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高幡不動尊の五重塔とあじさい
高幡不動尊
真言宗智山派別格本山、高幡山明王院金剛寺は古来関東三不動の一つに挙げられ高幡不動尊として親しまれています。 高幡不動尊の草創は、古文書によれば大宝年間(701年)以前ともあるいは奈良時代行基菩薩の開基とも伝えられていますが、1100年前の平安時代初期に慈覚大師円仁が、清和天皇の勅願によって当地を東関鎮護の霊場と定めて山中に不動堂を建立し、不動明王をご安置したのに始まるとのことです。
足利時代の高幡不動尊は「汗かき不動」と呼ばれて鎌倉公方をはじめとする戦国武将の尊祟をあつめ、江戸時代には関東十一檀林に数えられ、火防の不動尊として広く庶民の信仰を集めていました。 この当時門末三十六ケ寺を従え、関東地方屈指の大寺院でしたが、安永8年の業火により大日堂をはじめ大師堂、山門、客殿、僧坊等を一挙に焼失しました。
土方歳三像
弁天橋
交通安全祈願殿
五重塔とあじさい
五重塔と新緑の紅葉
その後、歴代住持の営々たる努力により徐々に復興に向かいましたが、殊に昭和50年代以降五重塔、大日堂、鐘楼、宝輪閣、大回廊、奥殿等の工事が相継ぎ行われ、往時を凌ぐ程の寺観を呈するようになっているとのことです。
山門
高幡不動尊は11世紀頃までに大寺院の形態を整えたといわれており、大日如来像、不動明王像、二童子像、菩薩像(三躯)、歓喜天像などの平安時代の古像が現存しています。 江戸時代の安永8年の大火でその歴史にふさわしい寺宝の大半を消失しましたが、古文書などを含めると、なお2万点近い重要な文化財が収蔵されています。
大日堂
豊泉寮
総重量1100キロを超える巨像で、古来日本一と伝えられた重文丈六不動三尊は、このたび千年ぶりの修復作業が完了し、現在奥殿にご安置されています。 また、昭和60年から行われた東京都および日野市の文化財総合調査により数多くの発見があり、その一部が寺宝展会場に陳列されています。
大師堂
大玄関
また、境内には新選組記念碑、土方歳三像、上杉憲顕の墓、お鼻井戸、芭蕉句碑をはじめ史蹟、文学碑等も多く、裏山不動ヶ丘には山内八十八ヶ所の弘法大師像がまつられ、ご参拝に、歴史や文学探訪に、また自然観察に絶好の散策地になっています。 土方歳三は高幡不動尊のある日野市の出身で、日野市石田には土方歳三資料館もあります。
鐘楼
四季の道のあじさい
多摩丘陵の一角を占める高幡不動尊の3万余坪という広大な境内は、千本の緑に包まれているといわれています。 そして、春の椿、三茱萸(さんしゅゆ)に始まり、300本の桜、7500株のアジサイ、500本の楓など、四季とりどりの花木が訪れる人を楽しませてくれます。
6月7日に山アジサイを見るために高幡不動尊を訪ねましたが、その時にはあじさいはまだほとんど咲いていませんでした。 山アジサイは「四季の道」に沿って、集中的に植えられており、いくつかの「山アジサイ園」も設けられています。
五重塔傍らのあじさい
山内八十八ヶ所巡拝路のあじさい
山内八十八ヶ所巡拝路入口
一方、「あじさい・がくあじさい」は境内の各所で見られますが、高幡不動尊に置かれているあじさいマップを見ると、「あじさい・がくあじさい」は山内八十八ヶ所巡拝路の全経路に沿って植えられています。 山内八十八ヶ所は高幡不動尊山内に設けられた、四国八十八ヶ所霊場のうつしです。 高幡不動尊には、山内八十八ヶ所を仮想巡礼できるコースが設けられているのです。
今年は山内八十八ヶ所開創百周年記念ということで、「八十八ヶ所めぐりクイズの会」が企画されていました。 クイズの正解者には抽選で賞品が出るとのことです。 健康管理も兼ねて、山内八十八ヶ所めぐりをしながら、あじさいを楽しむことにしました。
五重塔のそばの、山あじさいの植えられている一角に、山内八十八ヶ所めぐりの入口があります。 最初はやまあじさいが植えられているエリアですが、そこを過ぎると緩やかな坂道となります。 案内板にしたがって散策すれば、あじさいを観賞しながら山内八十八ヶ所めぐりができる仕組みです。 上り下りが多いですが、約40分程度で廻ることができます。
アクセス 京王線高幡不動駅から徒歩3分 モノレール高幡不動駅から徒歩5分 拝観料 無料
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