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都筑民家園のひな祭り
横浜市都筑区の都筑民家園では、今年も「都筑民家園 ひな祭りウィーク」のイベントが開催されています。 「ひな祭りウィーク」には、明治〜平成のお雛様・吊るし飾りの展示が行われ、自由に見学することができます。 今年も2月20(土)〜3月3日(木)の間、「ひな祭りウィーク」が開催されました。
都筑民家園は、江戸時代の民家「旧長沢家」を復元した建物を中心に、茶室、庭、管理棟で構成される区域の総称です。 横浜市都筑区の大塚・歳勝土遺跡公園の一角にあり、横浜市歴史博物館から遊歩道が設けられています。
長沢家は、横浜市歴史博物館からほど近い都筑郡牛久保村(現在の都筑区牛久保町)にあった旧家です。 長沢家は、江戸時代の一時期、村方三役の名主役や組頭を勤めていました。 旧長沢家住宅の建築年代は、新しい形式も取り入れられているものの、柱の一部にチョウナ仕上げが見られること、土間境の柱が大黒柱になっていないこと等の古い形式を残しており、横浜に残っている民家の中ではかなり古いもの(江戸時代中期頃)であることが判明しています。
都筑民家園では、年間を通じて多くの地域交流イベントや文化事業が行われています。 平成27年度には、楽しい竹林講座、イキイキこどもデー、七夕まつり、お月見ライブ、七草粥とお蔵開き、鬼は外・福は内、ひな祭りウィークなどの行事が計画されました。
都筑民家園のひなまつり関連イベントは今年が19回目とのことです。 「ひな祭りウィーク」には、明治〜平成のお雛様・吊し飾り展示のほかに、ひな祭りせん茶呈茶、ひな祭りお茶会などのイベントが開催されます。
明治時代のお雛様
昭和時代のお雛様
2月23日(火)に「明治〜平成のお雛様・吊し雛の展示」を見に行きました。 古民家の入り口から土間にはいると、今年も見事な吊し雛の飾り付けが出迎えてくれました。 天井から「酒田傘福」に似た感じの、大きな吊し雛飾りが飾られています。 土間にはこのほかにも、さるぼぼをはじめとしてさまざまなひな飾り付けがあります。 土間の奥の炊事をする台所もひな飾り付けが行われています。
大正時代のお雛様
平成時代のお雛様
土間と広間の境には、以前はその年に作成された新しい吊るし雛が飾られていましたが、昨年からは比較的低い位置に木の枠が設けられ、そこに新しい作品が飾られていました。 土間に続いている納屋(牛小屋)には吊し雛やその他の作品が飾られていました。 靴箱の上側も貝雛などで飾られていました。
木目込人形
「明治〜平成のお雛様」は、古民家の広間、中の間、奥の間に飾られています。 奥の間の床の間に、明治のお雛様が飾られていました。 明治のお雛様は、京都・丸太大木人形店の大木平蔵の明治時代の作品で、平成14年の「家庭画報」で紹介されたお雛様と同じ種類のお雛様とのことです。 「丸平大木人形店」は京都で江戸時代から250年の歴史を重ねてきた老舗です。 隅々まで神経の行き届いた着付け、優雅な笑みを浮かべた表情など素晴らしいお雛様です。
今年も貝雛が飾られていました。 貝雛はホッキ貝という大きな貝を使って作る、ちりめんの着物が愛らしいお雛様です。 手作りの暖かさが伝わってくるお雛様です。 貝雛講習の開催されるほどの人気作品です。 貝雛は会場で販売されていましたが、大変な人気のようです。
都筑民家園のもう一つのメインが吊しひな飾りの展示です。 都筑民家園のひな祭りのイベントは今年が19回目ですが、「吊しひな飾りの展示」は都筑民家園の開園10周年を記念して始められたイベントで、今年が10回目とのことです。 広間、中の間、奥の間のいずれの部屋にも見事な吊し雛が飾られています。
吊し雛の展示としては、伊豆稲取の雛の吊し飾り祭りや開成町の瀬戸屋敷ひなまつりが有名ですが、いずれも婦人会が中心となって吊し雛を作成しています。 しかし都筑民家園ではスタッフの方々が作成されているのです。
吊し飾りは、はぎれで作ったぬいぐるみを吊します。 その一つ一つに、そして一針一針に子の健やかな成長を願う親の深い愛情が伺える文化です。 吊し雛の作成に当たっては、スタッフの皆さんには「正絹、古布」という材料のこだわりがあるとのことです。
このため、都筑民家園に吊されている吊し雛には、スタッフの方の着物が随分と使われているようです。 「吊しひな飾りの展示」は今年が10回目という比較的新しいイベントですが、近所に住んでおられる先生に習ったりしながら、吊し雛を作成しており、その数も年々増えているとのことです。
雛の吊し飾りとしては伊豆稲取が有名です。 江戸時代においては、お雛様を購入できる裕福な家庭はまれで、せめて、お雛様の代わりに、愛する子供や孫のために手作りで、初節句を祝おうという、切ない親心から生まれたのが伊豆稲取の「雛のつるし飾り」の発祥の由来と言い伝えられています。
雛のつるし飾りには子供の健やかな成長を願う親の心が形を成しています。 稲取の飾り物には、それぞれに健康に起因する意味合いがあり、つるし飾りには親の願い事が形となって雛に籠められています。
這い子人形 這えば立て、立てば歩けの親心。 三角 香袋 お香は貴重品で薬でもありました。 富士山を表したものもあります。 花 花のように美しく!
柿 滋養があり、長寿の木、厄払いの効もあるとされています。 巾着 わが子がお金に不自由しないように! モモ 桃の実には、霊力があるとされ、邪気、悪霊を退治し、延命長寿を意味する。 また、桃は早くから花が咲き果肉が大きく実が多い事から多産を象徴します。
とうがらし 虫除けの効用があることから、娘に虫が付かないように! 小粒でもピリッとした人間になりますように!
さる 厄が去る。 草履 早く「あんよ」ができますように! うさぎ 赤い目のうさぎには呪力があるとされ、神様のお使いともいわれる。
アクセス 横浜市営地下鉄センター北駅から徒歩8分 入館料 無料(第2、第4月曜日は休館日)
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