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Q太郎旅日記 アラスカの旅 その1 (H18.5.27〜6.8)

はじめに


プリンス・ウイリアム湾・ハーバード氷河



マッキンリー山を望む

Q太郎は3度のメシと同じくらい旅が好きです。

旅に行けるのなら、ヴィトンもエルメスもロレックスも何にも要らない。

そういえば何一つ持っていません。


それでも海外旅行は長い間無縁のものと思ってきました。

実は飛行機が嫌いで、怖いのです。


初めてパスポートを手にしたのは50代も半ばを過ぎていました。

娘に無理やり誘われて、決死の覚悟?で行ったスペインで海外旅行にはまってしまいました。

と言ってもセイゼイ年に一度か二度のお楽しみです。

それ以上になると老後に首を吊る羽目になりそうですから。


アラスカの山とカモメ



ジュノーで咲いていたシャクナゲ

いつも旅行会社のパッケージツアーです。

個人旅行をするには言葉も駄目だし度胸もありません。

何事も直ぐに忘れますので、一度に一国しか行きません。

そして気に入ったところには何回でも行きたいので、訪れた国はホンの僅かです。


旅の楽しみは異空間と非日常に身をおくこと、に尽きると思います。

このワクワク感と開放感は何物にも、とは言わないけれど、ちょっと代えがたいものがあります。

非日常の中に何日か過ごしていると、何気ない日常が逆にこの上もなくいとしいものに思えてきます。

そして心が純になっていくような気がします。


デナリ国立公園で



忘れな草


フェアバンクスのホテルで

関西空港に着くといつも自分に言い聞かせます。

「さあ、馬車はかぼちゃに戻ったよ。」そして、より良い日常をめざそうと決心するのです。

すぐ、忘れますけど。


5月下旬から6月上旬まで2週間アラスカに行って来ました。

以下はその道中記です。



アラスカ・氷河湾クルーズ編 (H18.5.27〜6.2)


AIR CANADA

5月27日

早朝高知駅を出発。飛行機嫌いのQ太郎は必ず関空までJRで行きます。

エアカナダで出国です。飛行機の出発準備を眺めながら、「こんなに沢山の荷物と、人と燃料を積んで本当に飛べるのだろうか?」いつも疑問に思います。

「落ちるならどうぞ帰りにして頂戴」なんて。


10時間飛んで、着いた所はカナダのバンクーバーです

港近くのダウンタウンで見かけた「蒸気時計」正時になると蒸気を吹き上げていました。

昼食の後すぐに、港に行って入国と乗船手続きをしました。今、アメリカの出入国はとても厳しくて時間がかかります。

この日も何と3時間待ち! 両手の指紋をとられ、写真も写してもらって(こんなおばさんが何をするって言うのとおかしくなって、にっこり笑ってあげました。ついでにピースも、と思ったけれど、国家の品格を下げては、と思い止めました)。

上着も靴も脱がされた上に連れ合いはベルトも外させられて「ズボンも脱がされるかと思った」と焦っていました。


乗船したらもう夕方で、出航が夕食とぶつかってしまい、楽しみだったバンクーバー出航は見る事が出来ませんでした。


バンクーバー



船内の厨房

5月28日

終日クルーズです。ダイアモンド・プリンセスの船内を散歩しました。

この船は2004年に長崎で造られました。

総トン数113000トン、乗員1238人、乗客2777人、内2000人がアメリカ人で日本人は2つのツアー31人でした。

長崎在住の従兄弟がこの船の事を「三菱重工職員が総力をあげて世に送り出した、万感の思いのこもった船」だと申しました。


こんな大きな船に乗ったのは初めてです。

ここは厨房です。船で一番怖いのは火災だそうで、オール電化され塵一つないぴかぴかの清潔な厨房でした。

これはプール、大浴場ほどのプールで大きな外国人が泳いでいました。



「すしバー」前の飾り付け


船内のプール



プライベートデッキ

この奇天烈な飾りつけは「すしバー」の前で見ました。

これが和風?

プライベートデッキをトップデッキから写しました。

太郎が毎日厭きもせずに海を眺めた場所です。


吹き抜けのホール。船には劇場があって毎日楽しいアメリカのショウがありました。

でも何しろ2777人ですから、席がないことが多く、ダンスもカジノも出来ないQ太郎は毎晩ここで、演奏を聴いていました。

そのほかにもジムやバスケットボールのミニコート、お店やゲームセンター、図書館や画廊まであって少しも退屈しませんでした。


船内での演奏



ケチカンの光景



ケチカンに入港して観光に出発する乗客

5月29日

早朝ケチカンに入港。

ケチカンはアラスカ最南端の小さな町ですが港には大きな客船から小さなボート、水上飛行機まで所狭しとひしめいていました。

こんな小さな港に大きな船が何隻も横付けできるのが不思議です。

下船―ここはアメリカ大陸、私にとって初めの第一歩です。


バスで30分余りの所にある「トーテム・バイト公園」を訪ねました。

ネイティブのクリンケット族が残した13のトーテンポールがありました。

一つ一つに色々な祈りの意味があるそうです。

船に戻って、
時に出航です。

アラスカ湾は波一つなく、左舷にある部屋のデッキからは無数の島々が見られます。遠くにはまだ雪を置いた山々も。

明日は州都ジュノーに入港です。


トーテンポール



ジュノーに入港したダイアモンド・プリンセス



メンデルホール氷河

5月30日

午前7時ジュノーに入港。

ジュノーは小さな町ですが、ロシアからアメリカがアラスカを買った後、最初に出来た町でアラスカ州の州都。

雪を戴いた山が殆ど垂直に港に迫った、坂の町です。



凄い車


埠頭からバスで30分、メンデンホール氷河へ行きました。

陸路から訪れる事の出来る最大の規模の氷河です。

氷河は崩落した後の断面が限りなくグリーンに近いブルーで大変きれいでした。


聖ニコラスロシア正教会



ロバーツ山頂から見たジュノー港

午後は町のお散歩。坂を登ったところに聖ニコラスロシア正教会がありました。

おもちゃのような小さな教会は只今修復中。

帰りに見つけた凄い車。まだ動いてるようでしたよ!


埠頭に戻り、ロープウエイでロバーツ山に登りました。

山頂から見た港。

手前がダイアモンド・プリンセスです。

夕刻ジュノー出航。


ジュノー港に停泊中の別の客船



スキャグウェイ

5月31日

早朝、船は音もなくスキャグウエイに入港)。

本日の下船観光は一番出発です。

2700人がそれぞれ、下船していろいろなツアーに出かけるのですから、順番は厳守です。

それでも毎日、さしたる混雑もなく静かなものでした。船の中も食事は2部制でレストランも6つあったので、とても2700人も乗っているとは思えなかったです。


今日はユーコン鉄道に乗ってカナダのフレイザーまで観光です。

ユーコン鉄道はゴールドラッシュ時代に人と鉱石を運ぶために造られた、ナローゲイジの鉄道で一時営業中止になっていたのを観光のために再開したそうです。

全行程45キロを往復3時間掛けてただ行って帰るだけでも、沿線の景観はすばらしく、雷鳥や熊の親子も見られました。

山師たちの夢を運んだこの鉄道は高い崖の上をギリギリに走っていて、今にも脱線しそうでちょっぴりひやひやしました。

あっと言う間に通り過ぎたカナダとアメリカの国境は何とか撮る事が出来ましたが、野生動物は無理でした。

午後はスキャグウエイの散歩に出かけます。船では停泊中は出入り自由ですが、乗船の時作ったIDカードを通した上に厳重な手荷物チェックがあります。


ユーコン鉄道



ユーコン鉄道沿線の光景

アラスカの町は何処も小さくて散歩には丁度いい感じです。港の近くは殆ど観光客相手のお店です。

宝石店がやたら多くてどの店にも客が沢山入っている所を見ると安いのかもしれませんが、お化けに宝石は似合わないし、値段も判らないのでパス。

お土産店を冷やかし、あれこれ親しい人の顔を思い浮かべながらメイド・イン・チャイナでないものを探します。

これが、なかなか難しいのです。


地元の人が作ったオーナメントやドリームキャッチャーなどを買いました。

スキャグウエイは妙に明るく、山が迫っているのに広く感じられる町でした。建物は西部劇のセットのようで、観光馬車が良く似合っていました。

船に戻って夕食。Q太郎は「グルメ」ではないし、普段は粗食の老人食です。

そろそろ、着替えて食事に行く、と言う生活もしんどくなって参りました。


ユーコン鉄道沿線の光景



アメリカとカナダの国境

船の食事は大変美味しいけれど、量の多いのには閉口します。

残さないのが美徳と教えられてきた日本人ですが、自衛手段を講じないと大変です。

恥ずかしげもなく残したり、前菜やスープ、時にはメインディッシュさえもパスして自衛します。それでも、デザートだけは確保するから凄い。

クルーズは後二日。もう上陸観光はないので、一日中海を眺めて過ごす事に致します。


6月1日

船はグレイシャー・ベイを静かに航行中です。

インデアンが「偉大なる氷河の湾」と呼んでいた湾には16もの氷河が海に流れ込んでいます。

テレビでみるような大崩落には出会わなかったけれど、小規模の崩落は何度も見ました

。流れる氷塊のうえにカモメがちょこんと乗っていたり、ラッコが泳いでいたり、双眼鏡を片手に目が離せません。お天気に恵まれて、デッキにいても余り寒さを感じなかったですね。


グレイシャー・ベイ



グレイシャー・ベイ

目を離してちょっと買い物に行っている間に鯨を見た人がいて本当に悔しい思いをしました。

終日クルーズの日には特にイベントが多くて、船内新聞をみながらあれこれ計画し、船の中を迷子になりながら、動き回ります。

ツアーのメンバーの一人が「ピンポン大会」に出場したので応援したり(イギリス人に負けました)、絵画オークションの見物、バーゲンセールの冷やかし、そろそろ荷物もまとめなくては・・・と忙しい。

明日はいよいよ、クルーズのハイライト「カレッジフィヨルド」です。



カレッジフィヨルド



カレッジフィヨルド

6月2日

クルーズ最終日はあつらえたような晴天で、移り行く景色が美しい。ずっと観ていたいけれど、今日は荷物を作らねばなりません。

朝から横目でデッキからの景色を見ながら、荷造りです。

良い景色になると荷物は放ってデッキに飛び出し、又戻って荷造り、忙しい割りにはかどらず・・・・です。


世間には「縦の物を横にもしない」と言う御仁がいらっしゃるようですが、お化けの連れ合いは、縦の物を横にして斜めにしてひっくり返して放ってあるご立派なお方で、勿論荷造りなど自分でするとは、はなから思ってはおりません。

ずっと俯いて2つのトランクと2つのキャリーの整理を終える頃には頭がくらくらして、胸はムカムカとむかついて参ります。


カレッジフィヨルド



カレッジフィヨルド



カレッジフィヨルド

16時30分、18階のスカイウォーキングラウンジにメンバーが集まりました。

これから始まるカレッジフィヨルドの大パノラマショウを一番眺めの良い場所から見るのです。

この時間に予約を取った添乗員の窪野さんに感謝感激です。



カレッジフィヨルド


カレッジフィヨルド


でも、せっかくのラウンジでしたが船が進むうちに余りの見事な景色に引き込まれるように何時の間にか皆、ラウンジを飛び出して船の先端に立ちました。

冷たい風が寒いとも感じないほどの素晴らしさでした。

右の写真の正面の空にちらりと顔を出している高い山がマッキンリー山だそうです。



雲の中にマッキンレーが



カレッジフィヨルド


カレッジフィヨルド



暮れぬ海

夜になっても空は晴れて一向に暗くなりません。

なんと美しい景色が続くのでしょう!

明日は早朝に下船なのに、寝るのがもったいなくて、Q太郎は12時までデッキに立ち尽くしておりました。


明朝には下船して、アラスカ鉄道に乗ります。

ありがとう、グレイシャー・ベイ、さようなら、ダイアモンド・プリンセス。

又会う日はないかもしれないけれど、いつまでも今のままで居てね。

 続きの「アラスカの旅その2」も必ず見てね

 アラスカの旅その2へ



          Q太郎


暮れぬ海


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