翌年、手塚は豊島区雑司が谷のアパート並木ハウスに転居します。その際、トキワ荘の空いた部屋の敷金をそのままにしておくからと、藤子不二雄に入居を勧めます。彼らが喜んで、憧れの手塚の部屋に入居したのは有名な話です。
手塚が入居すると、「漫画少年」への投稿仲間であった若い漫画家が次々とトキワ荘にやってきました。寺田ヒロオ、鈴木伸一、森安なおや、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、水野英子、よこたとくお等が、漫画家を志して入居します。20歳前後で上京した彼らは、お互いに励まし合いながら創作に打ち込みました。ひたむきに仕事に取り組み、仲間と集う日々は、笑いと活気に満ちたものでした。
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