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江田島・旧海軍兵学校 (H19.9.15)


幹部候補生学校庁舎(旧海軍兵学校生徒館 通称赤レンガ) 左上が古鷹山



幹部候補生学校庁舎(旧海軍兵学校生徒館)

広島県の江田島ある旧海軍兵学校を見学してきました。

旧海軍兵学校のあった場所は、現在は海上自衛隊の基地となっていますが、旧海軍の時代に建設された建物が数多く残されており、毎日見学することができます。

しかも20名以下の場合は、事前に申し込む必要はなく、設定されている見学時間の30分〜10分前に受付を済ませればOKです。


明治21年(1888年)、東京築地にあった海軍兵学校が江田島に移転し、この地において、海軍兵学校生徒の教育が開始になりました。

当初生徒は表桟橋に係留された学習船「東京丸」に起居していましたが、明治26年(1893年)に赤レンガの生徒館が完成しています。

以後、海軍兵学校は逐次拡充、整備され、昭和20年(1945年)12月1日に閉校となるまで、57年間にわたり、海軍士官養成の場としての歴史と伝統を築き上げたそうです。


幹部候補生学校庁舎(旧海軍兵学校生徒館)



赤レンガ前は幹部候補生が清掃するそうです

終戦後は、11年間に亘り、米・英連邦軍等が進駐、施設を使用しましたが、昭和31年(1956年)1月、海上自衛隊が施設を引き継いでいます。

昭和32年(1957年)5月には、海軍兵学校の伝統を引き継ぐ、海上自衛隊幹部候補生学校が開校しています。

また、昭和33年4月には、海上自衛隊第1術科学校が発足しています。


幹部候補生学校庁舎(旧海軍兵学校生徒館 通称赤レンガ)

通称「赤レンガ」と呼ばれ全国的に有名な、幹部候補生学校庁舎は、日清戦争の前年、明治26年(1893年)に海軍兵学校生徒館としてその生活、教育のため建築されました。

建築後、110年以上を経過した現在でも、幹部候補生を教育する教室として使用されています。


赤レンガと幹部候補生 本日は土曜日ですが!



大講堂

設計は、東京築地にあった兵学校生徒館も手がけたイギリス人建築家によるものです。

屋根は建築当初は日本瓦葺でしたが、昭和38年の安芸灘地震後にストレート葺とされたそうです。

赤レンガはイギリスから輸入したものだそうです。

赤レンガの庁舎前では土曜日にもかかわらず、幹部候補生の訓練(?)が行われていました。



大講堂内部


大講堂

鉄骨煉瓦石造の大講堂は大正6年(1917年)に兵学校生徒の入校式、卒業式また精神教育の場として建築されました。

石は、国会議事堂にも使用されている花崗岩を使い、内部は、ほぼ吹抜けとなっており、約2000名の収容能力があります。


大講堂正面玄関



大講堂天井


90年近くたった今日でも、変わらぬ姿で建っており、現在でも幹部候補生、自衛隊生徒等の入校式、卒業式等の儀式に使用されています。


教育参考館

ギリシャ神殿風の鉄筋コンクリート造の2階建ての教育参考館は、先輩の偉業を偲び、「温故知新」によって自己修養と学術研鑽の資とするため、兵学校卒業生の積立金及び一般企業等の寄付をもって、昭和11年(1936年)に建築されました。

教育参考館には、戦前約40,000点の歴史的資料が保存されておりましたが、終戦時、一部の貴重な資料を厳島神社、大山祗神社等に奉納した他は、進駐軍による没収を恐れ焼却処分されたそうです。


修復工事中の教育参考館と戦艦長門の主砲砲弾



修復工事中の教育参考館と特殊潜航艇

現在は、返却された資料等約16,000点が保存されており、そのうち約1,270点を展示しているそうです。

主な展示資料としては、

・東郷平八郎元帥、ネルソン提督(大英帝国)、山本五十六元帥の御遺髪室
・海軍将校の書
・特攻隊員の遺書
・横山大観画伯の富士を描いた作品「正気放光」

などがあります。


年間約8万人の見学者が訪れる江田島見学において、参考館は赤レンガと共にメインとなる施設ですが、現在は改修工事中で、見学できませんでした。

道路の反対側の第1術科学校学生館に仮展示室が設けられていますが、展示資料は撮影禁止ですので、残念ながら紹介できません。展示資料は約400点です。

教育参考館の傍には戦艦長門の40センチ砲弾や特殊潜航艇が展示されていました。


特殊潜行艇・海竜



第1術科学校学生館(旧海軍兵学校西生徒館)



第1術科学校学生館(旧海軍兵学校西生徒館)

第1術科学校学生館(旧海軍兵学校西生徒館)

兵学校西生徒館として昭和13年(1938年)に建てられたものですが、昭和31年(1956年)、横須賀にあった術科学校が江田島に移転し、現在は第1術科学校学生館としてしようされています。

もともとはクリーム色の3階立ての建物だったそうですが、老朽化に伴い、平成10年(1998年)から全館改築し、真新しい4階建ての建物になったとのことです。


表桟橋

江田内に面して突き出ている浮き桟橋は「表桟橋」と呼ばれています。

兵学校卒業生はここから軍楽隊の演奏の中を盛大な見送りを受けて、沖に待機する練習艦隊に向かい、巣立っていきました。

現在でも、幹部候補生学校卒業生が同様にここから音楽隊の演奏の中を、練習艦隊へと旅立っていくそうです。


江田内を望む 左前方が表桟橋



江田内に突き出た表桟橋

歩いて入る正門が表ではなく、船で出入りする桟橋が表とは、やはり海軍らしい発想ですね。

表桟橋の傍には短艇の係留施設がありました。

幹部候補生学校の施設だそうで、土曜日にもかかわらずここでも訓練が行われていました。


また、表桟橋の近くに、戦艦陸奥の主砲(主砲第4砲塔)があります。

この2連装砲は、かつて日本海軍戦艦「陸奥」の4番主砲として搭載されていた40センチ砲であり、昭和10年(1935)海軍兵学校生徒の教材としてこの地に移設されたそうです。

写真では短艇係留施設の向こう側になります。


短艇係留施設 



表桟橋から赤レンガを望む


江田島にはこのほかに、明治21年(1883年)に集会所として建築された「水交館」、高松宮宣仁親王の兵学校予備教育中の特別官舎として、大正9年(1920年)に総檜造で建築された「高松宮記念館」などがあります。


一般見学の経路には含まれていません。


見学要領

江田島基地の見学は無料です。

グループごとに案内人がついて、説明しながら案内してくれます。

平日は3回、土・日・祝日には4回の見学時間が設定されており、見学所要時間は約1時間30分です。

20名以上の団体で見学する場合は、1ヶ月以上前に申請する必要があるとのことです。


教育参考館の傍で 左の白色は駆逐艦「雪風」の錨



赤レンガ前の広場

アクセス

広島宇品港から江田島小用港まで高速艇で約25分

呉港中央桟橋から江田島小用港までフェリー約20分

江田島小用港から海上自衛隊の基地まではタクシーまたはバスで約7分

駐車場

基地内に見学者専用の駐車場あり



関連するホームページ

 海上自衛隊幹部候補生学校

 海上自衛隊第1術科学校


第1術科学校のHPの見学案内に見学に関する細部説明が掲載されています。

         風来坊


赤レンガ前の広場


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