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城山カタクリの里 (H23.3.29&4.5)


山の斜面に群生するカタクリ



山の斜面に群生するカタクリ



カタクリ

城山カタクリの里は、相模原市緑区川尻4307(旧城山町川尻字小野)にある個人所有の山林で、カタクリの咲く春のみ一般公開されます。

山林の北斜面3000平方メートルに30万株のカタクリが自生し、南関東随一の群生地として知られています。


城山カタクリの里は、昭和50年頃から、所有者の小林一章氏がカタクリの自生地保護を始め、増植に努力を重ねたものです。

株と株の間が狭く密生度が高いので、愛好家の間でも大変人気があり、開花シーズンにはカメラ片手に、多くの人が訪れる花の名所です。

「神奈川花の名所100選」にも選ばれています。


カタクリ



山の斜面に群生するカタクリ



群生するカタクリ



群生するカタクリ

山林への入口に、花守人の小林一章さんが書かれた「カタクリの由来」が掲示されていました。

かたくりの花咲き遠嶺雪きゆる

ここは城山町川尻字小野といいます。このカタクリは大昔よりこの地にひっそりと長い間風雪に耐えて生き続けて今日に至りました。

ふた昔前より見事な群落を形成、その面積は1500平方メートルに達し、今も密度と領域を拡げつつあります。これからも一生懸命増やしたいと思います。どうか皆さんも是非可愛がって下さい。


ここのカタクリは、言い伝えによると万葉集の歌人、小野小町が東北よりこの地に移し植えた由、小野小町にちなみここが小野という地名になりました。

かたくりの一つの花の花盛り

山すそにつみてかなしもひと茎にひとつ花咲くかたくりの花


カタクリ



カタクリ


カタクリ



カタクリ

カタクリはユリ科の多年草で、北海道や本州の北中部の山野に自生しています。

葉は一対、楕円形でつやがあり薄い紫色の斑紋があります。

早春、その葉の間から花軸が15センチほど伸びて、その先にうつむいたような薄紫色の六弁花が1個咲きます。



カタクリ


種子にはアリが好むエライオソームという物質が付いており、アリに拾われることによって生育地を広げていきます。スミレと同様です。

発芽1年目の個体は細い糸状の葉を、2年目から7〜8年程度までは卵状楕円形の一枚の葉だけで過ごし、鱗茎が大きくなり、2枚目の葉が出てから花をつけます。


カタクリ



カタクリ


カタクリ


このように、カタクリは実生苗から有花個体になるまで7〜8年を要し、花を咲かせるまでには非常に長い準備期間が必要です。

花を咲かせた後も長く生き続け、環境さえ良ければ数年連続して花を咲かせるとのことです。



カタクリの地下茎からとるデンプンが片栗粉です。

白い良質のデンプンで、料理に使ったり、湯でといて飲みますが、現在は、ほとんどがジャガイモから作られています。


カタクリの花は、良く晴れた日に咲き、花びらは開いて反り返り、かごを傾けたように見えることから古くは「堅香子(かたかご)」と呼ばれていました。

万葉集に大伴家持の詠んだ歌があります。

もののふの 八十乙女らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子の花




キバナカタクリ


この歌が詠まれた天平勝宝2年(750年)3月には、大伴家持は越中の国(富山県)に越中守として赴任中でした。

都を遠く離れた北国での春の訪れは、家持にとって大きな喜びだったのでしょう。

かたかごの花の可憐な美しさに、少女たちの様子が思い浮かびます。

富山県高岡市は「カタカゴ」の名でカタクリを市の花に指定しています。


キバナカタクリ



白いカタクリ



白いカタクリ

カタクリの里では、珍しいキバナカタクリや白いカタクリの花も見ることができます。

キバナカタクリは見頃が4月中旬と開花の時期が遅く、カタクリの見頃の時期に訪ねるとなかなか会えないようです。

今年は全体的に花の開花が遅く、キバナカタクリは4月5日に1輪のみ咲いていました。

ラッキーでした。



白いカタクリ


白いカタクリ


カタクリの里の花たち


セツブンソウ


カタクリの里にはカタクリ以外の花も沢山咲いています。

なだらかな山の斜面を登りながら、カタクリとともに春の花を楽しむことができます。


キクザキイチゲ



ショウジョウバカマ


サクラゲンカイツツジ



シラネアオイ


セツブンソウ



コシノコバイモソウ


ヒュウガミズキ



フクジュソウ

アクセス

JR横浜線・相模線、京王線「橋本駅」北口より「三ヶ木」行きバス(橋01系統)に乗車し、「城山総合事務所入口」で下車して、徒歩20分です。

バスは10分程度の間隔で運行されています。



ミツマタ


ミツマタ



サクラ


ムラサキナハハ



イワカガミ


また、見頃の時期には、橋本駅北口から「城山カタクリの里」への臨時直通バスが運行されます。

今年は3月18日(金)から4月10日(日)まで運行されました。

行き:橋本駅北口発 午前8時30分から午後2時まで30分間隔

帰り:カタクリの里発 午前11時から午後4時30分まで30分間隔

運賃:片道220円


ユキワリソウ



イワカガミ


ユキワリソウ



キブシ


ヒカゲツツジ



アセビ


アセビ



ヒメコブシ

開園期間
カタクリの時期のみ一般公開されます。
今年は3月12日(土)から4月17日(日)までです。(3月第2土曜日から4月第3日曜日まで)

入園料
500円(ただし開花状況により安くなります)

関連のホームページ

 城山カタクリの里

      風来坊


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