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養殖筏の並ぶ宇和海を見下ろす段畑
マルチの黒い模様
耕して天に至る段々畑。 段畑の上からみると、美しい宇和海には、島々や、鯛やハマチの養殖筏が並び、まさに絶景です。 この段畑のある風景は「日本農村百景」に選ばれています。 宇和海に続く急峻な山に作られた段畑は、50段ほどにもなるでしょうか、丁寧に石を積み上げ、美しい曲線を描いています。
作物は、11月に植えつけ4月に収穫するジャガイモと、6月に植え10月に掘るサツマイモの二毛作だそうです。 この段畑で作られたジャガイモは、早掘りで、とびきり美味しいそうです。 石垣の石が太陽に温められ地熱の保温が抜群なのと水はけが良いからでしょう。 例年4月の初めの日曜日には「だんだん祭り」が行われ、収穫したばかりのジャガイモの販売もされます。
1メートル幅の土地も丁寧に作付け
ジャガイモの芽が出るとマルチに穴を開けます
例年だと1月の終わり頃には青々と成長しているのですが、今年は植え付け以来の猛烈な寒波で成長が遅れています。 この段畑は江戸時代末期頃から始められたようですが、初めは山を削ってサツマイモを植えていたとか。
雨が降れば畑土が流されるので、石を積み上げるようになったのですが、それは生易しいものではなかったようです。 足りない石は浜から運び上げ、家族で力を合わせて積み上げたとか。 また、草が生えると石垣を壊されるので、草取りが欠かせません。 さらに、無造作に踏むことも石垣破壊になります。
太陽を浴びて次第に成長
ジャガイモの成長にはばらつきがありました
一枚の畑がとっても狭いうえに、全てが手間の掛かる手作業です。人々が収入の多い養殖業に移っていって、人手が少なくなった今では、段畑の多くの区画は「オーナー制」になっているようです。 マルチからの芽出しの作業をしていた方お二人に聞きましたが、お二人ともサラリーマンで、土・日に作業に来ているとのことでした。
段畑
この美しい段畑の景観を守るための多くの方のご努力がしのばれます。 心から「残しておきたい風景」だと思います。 今では、この景観を見にカメラマンや観光客が訪れているようですが、どうか、畑に入ったりして繊細な美しい段畑を踏み潰さないよう、大切に守っていただきたいと願っています。 麗
養殖筏と餌やりの船
宇和島と遊子を結ぶ定期船が入ってきました