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京都御所一般公開 その2 (H19.10.31)


清涼殿 左が漢竹 右が呉竹



清涼殿 御帳台及び昼御座

清涼殿

「清涼殿」は、平安時代、天皇が日常の御生活の場として使用された御殿で、入母屋桧皮葺の寝殿造りです。

四方に廂(ひさし)を持ち、日常の御殿であるため内部は襖などによる間仕切りが多くなっています。


中央正面に御帳台が置かれ、御休息にあてられました。手前の厚畳は御坐で「昼御坐(ひるおまし)」といわれます。向かって右側に、夜御殿(御寝所)、左側に石灰壇(天皇が神宮や賢所を遥拝されたところ)があります。


清涼殿は清少納言の『枕草子』をはじめ、平安文学や古い絵巻にもしばしば描かれ、現存の清涼殿もこれらに酷似した様相を呈しております。

清涼殿の東側に広がる東庭には、殿前に2株の「呉竹(くれたけ)」「漢竹(かわたけ)」があり、『年中行事絵巻』などに描かれた平安の趣をそのままに伝えております。

現在の建物は平安時代のものより小さくなっていますが、比較的よく古制を伝えているといわれています。


小御所



小御所

小御所

「小御所」(こごしょ)は平安内裏にはなく、治承年間に源頼朝の世子の住居の呼称であったものを、建長3年(1251年)の再建時に内裏にも採り入れ、造営したものです。

紫宸殿の東北に建ち、時代とともに実用を離れて儀礼化する紫宸殿や清涼殿に代わり、小御所は東宮御元服、立太子など皇太子の儀式などに用いられ、「御元服御殿」とも呼ばれています。


また、年始御礼、御楽始め、和歌御会始めなどのいろいろな儀式や、江戸時代には幕府の使者や所司代の拝謁も行われました。

慶応3年(1867年)12月9日の王政復古の大号令が発せられた夜、有名な「小御所会議」が天皇出御のもとに、この御殿で開かれました。

建物は寝殿造りから書院造りへ移行する時期の建築様式とされており、両様式が織り交ざっています。


御池庭



御池庭

御池庭

小御所の東側には回遊式庭園の「御池庭」があります。

前面は州浜で、その中に舟着への飛び石を置いています。

右手に欅橋が架かり、対岸には樹木を配し、苑路を廻りながらさまざまな景色を楽しむことができます。

一般公開では苑路への立ち入りはできません。



小御所と御学問所


蹴鞠の庭

「蹴鞠の庭」は、小御所と御学問所の間の小庭をいいます。

貴族たちが、鹿皮で作った鞠を地面に落とさないように蹴って遊んだといわれています。


蹴鞠の庭



御学問所

御学問所

「御学問所」は小御所の北側にあり、桧皮葺き、入母屋屋根で外観は小御所と同じ様式ですが、引き違いの舞良戸を用い、上部に欄間を施した外観は、より書院造りに近いといわれています。

御学問所は天皇の御学問のための建物として、慶長年間に建てられましたが、専ら親王宣下、新茶封切、月例の和歌の会、摂家親王の謁見などの儀式場として使用されました。



御常御殿と壺庭の紅梅、白梅


御常御殿

御学問所の北側に位置する御常御殿は、御所の中で最も大きな御殿で、常御所ともいわれ、天皇の日常の御座所として用いられました。

天皇の御座所としては、古くは仁寿殿を、その後は清涼殿があてられましたが、清涼殿が儀式化して日常生活に供せられなくなるに伴い、豊臣秀吉の行った天正の造営を機に、御常御殿は平安の様式を脱皮して、別棟として建築されるに至りました。


御常御殿の東側の部屋



御常御殿の東側の部屋


御常御殿



御常御殿(右側)と御三間(前方)

御常御殿の外観は寝殿造りの色彩が濃いですが、15室からなる御殿の内側は実用を重んじ、書院造りの手法が数多く採り入れられるとともに、15室を東西3列に配した機能的な構造となっています。



南側には上段の間、中段の間、下段の間があり、これら3室では天杯の下賜、古書初、摂家参賀などの公式行事が行われました。

各部屋の間には襖を用いず、段違いの無目敷居で仕切っています。


御常御殿右から上段の間、中段の間、下段の間



御内庭と茶室

御常御殿には庭園が二つあります。一つは南面にある紅梅、白梅が植えられている「壺庭」です。

もう一つは東面にある寝殿造りの様の遣水形式を採り入れた「流れの庭」で、通常、「御内庭」(ごないてい)と呼ばれています。

庭園の東の奥の築山には「錦石」という四畳半の茶室があります。



御常御殿


御三間


御三間

御常御殿の南西に接して「御三間」(おみま)があります。

上段、中段、下段の三室よりなる建物で、南と北には御縁座敷があります。

御三間では茅輪、御玄猪の儀式のあとに杯を賜ったり、七夕、盂蘭盆などの儀式が行われたほか、内々のご対面にも用いられたようです。


御三間



アクセス

京都市営地下鉄烏丸線今出川駅から徒歩5分



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清所門


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