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ハスと三渓園のシンボル三重塔
蝶も見学に
ハス池のハス
朝のすがすがしい空気の中で、咲いたばかりのハスを楽しむことができるように、三渓園では毎年、早朝観蓮会が開催されています。 ハスの花は、明け方からゆっくりと開花し、午前7時頃に一番の見ごろを迎えます。 そして9時頃から再び閉じ始め、昼ごろには完全に閉じてしまいます。 こうしたハスの開花の特徴に対応して、早朝6時に開園になります。
この早朝観蓮会は昭和50年から毎年開催されており、今年で35回目です。 早朝観蓮会は見頃の時期の土・日・祝日に開催されますが、今年は7月のすべての土・日・祝日に開催されます。 早朝観蓮会は特別料金ではなく、通常の入園料で観賞することができます。
三渓園は、生糸貿易で財をなした横浜の実業家 原 三渓(本名:富太郎)の元邸宅です。 17万5千平方メートル(約53,000坪)にも及ぶ広い庭園は、原 三渓の手によって精魂込めて造られ、明治39年(1906年)に「三渓園」として一般に公開されました。
ハスは泥の中から清らかな花を咲かせることから、俗世間から現れた優れた人材にもたとえられ、インドでは聖者の花、中国では君子の花といわれました。 三渓園の創設者 原 三溪がとりわけ好んだ花だといわれています。 現在は、三渓園の正門を入って右側の蓮池に咲いていますが、三渓在世中は大池全体に植えられていました。
三渓園のシンボル三重塔
ハスの花が美しく池を彩る頃になると三渓は親しい人々を招いて、蓮見の茶会を催したそうです。 船遊びの趣向で催した茶会では、ある茶人が偶然流れてきた白蓮の蓮片を取り、梅干しを包んで食べたことを一同で褒めあうなど、大変風流なものだったようです。
現在、三渓園で生育しているハスは主に原始ハスです。 これまで、種々の品種のハスが植えられてきましたが、背丈が高く繁殖力の強い原始ハスが残ったそうです。 原始ハスは一重咲きの大きな花で、開花1〜2日目は比較的濃い赤色ですが、3〜4日目には桃色に変化し、基部近くが白くなるのが特徴です。
早朝から多くの見学者が
まだ蕾の多いハス池
原始ハスは、古来より日本にあったハスで、東大阪市善根寺町に自生していたものを、ハス研究で高名な大賀一郎博士が昭和11年に鑑定して「原始ハス」と命名しました。 大阪府の天然記念物に指定されています。 三渓園には昭和51年に舞妃蓮、太白蓮などと共に植えられたそうです。
大賀ハスは、昭和26年に千葉市の東京大学農学部検見川厚生農場で、大賀博士が縄文時代に咲いていた古代ハスの種3粒を発見し、そのうちの一粒の開花に成功したものです。 したがって、原始ハスと大賀ハスは咲いた花の形は似ていますが、異なるハスのようです。 違いの細部についてはよくわかりません。
ハス池
カメラマンの狙いは?
花が咲くときに音がするのか? 「ぽんっ」とハスが開花するとき音をたてるということは、昔から一般に伝えられてきたようです。 しかし、実際にはハスはゆっくり静かに開花するので、音は聞こえないそうです。 ハスの神秘的な美しさに酔いしれ、蛙が水の飛び込む音などを聞き誤ってしまったものが、人々に言い伝えて来られたのかもしれません。
ハスの花の咲き方 三渓園の「早朝観蓮会」のパンフレットに、ハスの花の咲き方について、詳しい説明がありました。 ハスを見に行くのは朝早くが良いと言われますが、その理由を納得していただけるかと思い紹介します。
開花1日目 午前5時頃、外側の花びらがゆるみだし、1分間に約2mmの早さでゆっくり口を開け、1〜3cmの「とっくり型」になる。色も濃くなり、午前8時頃から閉じ始める。 開花2日目 夜中の午前1時頃から開き始める。午前7時から9時頃までに「おわん型」になり、色鮮やかになる。このころから閉じ始め、昼頃には完全に閉じる。
開花3日目 夜中の午前1時頃から開き始める。午前6時頃には「おわん型」、9時頃には「さら型」になる。花は最大に開くが、色はあせ、花びらも一ひら、二ひら散り始める。午後までに少し閉じるが、半開きの状態で終わる。 開花4日目 夜中の午前1時頃から開き始める。午前6時には完全に開き、花びらが散り始める。午後には一ひらもなくなり、花托だけが残る。
ハスの歌 ひらいた ひらいた なんの花が ひらいた レンゲの花が ひらいた ひらいたと思ったら いつのまにか つぼんだ
この歌に出てくる「レンゲの花」は春の野に咲くレンゲソウではありません。 「レン=蓮、ゲ=華」つまりハスの花のことなのです。 明治時代の遊びうたで、子供たちが輪になって手をつなぎ、うたを歌いながら外に広がったり、内につぼまったりして、ハスの花が開いたりしぼんだりするようすを表現しています。 これはハスの生態をよく表している童歌です。
早朝観蓮会の開催日には、園内茶店「三渓園茶寮」で、赤だしや温泉卵、紀州梅干、コーヒーなどがセットになっている、早朝観蓮会限定メニューの朝粥(1000円)が提供されています。 早朝のさわやかな空気の中で、多くの方が食事を楽しんでいました。 また9時までは、甘酒やところてんを半額の200円、自家製ようかん付お抹茶を300円で楽しむことができます。
今年は、ハスの咲いている数が随分少ない感じです。 ハスを見に来るタイミングが早すぎたのか、それとも今年はハスの花の数が少ないのか・・・よくわかりませんが、例年に較べやや寂しい感じでした。
アクセス バスを利用する場合 桜木町駅2番乗り場から8系統を利用するのが一番便利です。 平日と土曜日は始発が6時10分、日曜日は始発が6時14分です(2008年5月12日改正のダイヤ)。 駐車場 正面入口に隣接して駐車場有り。乗用車とバス兼用駐車場のため、週末は混雑する。 駐車料金500円
明日は咲くのかな?
開花何日目?(笑)
入園料 大人500円 65歳以上300円、横浜市在住の65歳以上は無料です。 小人200円、第2土曜日は横浜市内在住の小・中・高校生は無料です。 関連のホームページ 三渓園 風来坊
ハスの葉