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第11回川崎大師風鈴市 その1 (H18.7.20)


川崎大師・厄除だるま風鈴



10時頃の川崎大師仲見世は閑散としています


売り声も なくて買い手の 数あるは

 音にしらるる 風鈴の徳


江戸時代の末期、江戸風鈴の涼やかな音が一世を風靡しました。

天秤に沢山の風鈴をぶら下げ、江戸八百八町を売り歩いた風鈴売りたち・・・



彼らは物売りには珍しく売り声をあげることはまずなかったと言われています。

売り物の風鈴がそよ風を受けて軽やかな響きを奏でれば、それにまさる売り声はなかったからでしょう。

狂歌から当時の様子が偲ばれます。



10時頃の川崎大師仲見世は閑散としています



川崎大師・厄除だるま風鈴


川崎大師・厄除だるま風鈴



風鈴市会場は開店直後から賑わいを見せています


チリン、チリン・・・・・凛と響く音色が、涼を運びます。


風情、風雅、風趣という言葉もある通り、世界広しといえども「風」の愛でる心を持つのは日本人だけかも知れません。

中でも、風を音に変えて、その風情を楽しむ風鈴は、まさに日本人ならではの楽しみといえるでしょう。



川崎大師の夏の風物詩である「風鈴市」が、今年も7月19日(水)から23日(日)までの5日間、境内特設会場(大山門横静嘉堂石庭前広場)で開催されました。

「川崎大師風鈴市」は、日本各地の特色ある風鈴を、市民の皆さんに楽しんでもらおうとして始まったものです。


午後には大混雑です



創作ガラス風鈴(神奈川)



創作ガラス風鈴(神奈川)


「川崎大師風鈴市」は、毎年7月21日を中心として開催されており、今年で11回目です。

今年も、北は北海道から南は沖縄まで、全国47都道府県より、760種類、24000個の風鈴が一堂に集められていました。



川崎大師オリジナルの「厄除だるま風鈴」、有名な南部風鈴、江戸風鈴をはじめ、金属、陶器、ガラスはもちろんのこと、石や炭、さらにはプラチナ、金、銀、水晶で出来た珍しい風鈴が勢揃いして、お国自慢の涼やかな音色を境内いっぱいに鳴り響きかせていました。


大阪被せガラス風鈴(大阪)



諏訪ガラス風鈴(長野)


かも風鈴(静岡)



竹千筋風鈴(静岡)

「川崎大師風鈴市」は年々盛況を呈しており、現在では約30万人の人出があるとのことです。

風鈴市はやはり風鈴を買い求めに来るお客さんが大部分です。

しかし、様々な色や形、音色があるので、目移りして迷ってしまうようです。風鈴の音を確かめながら、ご主人や友人と相談しながら、風鈴選びを楽しんでおりました。

風鈴の値段は、2000円〜3000円程度ですが、30万円する金の風鈴も販売されていました。


「厄除だるま風鈴」は、味わいのあるお顔が人気です。

この「厄除だるま風鈴」は、「川崎大師風鈴市」のオリジナル風鈴として、江戸風鈴の第一人者である篠原正義氏によって製作されたガラス風鈴です。

今年も7月20日(木)、21日(金)には、「川崎大師オリジナル『厄除だるま風鈴』(素通し)をお求めになった方、各日先着300名様に限り、あなたのお名前をその風鈴にお入れいたします」というイベントが開催されていました。


かも風鈴(静岡)・砥部焼風鈴(愛媛)



花笠風鈴(青森)



御殿まり風鈴(秋田)

会場での名入れサービスを行っているのが、江戸風鈴の篠原風鈴本舗の篠原さんです。

遠く江戸時代からの技法を今に伝える職人さんです。江戸風鈴は、熟練した職人による吹き硝子手作り風鈴です。

金魚などの夏らしい絵柄を、内側から描いているのが特徴です。

また、切り口(風鈴の底部)はギザギザになっており、当たるところにより異なる音色を奏でるということで、毎年大人気です。



会場での名入れも風鈴の内側に名前を書き込みます。

したがって、名前を入れてもらう風鈴は、川崎大師オリジナルの「厄除だるま風鈴」とは少し異なる、風鈴に模様のない空白部分がある「だるま江戸風鈴」(「川崎大師オリジナル『厄除だるま風鈴』(素通し)」)です。


外側からみて正しく文字になるよう、内側に逆文字を書き込まなければならないから、相当の技術を要します。


江戸風鈴・篠原風鈴本舗の篠原さん



だるま江戸風鈴


ふぐ風鈴(山口)



江戸風鈴(東京)

江戸風鈴

江戸風鈴は職人による吹き硝子手作り風鈴です。

金魚・朝顔などの夏らしい絵柄を内側から描いているのが特徴です。

江戸風鈴の丸形は、下の口の部分がギザギザに作られており、ふり管が触れるだけで音が出ます。実は、これが江戸風鈴の涼やかな音の秘密です。

形もかわいらしく小さなお子さんにも人気のある、日本の夏を代表する風鈴です。


南部風鈴

平泉の藤原三代の歴史を持つ岩手には南部鉄器の約900年に及ぶ歴史があります。

風鈴が製造されはじめたのは昭和40年頃からですが、その独特の余韻のある澄んだ音色が愛され、日本国内だけでなく広く海外にまで広がっています。

古き良き時代の息づかいを伝える南部風鈴の澄みわたる調べは「残したい日本の音百選(環境庁)」に選ばれています。


清水焼風鈴(京都)



南部風鈴(岩手)



伊万里焼風鈴(佐賀)


瀬戸風鈴


愛知県瀬戸地方は粘土が豊富にあり、高い技術力を持った陶工が多い地域です。

通説によると瀬戸の領土を発見した陶祖は、加藤四郎左衛門景正と言われています。

瀬戸風鈴は、デザインの豊富さと音色で若い人達にも人気があります。



卍風鈴(鹿児島)


瑠璃風鈴(奈良)



琉球ガラス風鈴

琉球ガラスは明治時代に始まり、戦後本格的に色付きの硝子製品が作られるようになりました。

深みのある赤やあい色そして碧など、数ある風鈴のなかでもひときわ個性を発揮している南国情緒あふれる風鈴です。

沖縄びーどろ風鈴(沖縄)



太田川ガラス風鈴(広島)


プラチナの風鈴・金の風鈴・銀の風鈴


特別出品の風鈴です。

プラチナの風鈴は純度75%で43万円だそうです。

金の風鈴は18金で30万円です。

銀の風鈴は純度92.5%で、だるまトンボ風鈴が3万円、コウノトリが2万円、ツリガネタイプが1万3千円です。



プラチナの風鈴(43万円)


金のだるま風鈴(30万円)



プラチナと金の風鈴に価格には、見る人も「ほーっ」とため息。


音色も気品ある優雅な音色でした。

テレビで放映されたようで、「テレビで見た風鈴だ」という声が盛んに聞こえてきました。

果たしてこの風鈴は売れるのでしょうか?


山形風鈴(山形)



別府竹風鈴(大分)



川崎大師やくよけ風鈴市音頭


川崎大師やくよけ風鈴市音頭


風鈴市に花を添えるため、大師地区町内会踊り子連約500名による、「川崎大師やくよけ風鈴市音頭」「川崎大師風鈴市祝い唄」の踊り練り込みが、境内に賑やかに繰りひろげられます。

今年も7月20日と23日に行われたそうです。




「川崎大師やくよけ風鈴市音頭」はアントニオ古賀作曲で島倉千代子の歌だそうです。

風来坊が見学に行った20日も、境内では有志の方が昼間から踊りを披露して、会場の雰囲気を盛り上げておりました。



風鈴市は浴衣が似合います



江戸風鈴(東京)


丸亀エコがらす風鈴(香川)



安曇野ガラス風鈴(長野)


アクセス


京浜急行川崎駅で京急大師線に乗車し、川崎大師駅で下車。徒歩10分。

JR川崎駅前から大師行きバスに乗車し川崎大師駅下車。徒歩10分。

駐車場

普通乗用車800台 3時間まで500円。以後1時間毎に300円

駐車場から徒歩10分。



関連するホームページ

 川崎大師

 川崎大師タウンネット

         風来坊


 風鈴市その2(各地の風鈴)

 風鈴市その3(各地の風鈴・各種の風鈴)


どさんこ風鈴(北海道)




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