上野恩賜公園は人の波です
上野恩賜公園は明治6年の太政官布達によって、芝、浅草、深川、飛鳥山と共に日本で初めて公園に指定されました。 ここは江戸時代、東叡山寛永寺の境内地でした。 それが明治維新後官有地となり、大正13年、宮内省を経て東京市に下賜されました。
当初は寛永寺社殿と霊廟、東照宮それに境内のサクラを中心にした公園でしたが、その後、博物館や動物園、美術館などが建てられ、文化の香り高い公園へと衣替しました。 しかしながら、芭蕉が 花の雲 鐘は上野か 浅草か と詠んだように桜と不忍池でよく知られている公園です。
桜は満開です
満開の桜
上野恩賜公園には約1200本の桜があり、約半分をソメイヨシノが占めています。 今年の東京の桜は3月21日に開花宣言、3月28日に満開宣言が出されました。 しかし、満開宣言の日に上野は七分咲きとの報道があり、4月1日の土曜日に訪問してみました。
上野恩賜公園は、例年、桜の時期の土・日には30万人近い人が訪れる、サクラの名所です。 しかも、日曜日の4月2日は雨が降るかもしれないという天気予報! 大混雑になるとは思いましたが、生憎朝方所要があり、出発が遅れてJR上野駅到着が10時30分頃となりました。
電車を降りてホームから改札口のあるフロアに上がると、案の定、公園口改札口の前には30mほどの行列ができておりました。 割り込みしないように行列の両側には駅員がロープを張っており、これでは改札口を出るのに4〜5分かかりそうです。 駅員が「反対側の入谷口を利用される方が上野公園には早く到達できます」と案内していますが、ほとんどの人が列に加わっております。
風来坊、公園口の反対側100mほどにある入谷口から出ました。 公園口を出るとすぐ前に信号があって待たされ、改札口混雑の一因にもなっていりようです。 一方、入谷口はガラガラで、しかも入谷口から上野公園までの遊歩道は立体交差になっており、信号もなくスムーズに移動できます。 皆さんがなぜ利用しないか不思議です。
上野東照宮の桜
公園の桜は満開でしたが、さすがに土曜日、桜並木は人で溢れていました。 この桜並木の散策は左側通行です。これは公園口からでた見学者は、国立西洋美術館と東京文化会館の間を通って桜並木に入るため、左側通行の方がスムーズに流れるようです。 入谷口から出た場合は、東京文化会館を右手に見て上野公園に入りますので、桜並木には公園口とは反対側から入ることになります。
上野恩賜公園は桜の下で宴会をすることができます。 土曜日ということもあり、散策路以外は、一面ビニールシートで埋め尽くされていました。 幹事さんは、朝早く上野恩賜公園に出勤し、朝から数人でお酒を飲みながら、宴会の開始時刻まで待つのです。 多分、宴会では最初に幹事さんが酔っ払うのでは!
朝早くからの席取り・幹事さんご苦労さん
不忍池も賑わっています
不忍池の桜並木
上野恩賜公園の桜並木から坂を下りて、天龍橋、弁天堂を経由して不忍池の桜並木に出ることができます。 天龍橋から弁天堂までの道の両側も屋台がぎっしりと並んでおります。 ここも弁天堂に行き来する人、不忍池の桜並木に行き来する人で大混雑です。
今年は不忍池の桜も丁度満開を迎えていました。 不忍池の桜並木は上野恩賜公園の桜並木よりも随分と空いていて比較的ゆっくりと散策できます。 ここのボートが大人気のようです。
不忍池の桜
上野恩賜公園の桜見学では、外国人の多いのに驚かされます。 中国人や韓国人がグループで見学に来ているようです。 顔では見分けがつきませんが、写真を撮っている若いグループから耳の飛び込んでくる会話は、半分以上が外国語でした。
休日の娯楽でも外国人に圧倒されているようでは、日本の将来に不安を抱かざるをえません。 働くときは働き、遊ぶときは大いに遊ぶということが本当の成長や飛躍につながるのではないでしょうか!
満開の桜・前方は不忍池の桜並木
確かに外国人にとって上野恩賜公園は桜見物には一番身近なスポットでしょう。 しかしながら、日本の若者は一体何処に行っているのだろうという感じです。 風来坊