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日向薬師地区の彼岸花
「日向薬師の彼岸花」は、伊勢原市の日向薬師付近に自生している彼岸花の総称で、彼岸花群生地も日向地区、藤野地区、洗水地区などに8ヶ所ほどあります。 彼岸花自生地のメインは、小田急線伊勢原駅から「日向薬師行き」の路線バスに約25分乗車した終点付近に拡がる日向地区です。
日向地区には路線バス終点の日向薬師停留所から上流に棚田のような感じで拡がる田園地帯のエリア、その対岸のエリア、そしてバス終点の日向薬師停留所から上流に向かって右側にある白髭神社付近の3ヶ所の群生地があります。 日向薬師に登っていく参道は、日向薬師停留所から50mほど下流です。
今年は9月21日に日向薬師の彼岸花を見に行くイベントを早々と計画したことから、彼岸花の見頃の時期とうまく合致するのか心配でした。 今年は9月に入って寒気が南下したことから、午後になると雷雨に見舞われる日が多くて日中でも気温が下がりました。 しかも夜になると気温の低い日が多かったことから、彼岸花の開花が随分早くて、21日は丁度見頃を迎えていました。
今年は10人余のグループで訪ねたことから、伊勢原北口発10時15分のバスに乗車する予定でした。 10時に伊勢原駅に集合してバス停留所に向かってびっくりです。長蛇の列です。大山ケーブル下行きバス利用者の行列かと思ったところ、日向薬師行きバスにも長蛇の列です。 1便やり過ごして、10時35分発のバスにどうにか乗車することができました。
10人余のグループですから、帰りのバスが満員だと大変だと思い、下流から上流に向かって進むことにしました。 「洗水バス停」で下車して、100mほど日向薬師の方向に進み、右手の路地を50mほど進んだ左手が「洗水地区」の彼岸花の群生地です。
洗水地区の彼岸花
洗水地区は日向地区ほど広くはありませが、田圃の中に散策路が設けられており、非常に近くから彼岸花を撮影することができます。 また、畦道のみでなく、棚田の岸に彼岸花が群生しているのが特徴です。 今年の彼岸花は開花が早く、洗水地区の彼岸花は見頃を迎えていました。 また、稲穂は殆ど刈り取られていなかったため、稲穂と彼岸花のコラボレーションを楽しむことができました。
洗水地区の田圃の一番高いエリアに蓮池があります。 この蓮池の周りは公園のようになっていて散策路が設けられています。 この散策路に沿って彼岸花が群生していますが、散策路の入口がわかりにくいため、そのまま通過する人も多いようです。 ここの彼岸花も見頃を迎えていました。
洗水地区の一番高いエリアから、「藤野地区」に行くことのできる散策路があります。 洗水地区から藤野地区に進む場合は、途中に数カ所案内板がありますので、案内板を見ながら進むのがベターです。 途中、この細い路地に入るのかな?と思われる場所がありますが、小川に沿って進むと「藤野地区」に出ることができます。
藤野地区は日向川の両岸に彼岸花が咲いています。 日向川の右岸は田園の周りに彼岸花が咲いていますが、今年は一部のあぜ道の彼岸花は刈り取られている感じでした。
藤野地区の日向川の左岸は田園の周りのみでなく、少し高い場所にある住宅地と田園との間にある岸にも彼岸花が咲いています。 このエリアにはコスモスなどいろいろな花の咲いている場所もあります。 藤野地区の日向川左岸の彼岸花エリアから、急な坂道を上って日向地区に行くことができます。
洗水地区の光景
藤野地区から道路脇に咲いている彼岸花を眺めながら、1Kmほど上流に進むと「日向薬師」のバス停留所です。 「日向薬師」バス停留所から上流に拡がっているのが、日向薬師の彼岸花のメインである「日向地区」の彼岸花です。
藤野地区の彼岸花
「日向地区」では、棚田状に拡がる田圃の畦道に彼岸花が咲いており、まさに田園地帯の彼岸花を楽しむことができます。 日向薬師の彼岸花は人気で混雑することから、田圃の周りの農道が一方通行の散策路になっており、この散策路に沿って田園地帯に咲く彼岸花を楽しむことができます。 日向地区の稲はすでに刈り取られていましたが、それでも畦道に咲く彼岸花を楽しむことができました。
彼岸花は中国が原産地で、稲作に伴って日本に伝来してきたものと考えられています。 彼岸花が田の畦で咲いているのは偶然ではなくて、それなりの意味があります。 ノネズミやモグラに田の畦に穴をあけられては、田に張った水が流れ出てしまい、水稲を育てることができなくなります。 このため、ノネズミやモグラが近づくことができないように、有毒な彼岸花を畦に植えたのです。
彼岸花は球根から花までアルカロイドのリコリンを中心とした有毒成分が含まれています。 このため。ノネズミやモグラに田の畦を荒らされなくなるのです。 田の畦に、咲く彼岸花は、稲作を守るための先人の知恵だったということができます。 彼岸花の花茎の汁に触れた場合は、有毒成分によって皮膚炎を起こすことがあるので要注意です。
この彼岸花の毒は水によく溶けるため、球根をよく水にさらせば食用にすることも可能です。 しかしながら、彼岸花の球根は普段は食べるのではなく、大飢饉の時に非常用食料とされたようです。
日向薬師地区・蕎麦畑と彼岸花
彼岸花は気温が下がると成長が始まります。台風による長雨などの影響で、8月中旬から下旬にかけて気温が低くなると開花が早まります。 逆に9月上旬になってからも残暑が続くと、彼岸花の開花が遅くなる傾向にあります。
日向薬師の彼岸花
このように、彼岸花の開花時期は天候に左右されるようですが、例年秋のお彼岸の頃に見頃を迎えることが多く、「彼岸花」と呼ばれる由来のようです。 今年は9月に入って涼しい日が多かったため、彼岸花の開花が随分と早く、お彼岸の時期が待たずに日頃を迎えてしまいました。
彼岸花は曼珠沙華とも呼ばれていますが、この呼び名は仏教の梵語から来たもので、天界の美しい花を意味しています。 また、彼岸花は昔から稲作と深い係わり合いを持つ植物であることから、日本各地でそれぞれ呼び名が異なり、1000種類の呼び名があると言われています。
日向薬師の萩
アクセス 小田急線伊勢原駅から「日向薬師行き」バスで約25分。 終点の「日向薬師駅」で下車すると周囲に彼岸花が拡がっています。 駐車場 日向薬師折り返しバスターミナルに約15台の無料駐車場あります。 また、洗水地区の近くの県能力開発センターにも臨時の駐車場があります。 こちらは30台以上駐車できるようです。 風来坊