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森のひなまつり (H26.2.25)


南足柄市郷土資料館



お雛様のお出迎え

森の会場の「郷土資料館ひなまつり」は、「南足柄市郷土資料館で」2月15日(土)〜3月30日(日)の間。開催されています。

「瀬戸屋敷ひなまつり」の開催されている3月3日(日)までは休館日はありませんが、その後は3月10日(月)、17日(月)、24日(月)、25日(火)が休館日となっています。

開館時間は午前9時から午後4時30分までで、最終入館は午後4時です。



かまくらのお雛様も


かまくらのお雛様も



森のひなまつり


南足柄市郷土資料館は、足柄森林公園「丸太の森」園内にあり、豊かな自然の中で、足柄地域の歴史と文化を紹介している施設です。

古代から近世にかけての東西交通の要衝・足柄越えの「足柄道」、「金太郎のふるさと伝説」で知られる南足柄の考古、歴史、文化を大型模型や映像を交えて、わかりやすく展示、紹介しています。


森のひなまつり



森のひなまつり



森のひなまつり



森のひなまつり

また、年4回特別展示が開催されており、その一つが今年で9回目を迎える「森のひなまつり」です。

今回から「雛(ひいな)の館 森のひなまつり」として新たなスタートとのことです。

江戸時代の享保雛や明治、大正、昭和50年代までのお雛様、宮中を模した御殿飾り、そして和紙雛人形、郷土色豊かな雛人形など展示の種類も豊富です。

その展示数は神奈川県でもトップクラスとのことです。



森のひなまつり



森のひなまつり


館内には市民などから寄贈された雛人形が展示されています。

明治・大正・昭和と、震災や戦争の中を守り伝えられたもの、長い年月の間に衣装が褪色したり、傷ついたり、道具が失われてしまったものもありますが、親から子、子から孫へと受け継がれ、現在郷土資料館で保存しているものが展示されています。


森のひなまつり



森のひなまつり



森のひなまつり



森のひなまつり

郷土資料館に展示されている雛人形は、男雛(お内裏さま)と女雛(おひなさま)の並び方が違います。

向かって右が男雛、左が女雛という伝統的な並び方から、向かって右が女雛という並び方に変わったのは、大正時代から昭和の初め頃とされています。

このため、郷土資料館では、明治・大正時代の雛人形は向かって右が男雛、左が女雛、昭和時代は現在の並び方としているとのことです。


今年は2月に2回の大雪があり、2回目は14日(金)から15日(土)にかけてで、平野部でも30cm以上積もりました。

郷土資料館の雛祭りを見に行ったのは、大雪から10日を経過した25日(火)でした。

瀬戸屋敷付近では、雪はほとんど残っていませんでしたが、山の中腹にある郷土資料館に近づくにつれて雪があり、郷土資料館の周囲は30cm程度の雪が残っていました。


森のひなまつり



森のひなまつり



森のひなまつり

このため、郷土資料館の周囲では積雪を利用して小さなカマクラが作られており、その中に飾られたお雛様が出迎えてくれました。

郷土資料館には残雪の時期に来たことがありますが、カマクラのお雛様のお出迎えは初めてでした。



森のひなまつり


森のひなまつり



森のひなまつり


今年の特別展示は、「松本押絵雛」です。

長野県阿智村からの来館です。

押絵とは、人物や花鳥などの形を厚紙で作り、これを布でくるみ、中に綿をつめて高低差をつけ立体的に張り付けたもののことです。


森のひなまつり



森のひなまつり


森のひなまつり



森のひなまつり


森のひなまつり



森のひなまつり



森のひなまつり



森のひなまつり

松本の押絵雛は、天保年間(1830〜1844年)に始まったとされ、浮世絵を基にして小さな押絵雛が作られていました。

その隆盛は明治時代中期で、内裏雛をはじめ、歌舞伎や軍記物の一場面を題材にした大型の押絵が大量に作られるようになり、松本の特産品として県外にまで広く知られていました。


しかし、明治時代後期に鉄道が開通し、近代的な雛人形が流通すると次第に衰退し、昭和の初めごろに制作が一時途絶えてしまいました。が、昭和30年代、民家や博物館に残る押絵雛を参考にその技術を復活・復元し、現在に至っています。

また、松本押絵雛の特徴は、人形の後ろに竹串がついていて、台に立てて飾ることだといわれています。

なお、押絵雛の発祥の地は京都ともいわれ、江戸時代後期には松本だけでなく、全国各地で庶民の雛人形として作られていましたが、その多くが早くに衰退してしまったようです。


森のひなまつり:中野土人形



森のひなまつり:中野土人形


森のひなまつり:中野土人形



森のひなまつり



森のひなまつり



森のひなまつり

今年も亨保雛と裃雛が飾られていました。


享保雛

享保雛は、江戸時代中期、亨保年間(1716年〜35年)に流行した50cm前後の大型の雛人形です。

「亨保雛」の名称は明治時代に付けられたもので、必ずしも亨保年間に作られたものとは限らないとのことです。


しかし、江戸時代の作品であり、非常に希少価値の高いもので、現存している数少ない人形の一つです。


男雛は束帯に似た装束で、両袖を左右に張っています。

女雛は五衣・唐衣に似た衣装で、袴は綿を入れ丸くふくらませて、両袖を左右に張り、冠をかぶり、檜扇を持っています。

男女とも面長の能面風の顔立ちで、この頃より墨で塗られていただけの頭部に髪の植え付けが一般化しました。


森のひなまつり



森のひなまつり



森のひなまつり



森のひなまつり

裃雛

幕末に岩槻市(埼玉県)の人形師・橋本重兵衛が考案したと伝えられる目の大きな童顔の裃を着た人形です。

頭や手は練り物製で綿襦珍(襦子地に色糸の模様を浮き織りにした綿織物)の着物を着せた裃雛は、衣装着の雛人形に比べ安価だったため、明治時代から大正時代にかけて関東地方を中心に流行しました。

雛といっても一対のものではなく、女の子が生まれると親戚や知人から贈られたものでした。



和紙雛人形


南足柄のひなまつり

南足柄の昭和の初め頃の「ひなまつり」は、初節句に親元から贈られた雛人形とともに、仲人やカネオヤ、親戚などから贈られた「浦島太郎」などの人形を雛段に飾り、菱餅や白酒・アラレを供えました。

そして、仲人・カネオヤ・親戚・親元や組の人を招き、赤飯をふかし、餅をついて、ご馳走を振る舞い祝われたようです。



和紙雛人形



和紙雛人形


和紙雛人形



和紙雛人形


和紙雛人形



和紙雛人形



和紙雛人形

「羽子板」は、病気を跳ね除け、健やかな成長への願いを込めて女児の初正月に贈られるもので、さまざまな災厄を跳ね除ける意味からも正月に飾る習わしがありますが、足柄地方では昔から、ひなまつりにも「羽子板」を飾ります。かつては親戚などからも贈られたため、複数枚の華やかな羽子板が雛段に添えられました。

さらに、足柄地方では、美しい娘姿の「女物」の羽子板に、曽我五郎や弁慶といった「男物」羽子板を一対にして贈る珍しい慣わしもあります。


なお、南足柄の内山地区では、4月3日(旧暦)にひなまつりが行われています。


アクセス

伊豆箱根鉄道大雄山線「大雄山駅」から、道了尊行きバス(おんりーゆー経由)で、「おんりーゆー」下車、徒歩6分

大雄山駅発のおんりーゆー経由のバスは1日8本程度です。

時刻表等の細部は郷土資料館のホームページに掲載されています。


和紙雛人形



和紙雛人形


和紙雛人形



松本押絵雛



享保雛



裃雛

シャトルバス

郷土資料館と瀬戸屋敷ひなまつり会場との間で無料シャトルバスが運行されています。

2月15日(金)〜2月18日(月)は30分間隔

2月19日(火)〜3月3日(日)は20分間隔

細部は次のサイトの「交通アクセス」に掲載されています。



花車


さいし


入館料

300円

関連するホームページ

 南足柄市郷土資料館



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