鬼子母神は、人の児を奪い取っては食べてしまう悪神でが、お釈迦様の教化によって善人になり、かえって小児を守る神となったので、虫封じや御弟子入りを祈願する人々が毎日の様に来られました。
入谷の神は「恐れ入谷の鬼子母神」と洒落言葉にある様に庶民の親しみを受け、「鬼」から、「ノ(つの)」を取った様に、生物の無常の中に風流風雅の美意識を育て、一方で農耕民族特有の包み込むような母性を持った日本人の性質をよく示していると思われるのが、朝顔の風情とよく合致しています。入谷の朝顔市が切っても切れない関係で発展して来たのもこうした因縁が感じられます。
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