東大赤門から本郷通りを南方向に300mほど進むと「本郷3丁目」交差点です。この交差点の南西側に「かねやす」があります。
「かねやす」を興したのは初代・兼安祐悦で、京都で口中医(歯医者)をしていました。徳川家康が江戸に入府した際に従って、江戸に移住し口中医をしていました。
元禄年間(1688〜1704年)に歯磨き粉である「乳香散」を製造販売したところ、大いに人気を呼び、それをきっかけにして小間物店「兼康」を開業します。
「乳香散」が爆発的に売れたため、当時の当主は弟にのれん分けをし、芝にもう一つの「兼康」を開店しました。同種の製品が他でも作られ、売上が伸び悩むようになると、本郷と芝の両店で元祖争いが起こり、裁判となります。
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