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江の島天王祭 (H21.7.12)


天王祭海中渡御



砂浜まで降りてきた神輿


毎年7月14日に近い日曜日に行われる江の島天王祭は、八坂神社の例祭で、湘南の夏の風物詩として華麗を極める勇壮な祭りで「神奈川の祭り50選」にも選ばれています。


今年は7月12日(日)に行われました。


八坂神社は、奉安殿の左隣りにある、江の島神社の末社の小さな神社です。

八坂神社は、対岸の腰越の小動(こゆるぎ)神社が大波で流され、海中に沈んでいた建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)の御神体を江の島の漁師が拾い上げて、ここに祀ったことにはじまるといわれています。

したがって、八坂神社の御祭神は建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)です。


海中渡御の開始です



江の島八坂神社

現在は江の島の末社ですが、江戸時代は天王社として祀られ、弘化元年(1844年)に再建されました。

明治6年に「八坂神社」と改称され、現在の社殿は平成13年に改築されたものです。

神仏混淆により、須佐之男命は、京都の八坂神社と同様に、祇園精舎の守護神・牛頭天王の化身とされ、牛頭天王を祀る社といわれるようになりました。


牛頭天王を祀る祭礼を天王祭といいます。



海中渡御



午前9時ごろから、江の島神社辺津宮の境内で神事が行われます。

そののち、島の人々が列をなして天王囃子という里神楽の優雅な調べを奏でるなか、辺津宮から宮出しされた神輿は、石段や急な坂道をさがって、弁天橋の袂にまで運ばれ、ここで休憩となります。


神事



浄めの水


境内は裸厳禁であるため、担ぎ手は法被姿ですが、ここからは海中渡御になるために担ぎ手は裸になる必要があります。

また、ご神体を漁師が発見して祀ったことから、祭礼の神輿は漁師だけが担ぐことになっているとのことです。

このため、現在は全国から集まる裸祭りファンの応援なしには催行できなくなっているようです。



午前11時ごろに準備が整い、白色の六尺褌を前袋式に締め込んだ裸衆によって神輿が担ぎ上げられ、入水地点に向かいます。

以前は弁天橋を渡ったこともあるそうですが、現在は、江の島大橋の直ぐ東側の公園に特設スロープが設けられ、そこから入水します。

今年は潮が引いている時間帯だったことから、スロープの下は砂浜が現れていました。


随分深いところまで



陸地に向かう神輿



陸地に向かう神輿


神事であるため、色柄ものの褌では神輿を担げないという掟がしっかりと守られており、裸の男たちは、全員白褌です。


足は白い地下足袋か裸足です。

鉢巻は色柄物も見られましたが、担ぎ手が全国の裸祭りファンの混成であるため、鉢巻までは統一できないようです。



スロープから砂浜に下りた神輿は、天王祭の最大の見せ場にある海中渡御にため海に向かいます。

江の島の北東岸を埋め立てた公園の前を、神輿は浮きつ沈みつも見合いながら、ゆっくりと沖合の深みに進んでいきます。


陸地に向かう神輿



スロープの登る神輿



スロープを登った神輿


神輿が船の近付くことができる水深まで進んでいくと、小型船が神輿に近付きます。

船では神官が御幣を持ち、お祓いを行っています。

また、別の船には神職たちが乗っており、集団に向かって浄めの水をかけ始めます。

海上においても神事が行われます。



裸の担ぎ手


裸の担ぎ手



潮抜き



神輿は水面が担ぎ手の首近くに達するところまで進みます。

神輿の下部は海水に使っているようです。

海中渡御が30分程度行われた後、神輿は陸上に戻ります。


潮抜き



陸上に戻った神輿は、左手にある公園に進みます。

公園ではホースで放水が行われており、ここで海水に浸かった神輿の潮抜きが行われます。

公園の奥に神輿は置かれ、一旦休憩です。

午前の祭りに参加された方の昼食となります。




合同渡御



午後は、1時30分頃に江の島を出発した神輿は、江の島弁天橋を渡って対岸に行き、龍口寺前で、小動神社の神輿と合流します。


ここから2つの神輿による合同渡御になります。


合同渡御



小動神社の神輿


2つの神輿の周りは担ぎ手と大勢の群衆に取り囲まれながら、ゆかりの小動神社まで渡ります。


神輿の通過する道路は、車両通行止めになっていますが、江ノ電だけは停めるわけにいきません。



未来の担ぎ手


未来の担ぎ手



ということで、電車が通過するたびに渡御が一時中断されます。


毎年参加している群衆は慣れたもので、一瞬のうちに電車の通過する線路が開かれます。

そして電車が通過するとあっという間に神輿の周りは埋め尽くされます。


八坂神社の神輿



江ノ電通過で合同渡御も一時中止



あっという間に退避


小動神社で神事が行われた後、再び2つの神輿による合同渡御が龍口寺まで行われます。


そして、龍口寺前で別れてそれぞれの神社に戻って行きます。



群衆すれすれを通過する江ノ電


担ぎ手も一時休憩



天王祭は江の島八坂神社の神輿が年に一度、対岸の小動神社の神輿と行き会う祭りでもあります。

江ノ島の八坂神社の神様が女神様で小動神社の神様が男神様ですので、年一度の逢瀬を楽しまれるのだとも言われています。

お神輿の七夕と言えるかもしれません。


神輿通過後は閑散と



八幡太郎義家と神輿



源頼朝と御所五郎丸


この日は、海中渡御の行われている神輿の沖合では、ウィンド・サーファーたちがカラフルなセールを抱えて波乗りに興じていました。


沖合にヨットが行き交うマリンレジャー華やかな湘南の地で、日本的で古式ゆかしい伝統文化が披露されるという天王祭でした。



源頼朝と御所五郎丸


須佐之男命



天王祭の最大の見せ場である海中渡御が行われ時間は、江の島の北東海岸を埋め立てた公園の岸辺は、黒山の人だかりになります。


今回は「お散歩写真隊」のオフ会で参加しましたが、何回も来られている方の案内により早い時間から岸辺の最前列を早くから確保し、十二分に楽しむことができました。

         風来坊


八幡太郎義家と鎌倉権五郎


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