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「おんじゅく屋」のひな飾り
御宿町は千葉県の南東、房総半島の東に位置する小さな町で、勝浦市の隣にあります。 気候は年間を通じて温暖です 海岸には約2kmに渡る真っ白な砂浜が広がり、毎年多くの海水浴客が訪れる房総を代表する海水浴場です。 また、御宿は童謡「月の沙漠」発祥の地として知られています。
房総半島では「勝浦ビッグひな祭り」が有名ですが、御宿町でも『まちかど「つるし雛祭り」』が開催されています。 今年は2月20日(土)〜3月6日(日)の間、開催されました。 御宿町商工会及び御宿町商工会女性部の主催で、今年が10回目です。 御宿町の「まちかどつるし雛めぐり」への取り組みについて、配布されているパンフレットに次のように書かれていました。
桃の節句の起源は大変古く平安時代に遡るようです。昔の日本には五つの節句があり、その中の一つ「上巳(じょうし)の節句」が後に「桃の節句」になりました。 平安時代、上巳の節句の日には野山に出て薬草を摘み、その薬草で体のけがれを祓って健康と厄除けを願いました。室町時代になるとこの節句は3月3日に定着し、やがて紙の雛ではなく豪華なお雛様を飾って宮中で盛大にお祝いするようになりました。その行事が宮中から武家社会へと広がり、更に裕福な商家や名主の家庭へと広がり、今の雛まつりの原型となって行きました。
現代社会においては日本古来の昔からの習慣、しきたりなどがさほど重要ではなくなってからもう随分時を経てきました。 人や物に対する優しさや思いやりを育む日本の代表的な行事である雛祭りに取り組み、子供達の健やかな成長を願うと共に、それをご覧になった方々が元気になることをお祈り申し上げます。
御宿のまちかど「つるし雛めぐり」では、こうした趣旨に基づいて御宿町商工会女性部等が製作したつるし雛が、御宿町内の商店、協賛店などに飾れます。 今年は、メイン会場の「おんじゅく屋」を含め、20の商店が「つるし雛めぐり」の会場となっています。 このほか、16の協賛店にもつるし雛が飾られています。
また、メイン会場の「おんじゅく屋」では、つるし雛作成体験コーナーやつるし雛などの販売も行われています。 ひな祭りの期間は、2月20日から3月6日ですが、展示日や展示時間は、商店の営業時間の関係で、会場によって異なります。
JR御宿駅の駅前の観光案内所で、「つるし雛めぐり」のパンフレットを入手し、先ずメイン会場の「おんじゅく屋」を訪ねました。 メイン会場の「おんじゅく屋」に入ってびっくりです。 高さ3mの富士山のような円すい形にしつらえた大型飾り「さるっ子富士」のお出迎えです。
「さるっ子富士」は、今年の干支の猿と「災厄が去る」にちなんでいます。 さるっ子には、厄や災い、病気が去りますように、子宝に恵まれますようにと、飾りやお守りとして作られているそうです。 また、「さるっ子」の数は、町の世帯数と同じ3662個です。
「さるっ子富士」の周囲は、所狭しと色とりどりの吊し雛が飾られていました。 約6万個のつるし雛が飾られているとのことです。 また、つるし雛飾りが飾られている奥に「奥の院」が設けられています。 おんじゅく屋の入口近くのつるし雛の会場とは全く異なる、静かな雰囲気を味わうことができます。 奥の院には折り鶴の吊し飾りなど、静かな感じの飾り付けでした また、入口右手には「月の沙漠」の飾り付けも登場していました。
「月の沙漠記念館」のひな飾り
御宿の「つるし雛めぐり」ではスタンプラリーが行われており、おんじゅく屋以外の10カ所めぐると手作り品のプレゼントがあります。 御宿駅からメイン会場に来る途中のレストラン等では、つるし雛が店内に飾られており、店内には入りにくい感じでしたが、これらのお店は協賛店でした、 スタンプラリーの会場になっている商店では、店内にも気楽にはいることができるようです。
今年は展示会場の一つ「月の沙漠記念館」を訪ねました。 「月の沙漠記念館」は、御宿をこよなく愛した詩人加藤まさをの作品や資料の展示・公開をはじめ、御宿にゆかりのある文人や画家たちの紹介など、御宿の再発見と新しい文化の創造を目指して建てられた夢とロマンあふれる記念館です。 入館料は400円ですが、ひな祭りのイベントの期間中は無料とのことです。 「月の沙漠記念館」にも数多くのつるし雛が飾られていました。
「月の沙漠記念館」の傍の御宿海岸に「月の沙漠記念像」があります。 「月の沙漠」は、大正から昭和初期に叙情的な挿絵画家として人気を博した加藤まさをが、講談社発行の雑誌『少女倶楽部』の大正12年(1923年)3月号に発表した詩と挿画からなる作品です。 この詩に、当時まだ若手の作曲家であった佐々木すぐるが曲を付けたことで、童謡としての「月の沙漠」が生まれました。
御宿の海岸
月の沙漠記念館
御宿海岸近くのホテル
当初は児童の音楽教育の中で使われていましたが、昭和2年(1927年)にラジオ放送されたことから評判となり、昭和7年(1932年)に柳井はるみの歌唱で録音、レコード化され、より一般に知られるようになりました。 その後も童謡として長く歌い継がれ、世代を超えて支持される歌の一つとなっています。 「月の沙漠」は御宿海岸がその舞台となったといわれています。
月の沙漠記念像
御宿海岸には、「月の沙漠」に登場する2頭のラクダに乗った王子と姫をあしらった像が建てられています。 像から10メートルほど離れたところに「月の沙漠」の冒頭を刻んだ月形の詩碑があります。 詩碑は加藤まさをの直筆です。
関連のホームページ おんじゅく まちかど「つるし雛めぐり」 アクセス メイン会場はJR外房線御宿駅から徒歩10分 今年は「勝浦ビックひな祭り」と合同開催ということで、勝浦会場と御宿会場の間に無料シャトルバスが運行されていました。 風来坊