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上野恩賜公園は人の波です
戊辰戦争において、徳川慶喜が謹慎していた上野寛永寺は彰義隊が終結して反政府軍の拠点になり、しばしば新政府軍の兵士と衝突していました。 慶応4年5月15日、大村益次郎指揮の官軍は、彰義隊を総攻撃し、壊滅させました。 のちに、『上野戦争』と呼ばれている戦いです。
この戦いの主戦場となった上野寛永寺は官軍の攻撃により焼失し、明治維新以降、上野の山一帯は焼け野原となり放置されていました。 明治6年の太政官布達によって、上野恩賜公園は、芝、浅草、深川、飛鳥山と共に日本で初めて公園に指定されました。
当初は寛永寺社殿と霊廟、東照宮それに境内のサクラを中心にした公園でしたが、その後整備が進められ、総面積54万平方メートルの公園敷地内には、不忍池、上野東照宮、上野動物園、東京国立博物館、国立科学博物館、東京都美術館、国立西洋美術館をはじめとした文化施設が建てられ、四季には数々の催し物が開催され、文化の香り高い公園へと衣替えしました。
大噴水と国立博物館
上野恩賜公園には約1200本の桜があり、約半分をソメイヨシノが占めています。 当初の開花予想では、東京の桜は、昨年よりも5日程度遅いとのことでしたが、その後開花予想が逐次早まって、3月21日に開花宣言が出ました。
桜は開花してから満開までは1週間程度ということですが、今年は開花直後から寒い日が続き、なかなか開花が進みません。 3月末でも3部咲き程度でしたが、4月3日が5月中旬並みの陽気となり、一挙に開花が進み、同日満開宣言が出されました。
桜並木と国立博物館
桜並木の傍では宴会が始まっています
天気予報では今後も暖かい日が続くとの予報ですから、来週半ばには桜が散る可能性があり、桜散策は4月4日(土)、4月5日(日)しかありません。 幸い枝垂れ桜については先週見て廻っていますので、4月4日は東京の桜を見て廻ることにしました。
千鳥が淵の次に上野を見ることとし、地下鉄で12時少し前に上野駅に着きました。 上野恩賜公園では満開の桜が出迎えてくれましたが、見頃を迎えた最初の土曜日ということもあり、公園内はラッシュアワー並みの大変な混雑振りです。 公園側の発表では、この日に上野恩賜公園を訪れた人は、何と20万6千人だったとのことです。
満開の桜
上野恩賜公園では桜の下で宴会をすることができます。 土曜日の昼近くということもあり、散策路以外はビニールシートで埋め尽くされ、多くのグループが花見の宴を楽しんでいました。
桜は満開でしたが、天候は生憎の曇天で、時折薄日が射す程度でした。 このため、写真の出来映えもいまいちで、残念ながら今年は素晴らしい桜をお届けできません。
不忍池・蓮池の桜
不忍池・ボート池
上野恩賜公園のもう一つの桜の見どころが不忍池です。 不忍池は周囲約2kmで蓮池、ボート池、水上動物園(上野動物園の一部)の3つの池から構成されています。
不忍池の桜並木
上野の山を今日の比叡山に、不忍池を琵琶湖に見立てて、竹生島(ちくぶじま)にならって弁天島を作ったといわれています。 また、竹生島宝厳寺の弁財天を勧請し弁天堂を建立しました。
上野恩賜公園の桜並木から坂を下りて、天龍橋、弁天堂を経由して不忍池の桜並木に出ることができます。 天龍橋から弁天堂までの道の両側も屋台がぎっしりと並んでおります。 ここも弁天堂に行き来する人、不忍池の桜並木に行き来する人で大混雑です。
不忍池の桜も満開でした。 不忍池の桜並木は上野恩賜公園の桜並木に比較すると、随分と空いていて比較的ゆっくりと散策できます。 ボート池では多くの人が水の上からの景観を楽しんでいました。
上野恩賜公園は松尾芭蕉が 花の雲 鐘は上野か 浅草か と詠んだように桜と不忍池でよく知られている公園です。 風来坊