散策スポット目次
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中央広場
キリシマツツジ古木群
「咲き誇る花の名所を訪ねて(足利の藤、館林のつつじ)」というキャッチフレーズで、4月29日〜5月1日の間、東急田園都市線中央林間から、東武伊勢崎線の館林、足利、太田まで直通臨時電車「フラワーエキスプレス」を運行するとの宣伝がされていました。 風来坊、これまで渋滞に悩まされながら自家用車で訪ねていましたが、今年のゴールデンウィークは大型であり、従来以上の渋滞が予想されることからフラワーエキスプレスで館林を訪ねました。
名勝指定区域中央部付近
つつじが岡公園一帯は、古来から山ツツジが自生し、つつじが崎と呼ばれていました。伝説によれば、慶長10年(1605年)近世初代館林城主榊原康政が、側室「お辻の方」をしのびヤマツツジを植えたと伝えられています。 園内には樹齢800年を超えるヤマツツジに加え、新田義貞の妻「勾当の内侍」遺愛のツツジなど、歴代城主、篤志家・自治体によって保護増殖が図られています。
現在、園内には、50余品種・約1万株のツツジが植裁されており、世界に誇るツツジの名園として国内外に知られています。 江戸の世より花見客で賑わったつつじが岡公園へは、4月上旬から5月上旬にかけての花期になると、今なお40万人以上の人々が、全国各地から訪れ、公園は人で埋まります。
キリシマツツジ
つつじが岡公園中央広場 バスツアーの記念写真撮影場所
見学コース入口のツツジのトンネル
4月下旬から5月上旬の花盛りになると、朱紅色のヤマツツジ、紫紅色のオオヤマツツジ、真っ赤な本霧島、白色の白霧島、白琉球などが咲きそろい、園内はまるで燃ゆるがごときの壮観を極め、その景観は筆舌に尽し難く、ただただ訪れる人たちを驚かせます。
つつじが岡公園の正門入口から30mほど進んだ左手が中央広場です。 記念撮影の場所になっており、バスツアーの観光客が次から次へと到着します。 その隣には個人用の写真撮影場所が準備されており、ボランティアの方々がカメラのシャッターを押してくれます。 中央広場の景観は圧倒されるものがありますが、ひっきりなしの記念撮影のため、見事な景観を正面からお届けできないのが残念です。
ヤマツツジの巨木
ヤマツツジ
樹齢800年を超えるヤマツツジ
中央広場の右手にあるツツジのトンネルが見学コースのスタート地点です。 ツツジのトンネルの中程から右に曲がって少し進んだところが、国の名勝に指定されている区域の中央部になります。 ヤマツツジやキリシマツツジの古木が数多く植えられているところで、色の異なるつつじが咲き誇っています。
展望台からの景観
展望台からの景観 右は城沼
日本には各地にツツジの名所がありますが、つつじが岡公園のツツジは、次の6つの特徴があります。 こうした特徴から、世界にほこる日本一のツツジの名園ということができます。 特徴1:樹齢800年を超えるヤマツツジの巨樹群が、自然形のままで保存されています。(歴史的な価値)
つつじが岡公園には、古代から自生していたヤマツツジと、城主が他より移植したヤマツツジを加え、これらの樹齢800年を超える巨樹群が、今なお自然形のままで生長し続けています。 樹齢や樹形上からもまさに日本一の風格を備えたツツジと言えます。風雪に耐え、生き続けるヤマツツジの巨樹群は、花見客の絶賛を浴びています。
散策路から展望台方向を望む
散策路から城沼を望む
散策路の景観
展望台南側エリア
特徴2:日本における園芸ツツジ栽培史上、特記すべき江戸キリシマ古木群が多数保存されています。(品種上からの価値) 江戸末期の文化から天保にかけて、江戸大久保のツツジが有名であったことは広く知られています。 その最盛期には、花の種類も70余種にも及んだと言われています。 これらのツツジは、明治から大正にかけて、大久保の復興した各つつじ園に残されていたものと考えられています。
特に古来より有名であり、珍重されてきた江戸キリシマ(江戸で生産されていたキリシマツツジの総称名)系の本霧島や紅霧島などの品種が、殆ど含まれていたものと思われます。 大正4年5月、館林町有志杉本八代氏は、ツツジの名所ここ大久保萬花園より、本霧島、紅霧島、白霧島など多数の江戸キリシマ系の品種を主に購入し、つつじが岡公園に寄付しました。
躑躅が岡公園の標柱もツツジの影に
オオムラサキ
このツツジは、現在、樹齢100年の大株となり、良好な状態で新公園に保存されています。 このように多数の江戸キリシマ系の品種を大株で保存しているつつじ公園は、日本のどのつつじ公園にも見ることができません。 江戸キリシマ系の品種を研究する上からも極めて大切なツツジであり長く保存しなければなりません。
特徴3:歴代城主から現在まで保護育成が図られています。(永続的な管理) 古代よりつつじが崎に自生していたヤマツツジ群と、歴代城主が、各地より移植したツツジは、明治以降もツツジ保護のため手厚い育成管理が継続して行われてきました。 現在は古木ツツジが多いため、近代技術を施した肥培管理が、一株一株に実施されており、こうしたことは他に類がありません。
散策路の途中にもトンネルが
オオヤマツツジ(?)
特徴4:学者等が日本一、世界一の折り紙をつけました。 昭和52年4月28日、アメリカのツツジ・シャクナゲ協会長デビット・リーチ氏が来園し、世界一の折り紙をつけました。
また、昭和56年3月、東京大学理学部教授理学博士山崎敬氏は、「館林のツツジの価値は、花期の美しさはもちろんですが、盛衰はあっても、数百年にわたって、日本の園芸ツツジの発展と期を同じくして、連綿と栽培されてきたことです。 これは周辺の多くの人々の協力があってこそ出来ることで、日本の園芸植物では他に見られない特徴で、おそらく世界的にも例のないことと思います。」と言葉を寄せています。
特徴5:国際花と緑の博覧会で最高の「名誉賞」を受賞し、日本一の折り紙がつけられました。 平成2年4月より開かれた国際花と緑の博覧会に、館林市より推定樹齢450年の桔梗咲き霧島古木2株を出品しました。 このツツジは世界53か国、出品数6,507点の中から「ツツジの大きさ」「咲かせた技術」「優れた景観」等の点が他に類が稀であると最高の「名誉賞」に輝きました。
特徴6世界初の宇宙ツツジが生育しています。 館林市出身の宇宙飛行士向井千秋さんの乗ったスペースシャトル「コロンビア」が、日本時間の平成6年7月9日、米国のケネディ宇宙センターから打ち上げられました。 この時、搭載された市の花ヤマツツジなどが、大きな夢を秘めて、順調に生育しています。世界で初めての宇宙ツツジが生育していることは、日本一のツツジの名園に、新たな夢と感動を与えています。
アクセス 館林駅から料金200円のシャトルバスが運行されています。 タクシーは行きが900円、帰りが800円の固定料金制です。賃走1060円程度。 タクシーは裏道が確保されており、10分程度で会場入口まで到着します。シャトルバスは狭い裏道の運行は困難で、また渋滞を避けるため会場入口から少し離れた場所が乗り降り場所になっているようです。断然タクシーがお勧めです。
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