呼ばれていますが、この呼び名は仏教の梵語から来たもので、天界の美しい花を意味しています。

また、彼岸花は昔から稲作と深い係わり合いを持つ植物であることから、日本各地でそれぞれ呼び名が異なり、400〜500種類の呼び名があるとも言われています。


高部屋地区の彼岸花



高部屋地区の彼岸花


アクセス


小田急線伊勢原駅から「日向薬師行き」バスで約25分。

終点の「日向薬師駅」で下車すると周囲に彼岸花が拡がっています。


駐車場 

日向薬師折り返しバスターミナルに約15台の無料駐車場あります。


また、「高部屋みどりの里」地区にも臨時の駐車場があります。

こちらは30台以上駐車できるようです。



      風来坊


高部屋地区の彼岸花


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