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西側斜面からの境内の展望
塩船観音寺は多摩の静かな山並を背にしてツツジ、アジサイ、百日紅、萩、彼岸花、山茶花などが四季を通じて咲き誇り、花の寺として参詣者の目を楽しませてくれます。 特にツツジが有名で、4月中旬から5月中旬にかけて行われる「つつじまつり」には10万人を超える参詣者が訪れるそうです。
塩船観音寺は、京都市伏見区の醍醐寺を総本山とする、真言宗醍醐派の別格本山です。 大化年間(645年〜650年)に若狭の国の尼僧・八百比丘尼(やおびくに)が1寸8分の紫金の千手観音像を安置したのが開山と伝えられ、平安時代の貞観年間(859年〜877年)には、比叡山の僧・安然和尚が12の僧坊を建立して、興隆を極めたと伝えられています。
入り口付近からの境内の展望
正面広場からの境内の展望
観音寺は立地的に青梅街道にほど近く、南に行けば御岳山〜高尾山、大山へ、北に行けば子の権現〜高山不動〜秩父の観音霊場へと山岳信仰の修験行者の通り道であったと推察されています。 しかし、明治時代の神仏分離令、修験道の廃止麗などによって大打撃を受け、寺運は一時衰退しましたが、地域の有志の人々の手により山内が整備され、境内一面にツツジが植えられて復興を遂げたそうです。
塩船観音寺展望台からの光景
一望を見渡すことのできる鉢状の境内には、約15種類、1万7千本のつつじが植えられています。 早咲き、中咲き、遅咲きのツツジが、例年4月末から5月のゴールデンウィークに逐次ピークを迎えます。
上部散策路から西側斜面を望む
上部散策路から展望台方向を望む
赤、白、ピンクと色とりどりにつつじが咲き誇る5月3日の大祭には、真言宗修験道の紫燈護摩が焚かれ、山伏の行列、そして、真っ赤になった火の中を真言を唱えながら、火渡りの荒行が行われ、その壮大さは見事だといわれています。
今年は暖冬のため、つつじの開花も早いのではないかと思い、4月30日に訪ねました。塩船観音寺の「つつじまつり」の期間は、JR青梅線河辺駅北口から塩船観音寺入口まで臨時バスが運行されています。
斜面散策路から西側斜面を望む
JR河辺駅に着いたのが9時15分でしたが、JR立川駅から「ホリデー快速奥多摩3号」に乗車したためか、JR河辺駅で下車する人は殆どいませんでした。 また、バス乗り場で待っている人も数人程度でした。 バスはすぐ来ましたが、臨時バスのため、乗客が多くなるまで10分程度待ってから出発しました。
バス乗り場で切符を販売している多摩バスの関係者に尋ねたところ、現在7分咲き〜8分咲きで、見頃は5月3日〜5月5日だということでした。 本日乗客が少ないと思えば、やはり少し早かったようです。 最近は、皆さんインターネットでよく調べてから来られるようです。
斜面散策路から展望台方向を望む
斜面散策路から東側斜面を望む
観音寺入口のバス停から徒歩約7分で塩船観音寺です。 観音寺仁王門から、阿弥陀堂、本堂を経て境内に入ると一面のつつじが目に飛び込んできます。 すり鉢状の斜面に植えられた1万7千本のつつじのお出迎えです。 しかし、少し早いためか、やや緑が多いです。
斜面散策路から休憩所・東側斜面を望む
すり鉢状の斜面の一番高いところに散策路が設けられており、上からつつじを眺めながら、3/4周することができます。 一番奥の展望台からは富士山を望むことができます。 風来坊の訪問した日も富士山を見ることができましたが、やや霞がかかっておりデジカメでの撮影は無理でした。
また、すり鉢状の斜面には数多くの散策路が設定されており、散策路を歩きながら、さまざまな角度からつつじを眺めることができます。 画像のあちこちに人の姿を確認することができることと思います。
休憩所付近から東側斜面を望む
斜面散策路
また、すり鉢状の境内のちょうど底に当たる部分に休憩所があり、200名程度の人が座って休憩できるようベンチが準備されています。 このベンチに座ると、どちらを見上げてもつつじが眼前に広がるという素晴らしい眺めを味わうことができます。
休憩所付近から展望台方向を望む
休憩所付近から西側斜面を望む
ベンチの近くに売店がありますが、このベンチは売店利用者のためというのではなくて、誰でも気楽に座れるという点も素晴らしいです。
アクセス JR青梅線河辺駅から観音寺入口バス停までバスで10分 観音寺入口バス停から徒歩7分 JR青梅線河辺駅から約2Km 徒歩30分 駐車場 約200台駐車可能で料金は700円です。このほか付近に臨時駐車場があります。
斜面散策路の光景
開園時間&入山料 開園時間は午前8時から午後5時までで、入山料は大人300円、子供100円です。 関連するホームページ
塩船観音寺 風来坊