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入谷朝顔まつり (H26.7.6)


入谷朝顔まつり



入谷朝顔まつり



入谷朝顔まつり

東京・下町の夏の風物詩「入谷の朝顔まつり」は、毎年7月の6,7,8日の3日間に開かれます。

この朝顔まつりは、入谷鬼子母神を中心として120軒の朝顔業者と100軒の露店(縁日)が並び、毎年約40万人の人出で賑わうとのことです。



入谷朝顔まつり



入谷朝顔まつり


入谷の朝顔まつりはその大部分が、言問通りに面した歩道上で行われています。

言問通りの車線1車線分と歩道の半分に、朝顔を並べた店が建ち並びます。

残りの幅1mほどの歩道を朝顔まつりに訪れたお客さんが歩くことになります。

しかも、それぞれの店の前で、お客さんが朝顔を購入するわけですから、歩道上は身動きできないほどの混雑となります。


入谷朝顔まつり



入谷朝顔まつり

入谷の朝顔、まつりでは、朝顔まつり期間中に言問通りが車両通行止めになる時間帯があります。

今年は、次の時間帯が車両通行止めとなりました。

7月6日(日)11:00〜21:00
7月7日(月)17:00〜21:30
7月8日(火)17:00〜21:30



入谷朝顔まつり



入谷朝顔まつり


車両通行止めになりますと、朝顔市の歩道と露店の並んでいる歩道とが自由に行き来できますし、朝顔も車道に幅広く並べられます。

朝顔市は朝5時から開催されており、朝早く行くのが良いのですが、今年はイベントを開催することもあって、車両通行止めになる11時過ぎに入谷の朝顔祭りを訪ねました。

日曜日ということもあって、歩道側のみでなく、車道側でも多くの方が朝顔を買い求めていました。


入谷朝顔まつり



入谷朝顔まつり

朝顔市では、売られる一方から、次々と朝顔が持ち込まれ、店は活気を呈しています。

朝顔祭りでもほおづき市と同様に若い売り子が大人気のようです。

朝顔祭りでは店に番号が付けられています。

販売した朝顔に責任を持つと共に、購入して帰った朝顔が良かった場合に、翌年も同じ店で購入できるための配慮のようです。



入谷朝顔まつり



入谷朝顔まつり


朝顔

朝顔はヒルガオ科の一年草でツルは左巻きです。原産地は熱帯アジアか、西南中国からヒマラヤにかけての暖かい山麓地帯ではないかといわれています。

朝顔は、奈良時代に中国から遣唐使によって伝来したといわれています。当時はこの朝顔の種子が下剤用の漢方薬として使われていたようです。

薬として伝来してきた朝顔が、鑑賞用として栽培されるようになったのは江戸時代になってからです。


ルコウ咲



入谷朝顔まつり



入谷朝顔まつり



入谷朝顔まつり

朝顔の種のことを中国名で牽牛子「ケンゴシ」または「ケニゴシ」といい、和名を阿佐加保と書き、のちに朝に咲く花であることから朝顔といわれるようになりました。

また朝顔はケンゴシの花ということで、別名を牽牛花(けんぎゅうか)ともいわれています。

牽牛花は、七夕の牽牛・淑女の、牽牛の花と書きますので、朝顔市は七夕の前後の3日間、7月6日〜8日に開催されるようになったとのことです。


入谷の朝顔

薬用として導入された朝顔は、当初は青色のみでしたが、その後、赤や白などが出現し、文化・文政の頃より観賞用植物として盛んに栽培されるようになりました。

「入谷の朝顔」「あさがおの入谷」と世に宣伝されるようになったのは、明治の中期とのことです。

この入谷の朝顔が有名になったのは、植木師成田屋留次郎の活躍によるとのことです。


入谷朝顔まつり



入谷朝顔まつり



入谷朝顔まつり



入谷朝顔まつり

成田屋は、変化咲の名人であるばかりでなく、現在でいうルポライターです。

「三都一朝」を著し、江戸・京都・浪花から84品種を選び、田崎草雲の画を以って図説を行いました。

さらに「雨地秋」で、江戸・浪花の珍品を紹介し、「都鄭秋興」では野村文紹の画によって、各地124品種を紹介しております。

また、「花合せ会」などを各地で開いたプロディーサーでもあり、入谷朝顔の始祖ともいえる人物です。


なぜ、入谷で朝顔が盛んになったのかについては

第一に、江戸の郊外であるため、人々が早朝、朝顔を見に来やすかったこと。

第二に、上野の山のふもとで、雑木の落葉が水路などに堆積し、その土が、朝顔の栽培にとても適していたこと。

などが考えられるそうです。


入谷朝顔まつり



入谷鬼子母神



入谷鬼子母神



入谷鬼子母神

入谷朝顔の復活

戦争により、東京は無惨にも破壊し尽くされ、江戸以来の情緒も、下町の人情も消え失せてしまいました。

昭和22年に入って商店街の再建と共に人心の荒廃を療すべく「入谷の朝顔」の再建に努め、「美しい自然を取り戻そう。花を愛してやさしい心を育てよう」と焼けた街路樹の跡や、空地に種を捲き、人々に配ったそうです。こうして、「入谷の朝顔」が復活しました。


昭和23年より朝顔を中心とした植木の市が7月6・7・8日に行われ、現在は朝顔のみを売る朝顔市になりました。

しかし、7月上旬は、一般に朝顔の咲く時期ではないため、当初は大変苦労をしたようです。現在では、ビニールハウスの利用や栽培技術の発展により、毎年立派な朝顔を咲かせています。


入谷鬼子母神



歩行者天国になった入谷朝顔まつり会場



入谷朝顔まつり会場は大賑わいです



入谷朝顔まつり会場は大賑わいです

入谷朝顔と入谷鬼子母神

朝顔と鬼子母神の関係はかなり古いようです。鬼子母神は、あらゆる魔障調伏、特に安産や子育ての神として、多くの人々に厚く信心されて現在に至っています。

明暦の大火の後の元治2年(1865年)に仏立山真源寺が、ここに開基され、更に参詣人が増えお詣りの帰りに朝顔を見物し、朝顔を見てはお詣りするという具合で、参詣人目当ての朝顔せんべいなどが売られそうめん、きそばなどと共に名物となっている事を浮世絵などに描かれています。



入谷朝顔まつり会場は大賑わいです


鬼子母神は、人の児を奪い取っては食べてしまう悪神でが、お釈迦様の教化によって善人になり、かえって小児を守る神となったので、虫封じや御弟子入りを祈願する人々が毎日の様に来られました。

入谷の神は「恐れ入谷の鬼子母神」と洒落言葉にある様に庶民の親しみを受け、「鬼」から、「ノ(つの)」を取った様に、生物の無常の中に風流風雅の美意識を育て、一方で農耕民族特有の包み込むような母性を持った日本人の性質をよく示していると思われるのが、朝顔の風情とよく合致しています。入谷の朝顔市が切っても切れない関係で発展して来たのもこうした因縁が感じられます。


入谷朝顔まつり



入谷朝顔まつり


入谷朝顔まつり



入谷朝顔まつり

アクセス

東京メトロ日比谷線入谷駅から徒歩2分

JR鶯谷駅南口から徒歩5分

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     風来坊


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