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Q太郎旅日記 アラスカの旅 その2 (H18.5.27〜6.8)

アラスカ・列車の旅編 (H18.6.3〜6.8)


鉄道沿線の風景



ウイッテアに入港


6月3日

早朝ウイッテアへ入港。

ここで七日間の氷河湾クルーズに別れを告げて下船、目の前に停車しているアラスカ鉄道の列車に乗車しました。



列車の窓からダイアモンド・プリンセスが見えています。

アラスカ鉄道はアラスカ南部の港町スワードから、北極圏に近いフェアバンクスまで756kmを結ぶアラスカの大動脈です。


ダイアモンド・プリンセス



鉄道沿線の風景


州営の鉄道で、主に貨物を輸送していますが、夏場は旅行会社の所有する二階建ての展望車を連結して走ります。

従ってQ太郎の乗った車両も船と同じプリンセス社のものでした。

今日はこれよりタルキートナまで
5時間30分の列車の旅です。



まだ目の中に海の青が残っているのですが、そろそろ海は見えなくなってしまいました。

代わりに迫ってくるのは頭に未だ雪を頂いた山々が連なる美しいアラスカの大地です。

鉄道沿線の風景です。


鉄道沿線の風景



アラスカ鉄道のマーク


アラスカ鉄道のマークです。ブルーの車体に黄色のマークが目に鮮やかでした。

便利さよりも自然保護を優先するお国柄で、何事も悠長です。

列車は、景色の良い所にくれば、スピードを落とします。

ふくろうが子供を育てているという橋の下では停車してしまったのにはびっくり。



ここは
アンカレッジです。

人口約27万人のアラスカ最大の都市なのですが、3階以上の建物はありません。



アンカレッジの町並み



タルキートナの駅に到着した列車


タルキートナに到着です。

野原の真ん中の簡素な駅には駅舎も、ホームもありません。

列車が着くとすばやく踏み台が置かれ、そこから下車します。

Q太郎のように脚の長い人は平気ですが、そうでない人は難儀しておりました。



雲に見え隠れするマッキンリー



ここからバスに乗って小一時間でプリンセス・マッキンリーロッジに到着、今夜はここに泊まります。

このロッジもまた、プリンセス社の経営で、何だかベルトコンベアーに乗せられているような気持ちになってきます。


晴れていれば必ずマッキンリー山が見える場所なのですが・・・うん、何か見えてきましたね。

そうです!これがマッキンリー山。


感激です。Q太郎のカメラでは多分撮れないだろうと思いながらシャッターを押し続けました。

とても、遠かったのです。こんな時ですね、大きな望遠レンズの付いた良いカメラが欲しいなあと思うのは。


プリンセス・マッキンリーロッジ



マッキンリー


でも、バカチョン君、精一杯頑張って思いがけなく、くっきり写してくれていました。

マッキンリー山はこの後も角度により姿を変えて毎日見る事が出来ました。

元々は「デナリ山」と呼ばれていたそうです。

ネィテブの言葉で「偉大なるもの」と言う意味で、この方が大統領の名前よりずっとふさわしいのにとQ太郎は残念に思いました。



ロッジの庭で見つけた車のナンバープレートです。

可愛い!

北極星や北斗七星、ムース、アラスカ山脈がかわいらしくデザインされていました。


この夜は目をつむってもマッキンリーの雄姿がなかなか消えませんでした。


ナンバープレート



マッキンリー



タルキートナ駅で列車を待つ様子

6月4日

遠くでしきりに鳴くうぐいすの声で目を覚ましました。窓辺には白樺の若葉が揺れて今日も上天気です。

旅に出ると必ず晴れ男、晴れ女自慢の人が居ます。


このツアーのメンバーにもそんな人が一杯。お蔭様で爽やかに晴れ上がった空に、マッキンリーがくっきり聳えています。

ここはデナリ国立公園の一角なのですが、この公園は四国ほど広いのだそうです。


9時30分バスに乗って再びタルキートナ駅に戻ります。

そして、またアラスカ鉄道に乗車しデナリ公園駅まで4時間30
分の列車の旅です。

太郎は乗り物の中では列車が一番好きで、「ジパング倶楽部」にも入っているほどですから、長時間の列車の旅は少しも苦になりません。

むしろワクワクします。


タルキートナの駅で列車を待ちます。


展望車



針葉樹の中を走る列車

今日もプリンセス社の展望車で1階は食堂車、2階はテーブル付きの4人掛けです。

写真
のように天井までガラス張りで、2日間で真っ黒けになってしまいました。

このモデルさんは最年長の方。おん年80歳。若々しくお茶目で、好奇心一杯の溌剌とした方でした。

勿論、脚も頭も,お口もシャッキリ。こんな風に年を取れたらなあと憧れました。



沿線の風景は少し変わって、針葉樹の林の中を縫うように列車は走ります。


アラスカ山脈とマッキンリー



アラスカ山脈とマッキンリー


アラスカ山脈が追いかけるように付いて来て、マッキンリーも少し形が変わりました。



アラスカ山脈とマッキンリー



右の写真のように、走る列車が写せる場所に来ると、アナウンスがあってスピードを落としてくれます。

写真はQ
太郎が乗っている列車です。

窓の外には雄大な、人の手の届かない自然の風景が続きます。



Q太郎の乗っている列車とアラスカ山脈



アラスカ山脈とマッキンリー


写真は殆ど車窓越しに写したものですから、車内の影が写ったりしていますね。

アラスカでは道路を作ろうとすると反対運動が起きるとか。

人が住む場所の55%は空からしかアプローチできないそうです。

25%は空と海から、残り20%だけが車で行ける
(道路がある)と聞きました。



偉いですねアラスカの人は。狭い海に3つも橋を架けたり、隣にあるのにまた、空港を作ったり・・・しない
でしょうね。


アラスカ山脈



デナリ駅


デナリ駅はタルキートナ駅よりも少し駅らしいけれど、やはりプラットホームはありません。

標高が1000メートルほどあるらしくかなり寒かったですね。



きょうはデナリ国立公園の真ん中のロッジに泊まります。

部屋にはこんな可愛いランプがあってまるで「山小屋の灯火」です。


明日は5時にモーニングコール。

早く寝なければと思いつつ、つい夜更かし。完全に睡眠不足です。



部屋の可愛いランプ



ツアーバス

6月5日

快晴です。3日連続の上天気。

今日は7時30分出発のバスに乗ってデナリ国立公園のナチュラル・ヒストリー・ツアーに出かけます。

今日もバスは外国人との混乗、従ってガイドは全て英語です。

Q太郎は英語圏を旅するのは初めてですが、アメリカ人の英語は「わかりましぇ〜ん」。




英会話は全く駄目だけど、それでも簡単な用足しや買い物などは何となく出来るのですが、ガイドの説明は聞き取れない!

辛うじて聞き取れた3つぐらいの単語を必死の想像力で繋げて行きます。

今回の旅でQ太郎の想像力は飛躍的に伸びたと思いますよ。

正しい想像か否かは別として。


アラスカ山脈



アラスカ山脈



海抜2780m


5時間のツアーでアラスカ山脈の景色を満喫しました。

でも野生動物は思ったほど出てきてくれなかったです。

ムースの夫婦、野うさぎ、カリブーそして人懐っこいカモメが居ました。

ムースは角が立派で体は脚も歩き方もまるで馬のようでした。



要領が悪いのかバスではいつも気が付いたら最後部座席で、そこが指定席になっていました。

でも、最後部は左右から、後ろの景色までみられるのです。

それに、キャンデーなどが配られた時にはいつも残り物があるので楽しい。


デナリ国立公園のバスで行ける一番高い所は標高が3000m近くありました。


こんなところのカモメが!



マッキンリー


アラスカ山脈の後ろに今日もマッキンリーが輝いています。

タルキートナで、もうお別れかと思っていたのに。

マッキンリーを見ながらQ太郎はお会いした事もない植村直巳さんに話し掛けていました。

「この山ほどあなたの墓標にふさわしい所はありませんね。もって瞑すべきかも知れません。だって、ここに来てこの山を見てあなたを思わない日本人はいないでしょう?」



午後、バスでフェアバンクスまで行きました。今日のドライバーは元気そうなお姉さん。

大きなバスで高速道を走りながらガイドまでしてくれる、逞しいアメリカ女性でした。


3時間でフェアバンクスに到着。

北極圏まで23kmというこの町は午後5時が近いのに太陽が頭上で輝いています。


フェアバンクスは午後11時前でもこの明るさ



部屋の時計もこの時刻


アンカレッジに次ぐ都市で人口は27000人、青い広い空の下に木造の平屋や2階建ての建物が続きます。

丘の上のアラスカ大学フェアバンクス校だけが一際目立つ鉄筋コンクリートの建物でした。

深呼吸して大手を振って、心も体も伸びやかになってくるような町です。

上の写真は、夜11時前の外の様子です。記念に部屋の時計も写しました。


6月6日

天気予報は「雨」のはずだったのに、何とした事か今日も快晴ではありませんか。明日、明後日は移動日ですから、実質今日が旅の最終日です。最後までお天気に恵まれて、本当にラッキーでした。

8時30分ホテルを出発。今日も混乗バスのドライバーは張り切って喋りまくるけれどさっぱりわかりません。やっぱり、ここはアメリカ。船の客室係のフィリピン人の英語の方がずっと、良くわかりました。


外輪船



犬ぞりレース優勝者の飼育場

午前中は、フェアバンクス郊外のチェナ川とタナナ川をデスカバリー号と言う外輪船でクルーズします。

昔アメリカ映画でこんな船がミシシッピ−川を往来するのを見たことがあります。

川の両岸は高級住宅地になっていて、どの家にも川に向かって広い庭がありボートやキャンピングカー自家用飛行機のある家も珍しくありません。

アラスカで快適に暮らすためには車とボートと飛行機が必要だそうです。その上に犬ぞりがあればもっと良い、と言うのがアラスカらしいですね。


犬ぞりレースで回連続優勝をしたと言う家の飼育場では30匹ほどの、様々な種類の犬が楽しそうに跳ね回っていました。

トレーラーを引っ張ってデモンストレーションをしてくれたのですが、10頭以上繋がっているのに、縺れもせず、あっと言う間に河岸を一回りして帰ってきました。

さすがチャンピオン、見事なものです。

原住民アサバスカ族が住んでいた所では上陸して観光、これは酋長が身につける衣装で、手の込んだビーズの刺繍を施した暖かそうで立派な衣装でした。

小型飛行機のアクロバット飛行のショウまであって、楽しいリバークルーズでした。


酋長の衣装



石油パイプライン


午後はトランス・アラスカ石油パイプラインの見学。

北極海、ブルドーベイからアラスカ海バルディーズまで全長1280キロのオイルラインです。

1280キロって、日本だと何処から何処までだろう?

凄いですねアラスカは。空からずーっと辿ってみたいと思いました。


さてこれから、最後の観光地、エル・ドラド金鉱跡に出かけます。


おもちゃのようなトロッコ列車に乗って、さあ金を探しに参りましょう。

エル・ドラド金鉱は20世紀初頭、ゴールドラッシュに沸いた金鉱なのですが今は、観光施設です。

トロッコ列車の車窓に当時の採掘方法のデモンストレーションを見ながら、進んでいきます。

列車を降りました。いよいよここで、シャベルを持ってトンネルの中へ金探しの行くのだ!とワクワクしていましたが渡されたのは砂金入りの袋。


トロッコ列車でエル・ドラド金鉱へ



砂と金との振り分け作業

これを洗面器のようなものに移して水を入れながら砂と金とに分けるのです。

それはもう真剣そのもの、目の色を変えて頑張りました。

採った金はフィルムケースのようなものに入れてもらって、ニコニコしながらその場を離れると待っているのはギフトショップです。

ここで測ってもらうと16ドルで、買い取ってもくれるのですが折角の記念だから、と売るのは止めました。


すると、次にはロケットに加工しましょうと言うコーナーがあって、16ドルで売れる金は60ドルでロケットになりました。

アラスカの人は本当に商売上手です。手付かずの自然と観光ビジネスが見事に両立しているように見受けられました。

これで、今回の旅行の全ての観光が終わりました。明日はフェアバンクス〜アンカレッジ〜バンクーバーと乗り継いで移動します。

これから、荷物作り。旅の終わりはいつも少し寂しいです。


ロケット



バンクーバー上空



フェアバンクス空港

6月7日

今日も晴れ。8時40分出発。バスでフェアバンクス空港へ。

アンカレッジまで50分のフライトで国内線にもかかわらず、チェックインは想像以上に厳しく、長蛇の列、でも覚悟していたアンカレッジでの出国手続きは思ったよりも早く済んで、夕方7時前には無事バンクーバーに到着しました。

バンクーバーはやたら、漢字の看板の多い街でした。



6月8日


昨日までの晴天がうそのような今にも降り出しそうな空模様。まあ、もうどうでも良いけどね。

バンクーバーは初めての所だったので、出来ればもう一泊して、花のビクトリアに行って、アフタヌーンティーでもして見たかったけれど、またの機会にいたしましょう。


バンクーバー



バンクーバー


12時、エアカナダ35便で出国。

時計を16時間進めて、10時間50分かかって6月9日午後3時無事関西空港に帰着いたしました。

ああ疲れた。

遊びに行った時は「疲れた」とは言わない事にしていますが、今回は疲れました。

年のせいかなあ。



終わりに


長々とQ太郎の旅にお付き合い下さいまして有難う存じます。

かにかくに今回の旅も無事終わりました。

私は旅を楽しくするには体調とお天気と旅仲間と添乗員の4つが不可欠だと思っているのですが今回は全てに恵まれて毎日楽しく過ごす事が出来ました。

行きずりに知り合ったアメリカ人もみな、英語の下手な日本のおばさんに親切にしてくれました。

ちょっと戸惑っていると直ぐにどこからか
Can I help you と声が掛かって嬉しかった。

同じ地球に生まれて一瞬触れ合って、もう二度と会う事のない人たちだけれど、元気で幸せであって欲しいと思います。


スキャグウエイ横付け中の
ダイアモンド・プリンセス



アラスカ山脈


そうそう、オーロラの事でしたね。

残念ながら空は明るすぎてオーロラどころか星さえも見えませんでした。

でも、9月からはフェアバンクスに2泊すればオーロラが見られる確率は80パーセントとガイドブックに書いてありました。


寒くならないうちにお出かけください。そしてオーロラを見る事が出来たらALASKA Amberで乾杯してください。このビール美味しい!



年に一度しか休暇の取れない連れ合いは(老体に鞭打って未だ現役)早々と来年は何処にしようかと言っています。

少なくとも3度は、ほとんどキレかかって「もう、二度と一緒に来てやらないぞ」と心に誓ったはずなのに早くも旅の誘惑に負けそうになる節操のない我が身が情けないこの頃です。


                 おわり


  アラスカの旅その1へ
 


                Q太郎


スキャグウエイの町

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