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岩殿山 その1 (H23.11.25)

岩殿山城跡


岩殿山



JR大月駅からの岩殿山

岩殿山は相模川水系の桂川と葛野川とが合流する地点の西側に位置しています。

頂上の南側直下は鏡岩と呼ばれる礫岩が露出した約150mの高さの崖で、狭い平坦地を挟んで、さらに急角度で桂川まで落ち込んでいます。

大月駅からも間近にその姿を眺めることができますし、中央自動車道からも間近に眺めることができます。


岩殿山山頂までは大月駅から徒歩で約1時間です。

山頂からは富士山を望むことができ、山梨百名山、秀麗富士十二景にも選定されています。

山の南側と桂川の狭い場所に中央自動車道が通っていますが、1972年2月末に岩殿山で大規模な地滑りが発生し、相模湖ICと大月ICの間が6ヶ月に渡り全面通行止めとなりました。


国道からの岩殿山 登山口は岩殿山の右下



登山道入口 いきなり階段ですが緩やかです

岩殿山城は標高634mの岩殿山に築かれた山城です。

東京スカイツリーと同じ高さの山の上に築かれたお城です。

小山田氏の居城であり、戦国時代には東国の城郭の中でも屈指の堅固さを持っていたことで知られていました。



上り始めて2つ目のカーブで富士山のビューポイント


岩殿山は初め、9世紀末頃天台宗の円通寺として開創されたと伝えられており、13世紀に入ると天台系聖護院末の修験道の場として栄えており、16世紀になって大名の領国支配制が成立すると武田・小山田両氏の支配を受けるようになりました。

築城は戦国時代の1530年代に武田氏の親族衆の扱いを受けた小山田氏によると考えられています。


登山道入り口付近からの岩殿山



緩やかな登山道が続きます

大月は武蔵国など関東地方へ至る街道が交差する要衝に位置し、甲府盆地と異なる地域的まとまりをもっていました。

小山田氏は当初は武田氏に対抗していたが、永正6年(1509年)に武田氏の傘下に入りました。

その後は、軍事的に武田氏が相模の北条氏や駿河の今川氏、武蔵の上杉氏らと争った際の衝突地点となり、国境警備の役割を果たしました。


東西に長い大きな岩山をそのまま城にしており全方面が急峻で、南面は西から東までほとんどが絶壁を連ね、北面も急傾斜となっています。

東西からは接近できますが、それも厳しい隘路を通らなければならない地形です。

各種の防御施設が配されましたが、天然の地形のせいで郭も通路も狭く、大きな施設の余地はありませんでした。周囲には集落や武家館が点在していたと考えられています。


岩殿山公園入口



岩殿山公園からの展望



岩殿山公園からの岩殿山



岩殿山ふれあいの館

天正10年(1582年)に織田軍が甲斐に侵攻したときに小山田信茂は織田方へ寝返り、岩殿山城へ落ち延びてくる武田勝頼を郡内に入れず、進退に窮した勝頼は天目山で自害しました。

武田家を滅亡させることに深く関わった小山田信茂ですが、この戦いの後、織田信長により処刑されました。

江戸に幕府を開設した徳川家康は、緊急事態の際には甲府への退去を想定しており、江戸時代にも岩殿山城は要塞としての機能を保っていました。


大月駅を出て最初の信号を左折し、2つ目の「高月橋入口」の信号を左折すると正面に岩殿山を望むことができます。

岩殿山は標高634mですが、大月駅の標高が358mですから、それほど高く感じません。

桂川を渡って200mほど進んだところが、岩殿山登山口です。


鏡岩



おや! こんな看板が

登山口から山頂までの登山道は良く整備されており、石段も緩やかで、家族連れでも気軽の登れそうな感じです。

また、登山道には数多くの富士山のビューポイントがあります。

この日は快晴でくっきりとした富士山を眺めることができました。



登山道からの展望 手前中央が大月駅



登山道からの富士山


頂上までの中間付近に「岩殿山ふれあいの館」があります。

岩殿山ふれあいの館は大月市制40周年記念事業として建てられたもので、1階が映像ホール、2階が展示室となっており、映像ホールではプラネタリウムを楽しむことができます。


岩殿山山頂も間近です



兜岩、岩殿城跡の分岐点

ここで大月市内の登山地図や岩殿山の案内を貰うことができるようですが、時間が早くて開館していませんでした。

岩殿山ふれあいの館から15分ほど登ったところで、登山道が「兜岩」と「岩殿城跡」に分岐しています。



城門跡・揚城戸跡


「岩殿城跡」方向に2分ほど進んだところが、自然の岩石を利用した岩殿城の城門跡「揚城戸跡」です。

岩殿城は自然の断崖が巧みに利用されていて、東国屈指の堅固さだったことが納得できる場所です。


上部から見た城門跡



岩殿山山頂からの展望 



岩殿山山頂からの展望



岩殿山山頂

「城門跡」から2分程度で岩殿山山頂です。

山頂は広場や休憩所もありゆっくりすることができます。

この山頂への往復であれば、軽装でも十分です。



岩殿山山頂からの展望 大月市の東部地域 左手前が桂川及び中央自動車道



岩殿山山頂からの展望 大月の市街


頂上からの展望は素晴らしいものがあり、ここからも富士山を見ることができます。

山頂の少し奥に「馬場跡」がありました。

本城内で一番広い面積を有し、馬や兵士の訓練場とされたとのことですが、30m×10m程度の狭い場所です。

本丸跡はこの先のようですが、今回はパスしました。


岩殿山山頂



岩殿山馬場跡


関連するホームページ


 大月市観光協会


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        風来坊

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