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明治神宮外苑のイチョウ並木
神宮外苑の銀杏並木は、4並列の銀杏の大木が作り出した見事な景観です。 青山口から円周道路までの300mの並木には、9m間隔で銀杏が植えられています。 途中で西折して秩父宮ラグビー場に至る二条の並木も銀杏並木に含まれています。 併せて146本の銀杏が植えられています。
銀杏は、現存する最も古い前世界の植物の一つです。 地質学上、古生代の末期(約1億5千万年前、巨大な恐竜が棲息していた時代)に地球上に広く分布し、生育していた樹種です。 したがって、その化石の発見は極地より南北両半球に及んでおり、中国や日本でも発見されています。
氷河期の到来により、多くの地方では、銀杏は絶滅しましたが、温暖な気候を保ち得た中国では死滅を免れ、生育を続けて現在に至っています。 日本の銀杏は、この中国より渡来した樹種で、現在では街路樹、防火樹、庭木として広く植えられております。
銀杏は「東京都の木」に指定されています。 東京の木選定委員会で決定した3種の候補の木「ケヤキ、イチョウ、ソメイヨシノ」の中から住民の一般投票のより、イチョウが選定されたとのことです。 明治神宮外苑の並木には、146本の銀杏(雄木44本、雌木102本)が植えられています。
明治神宮外苑は大正15年(1926年)の創建ですが、その苑地造成に当たり、青山通り正面からの直線主要道路は、左右歩道の両側に植樹帯を取り、銀杏樹でもって四条の並木を造成することになりました。 これは、銀杏樹が、樹姿が端正であり、樹高も適当で緑量も豊富であり、気品も高かつ公害にも強く、威厳を保ちつつ年間を通して、訪問される方に好景観を呈することができるため、外苑の街路の並木として最適なものだという考えに基づくものです。
現在植えられている外苑の銀杏樹が、この世に生まれてきたのは、造園界の泰斗・折下吉延博士が、新宿御苑に奉職中の明治41年(1908年)に、新宿御苑在来木の、銀杏樹から銀杏(ぎんなん)を採集し、これを種子として代々木の宮内省南豊島御料地内(現在の明治神宮内苑)の苗圃に蒔いたことによります。 その後、苗圃の木々はすくすくと成長し、その数1600本にもなったといわれています。
外苑造苑に当たり、この銀杏樹を採用することになり、既に樹高6メートル内外に成長していた、これらの多数の中より候補樹を選抜し、さらに並木として適格になるように、年々樹形を整えてきたものを、大正12年(1923年)に植栽したものです。
最高28m、目通り周り2m90cm、最低17.1m、目通り周り1m64cmに成長した銀杏が、樹高順に青山口から降り勾配にしたがって植えられています。 絵画館を眺望する遠近法の活用です。 地盤は青山口から絵画館寄りでは約1m下がっているそうです。
銀杏の樹齢は108年(2016年現在)です。 神宮外苑の銀杏は、明治41年(1908年)に新宿御苑在来木から採集したものを豊島御料地の苗圃に蒔いたものです。 したがって、今年で108歳を迎えることになります。 この時の兄弟木は、スケート場前から明治神宮北参道に通じるJR千駄ヶ谷駅前道路の並木など、内・外苑の各所に植栽されているそうです。
アクセス 東京メトロ半蔵門線・銀座線青山1丁目、都営大江戸線青山1丁目から徒歩3分 関連するホームページ 明治神宮外苑 風来坊