散策スポット・北海道東北

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六義園  (H16.5.29)



六義園入口の休憩所



六義園は元禄15年(1702年)武州川越藩主・柳沢出羽守吉保が築造した庭園で、江戸の大名庭園のなかで現存する屈指の名園といわれております。

昭和28年(1953年)4月に、国の特別名勝に指定されています。



庭園の形式は江戸時代の庭園にみられる「回遊式築山泉水庭」と呼ばれるものです。


庭園の中央に池を設け、中島を置き、島に妹背山があり、東南部に平坦な芝生、その他の部分には大小多数の築山が起伏し、庭園の北部に最大の築山藤代峠を設けています。



田鶴橋


田鶴橋近傍からの展望



また、各所に桃の茶屋、滝口の茶屋、吟花亭、熱海の茶屋、つつじの茶屋、芦辺の茶屋等のあづまやを配しています。



また、この庭園の作庭については、吉保自身の培った文芸趣味の思想に基づき、自ら設計指揮をして、7年余りの歳月を費やして、池を掘り、山を築き、流れを見せて、紀州和歌の景勝を、あるいは「万葉集」や「古今集」から名勝を選び、園内に八十八景を写し出すという構成となっています。

芝生から蓬莱島を望む


玉藻の磯付近



「六義園」の名称は、中国の古い書物である「毛詩」の詩の六義、すなわち賦・比・興・風・雅・頌の六義に由来する和歌の六体によるものです。


「六義園」を「むくさのその」と呼ばせ、館を「六義館」と書いて「むくさのたち」と読ませています。



このような庭園も吉保が没した後は荒れる一方でしたが、明治時代に入って、三菱の創業者である岩崎彌太郎の別邸となり、再び昔の美しさを取り戻しました。

昭和13年(1938年)に岩崎家から庭園を中心とした3万坪余を市民の鑑賞・休養の地として、東京市に寄贈され、今日に至っています。


吹上浜からの展望


白鴎橋からの展望


シダレザクラ

庭園の中心部に入るための内庭大門をくぐると、シダレザクラの大木があります。

このシダレザクラは、高さ約13m、幅約17mで、「エドヒガン」という品種が変化したものだそうです。

戦後に植栽されてから、50年以上を経過しています。


開花は「ソメイヨシノ」よりもやや早く、3月下旬だそうです。

満開の時期は、枝いっぱいに見事な花を咲かせた薄紅色の滝のような姿は圧巻だそうです。

残念ながら葉桜ですが、その様子を推察してください。


シダレザクラ


出汐の港からの展望


出汐の湊

シダレザクラを後にして中に入ると、眼前に池が広がります。この最初の池畔が、「出汐の湊」と呼ばれる展望の良い眺めの良いところです。

右手に中の島を、左手には蓬莱島が、そして対岸には吹上茶屋が見えております。


滝見の茶屋


昼なお暗い茂みの中を渓流が走り、岩の間から落ちて水しぶきをあげています。

あづまやからは、滝や石組みなどの景観や水音を楽しむことができます。

この滝は以前、千川上水の水を引いておりましたが、地下鉄の工事によって断水し、現在は井戸水によって維持されています。


滝見の茶屋


枕流洞と水分石


枕流洞と水分石


枕流洞(まくらながしどう)は洞のある枕のような石なので、中国の「漱石枕流」の故事により名付けられています。

水分石(みずわけいし)については「六義園記」に「水を三つに分けたる石なり、東山殿の図にも水分石といえる石あり」と記されているようです。


写真の左側が枕流洞、その右が水分石です。


つつじ茶屋

明治年間、岩崎氏の代に、つつじの古木材を用いて建てられたものです。

このあづまやは、幸いにも戦災を免れ、現代にその希少な姿を伝えています。

もみじの紅葉が見事だそうです。


つつじ茶屋


藤代峠からの展望


藤代峠

池続きの水路に囲まれたこの庭園で一番高い築山です。

標高は35mで、その
頂は「富士見山」と呼ばれ、そこからは素晴らしい展望が開けています。

紀州
の同名の峠から名付けられたものです。


紀ノ川

中の島の妹背山の北側の泉水が紀ノ川です。

和歌の浦に流れる紀ノ川(和歌山県)から名付けられています。

前方の橋が田鶴橋で、その右が中島です。


紀ノ川


田鶴橋から紀ノ川を望む


アクセス&入園料

JR駒込駅または東京メトロ南北線駒込駅から徒歩7分

都営地下鉄三田線千石駅から徒歩10分

駐車場はありません。

入園料:300円


              風来坊

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