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イタリアのクリスマス
クリスマス! 日本では家族と過ごすクリスマスというよりも、カップルで過ごす年末の一大イベントというイメージが浸透しているようですが、実はこれは日本だけなのです。 そもそもクリスマスは、イエス・キリストの誕生を祝うキリスト教のお祭りのことです。 キリスト教徒の多いヨーロッパでは、昔から宗教行事としてクリスマスを祝ってきています。
クリスマスイブからクリスマス当日にかけてお祝いする国が多いようです。 ミサでお祈りをしたり、家族とクリスマスディナーを囲んで過ごしたり・・・・・このような素朴なクリスマスが一般的なようです。 聖なる夜はファミリーで静かに祝うというのが欧米のクリスマスで、日本のお正月の雰囲気といえるかもしれません。
室内の飾り付け
こうした世界のクリスマスの様子を楽しむことができるのが、毎年横浜山手西洋館で開催されている「世界のクリスマス」です。 今年も12月1日〜12月25日の間、「世界のクリスマス2007」が開催されました。横浜の年末の風物詩といえるものです。 今年は横浜山手西洋館7館とテニス発祥記念館、山手68番館の合計9館で、昨年の8館にテニス発祥記念館が追加されました。
開館時間は9時30分〜17時ですが、12月22日〜24日の3日間は9時30分〜19時です。 また、12月1日〜24日の間は、日没から22時までイルミネーションが点灯されます。 今年は12月10日(昼)と12月23日(夜)の2回訪ねました。 12月23日の夜間の光景を主体にレポートします。 12月23日はクリスマス前の土曜日ということもあり、大変な混雑でした。
「山手西洋館 世界のクリスマス2007」は、港の見える丘公園の山手111番館、イギリス館からスタートする方法と、逆方向となるJR根岸線石川町駅に近いブラフ18番館、外交官の家からスタートする方法があります。 今年は港の見える丘公園の山手111番館からスタートしました。
山手111番館は、「イタリアのクリスマス」で、「ナレータ 静けさと賑わい」がテーマです。 カトリック教徒の多いイタリアのクリスマスが演出されています。 厳かな協会、明るい町並み、温かい家庭・・・・それぞれのクリスマスの様子を楽しむことができます。
山手111番館
山手111番館は、J.H.モーガンの設計により、大正15年(1926年)アメリカ人 J.E. ラフィン氏の住宅として現在地に建てられました。 赤瓦の屋根と白い壁が美しいスパニッシュ・スタイルの洋館で、平成11年横浜市指定文化財に指定されました。 5月と10月には、館の周りは色とりどりの美しいバラで彩られます。喫茶室があります。
イギリスのクリスマス
イギリス館は、もちろん「イギリスのクリスマス」で、今年のテーマは「Bay Chic Christmas Bay」です。 イギリス館という名前のとおり、イギリスの伝統を感じさせる横浜山手の街にふさわしい、シックでベーシックなクリスマスが演出されています。
クリスマスツリーはドイツが発祥の地ですが、イギリスでも王族の結婚などでドイツの伝統や入るようになった19世紀には盛んに飾られるようになったようです。 ヴィクトリア女王が家族に恵まれ、ツリーを飾りクリスマスをお祝いする幸せそうな姿が当時のトレンドとなり、英国社交界に広まったのがイギリスのクリスマスツリーの最初のようです。 大きなクリスマスツリーは幸せのシンボル。ここでの時間は家族の笑え声が絶えません。
イギリス館は、昭和12年に英国総領事公邸として現在地に建てられました。 鉄筋コンクリート2階建てで、広い敷地と建物規模は、東アジアにある領事公邸の中でも、上位に格付けされていました。
室内の飾り付け(階段部分)
玄関脇にはめ込まれた王冠入りの銘版(ジョージY世の時代)や、正面脇の銅板(British Consular Residence)が、旧英国総領事公邸であった由緒を示しています。 昭和44年(1969年)に横浜市が取得し、1階ホールはコンサートに、2階集会室は会議等に利用されています。
平成2年に横浜市指定文化財に指定されました。 平成14年にリニューアルを行い資料展示室等が設けられ、一般見学できるようになりました。 建物の周りにはローズガーデンも整備され、バラの季節には特に美しい景観が楽しめます。
イギリス館
ブルガリアのクリスマス
山手234番館は、「ブルガリアのクリスマス」で、「家庭で祝う伝統的なクリスマス」がテーマです。 時代の流れの中でひっそりと伝えられてきた特色のあるブルガリアの家庭のクリスマスイブの様子が紹介されています。
山手234番館は、昭和2年頃に外国人向けの共同住宅(アパートメントハウス)として、民間業者によって建設されました。 関東大震災により横浜を離れた外国人に戻ってもらうための復興事業の一つとして建てられ、設計者は、隣接する山手89−6番館も設計した朝香吉蔵です。
ブルガリアの人形
ブルガリア
建設当初の施設は、4つの同一形式の住宅が中央の玄関ポーチを挟んで、左右対称に向かい合い、上下に重なる構成になっていました。 また、各住戸の3LDKの間取りは、合理的かつコンパクトにまとめられ、往時の「モダン」な生活様式が伺えます。 また、洋風住宅の標準的な要素である上げ下げ窓やよろい戸、煙突などが、簡素な仕様で採用されており、震災後の洋風住宅意匠の典型といえます。
平成元年に横浜市が歴史的景観の保全を目的に取得しました。平成9年から保全改修工事を行い、平成11年から一般公開しています。 1階は山手の総合案内所になっており、山手の移り変わりの資料などが展示されております。 2階は展示や会議に使用されています。横浜市認定歴史的建造物に指定されております。
山手234番館
アイルランドのクリスマス
ベーリック・ホールは、「フランスのクリスマス」で、「150年前に想いをよせて」がテーマです。 150年前には今のようなクリスマスを祝う習慣はありませんでしたが・・・・・オペラ座等々の、この時代に生まれた多くのものに想いを寄せて装飾されています。
ベーリック・ホール(旧ベーリック邸)は、旧山手居留地の中心部、エリスマン邸のすぐ隣りに建つ、明るいベージュ色の外壁をした大きな西洋館です。 横浜山手に現存する山手外国人住宅の中で、もっとも規模が大きく、建築的にも内容が充実した横浜山手を代表する歴史的建造物です。
昭和5年(1930年)、イギリス人貿易商B.R.ベーリック氏の邸宅として、アメリカ人建築家J.H.モーガンの設計により建造されました。 600坪の敷地に建つベーリック・ホールは、木造2階建て、地下部分は鉄筋コンクリート造りで、スパニッシュ・スタイルを基調にしてデザインされています。
東西に長い敷地にあわせて建物も東西に長い形をしており、前面の南側には庭が広がっております。 平成13年(2001年)、建物が所在する用地を元町公園の拡張区域として買収するとともに、建物については宗教法人カトリック・マリア会から寄付を受け、復元・改修等の工事を経て、平成14年(2002年)7月から建物と庭園を公開しています。
アイルランドの人形
エリスマン邸
アクセス 山手111番館、イギリス館:みなとみらい線元町駅から徒歩約10分 外交官の家、ブラフ18番館:JR根岸線石川町駅から徒歩約5分 入館料 無料です。