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目覚めの床 (H23.10.1)


寝覚の床



寝覚の床



寝覚の床

「寝覚の床」は、木曽川の激流が花崗岩の岩盤を長い年月にわたって浸食してできたもので、国の史跡名勝天然記念物に指定されています。

岩盤に見られる水平方向と垂直方向に発達した方丈節理(割れ目)やポットホール(甌穴・対岸の岩にあいた穴)は、日本でも代表的なものです。


現在の寝覚の床の姿は、水力発電のために上流にダムが設けられ、木曽川の水位が下がったために現れたものです。

かつては急流であった木曽川の流れも、ダムによって緩やかな流れになっています。

そして巨大な花崗岩の白と、川面のエメラルドグリーンが絶妙な色彩を醸し出しています。


寝覚の床



寝覚の床



寝覚の床



寝覚の床

また、俳人正岡子規が「誠やここは天然の庭園にて・・・・・仙人の住処とも覚えて尊し」と感じ入ったこの絶景は、古くから浦島太郎の伝説の舞台としても有名です。

竜宮城から戻った浦島太郎は、諸国を旅して廻り、途中で立ち寄った寝覚の里の美しさに惹かれて、ここに住むようになりました。



寝覚の床


ある日、昔のことを思い出して岩の上で玉手箱を開けたところ、中から出てきた煙とともに、見る見る浦島太郎は300歳の老人となってしまいます。

浦島太郎には、今までの出来事がまるで「夢」であったかのように思われ、目が覚めたかのように思われました。


寝覚の床



寝覚の床のポットホール



寝覚の床のポットホール

このことから、この里を「寝覚め」、岩が床のようであったことから「床」、すなわち「寝覚の床」と呼ぶようになったと伝えられています。

中央の花崗岩の上の杉の間にある小さな祠は、その浦島太郎をまつる「浦島堂」です。


寝覚の床は、白々とした大岩、奇岩が並び立っていますが、これらの岩を上り下りして渡り歩くことができ、さまざまな角度から景観を楽しむことができます。

寝覚の床で一番高い場所にある浦島堂にも行くことができますが、ポットホールのある対岸に渡ることはできません。


寝覚の床のポットホール



寝覚の床から木曽美術館を望む



JR中央西線の特急列車通過中

寝覚の床は、JR中央西線上松(あげまつ)駅に南2km、徒歩30分のところにあります。

上松駅から国道19号線に沿って南方向に進み「寝覚の床」の信号を左折すると臨川寺境内となります。



寝覚の床


臨川寺は寝覚の床を見下ろしように建っている臨済宗妙心派の寺です。

浦島太郎が変わり果てた自分の姿を見て旅立ってしまったが、後に残されていた弁財天の像を祀ったのが開基と伝えられています。

境内には松尾芭蕉、正岡子規、種田山頭火の句碑、姿見の池などがあります。

境内の奥の降り口から寝覚の床への近道が通じています。


寝覚の床



浦島堂

「寝覚の床」の信号から50mほど進んだ右手のドライブインに「レストハウス木曽路」「木曽路美術館」があります。

「木曽美術館」の横の急な階段を下りていくと、臨川寺からの道と合流し、寝覚の床に行くことができます。

美術館の横から寝覚の床を一望することができます。

美術館のすぐ下方をJR中央西線が走っていますが、電車の車窓からも一望できます。



寝覚の床 屏風岩


国道19号線をさらに進んでいくと、右手にガソリンスタンドがあり、その横から町営駐車場に降りることができます。

ここから遊歩道に入り、案内板にしたがって進むと公園を経由して寝覚めの床に辿り着きます。

ここからは「裏寝覚」にも行くことができますが、法面一部崩壊のため、遊歩道が立ち入り禁止になっていました。


寝覚の床から下流を望む



美術館傍からの展望



美術館傍からの展望



臨川寺弁財天

寝覚の床から1kmほど南に木曽八景の一つ「小野の滝」があります。

中央アルプス木曽駒ヶ岳に源を発し、国道19号線のすぐ脇に流れ落ちる滝です。

広重・栄泉合作の中山道六十九次の浮世絵にも上松としてこの小野の滝が描かれているとのことです。



浦島太郎旧縁


浦島太郎姿見の池


寝覚の床のある上松町は、江戸時代は中山道六十九次で38番目の宿場町でした。

上松は木曽檜の産地として古くから知られており、江戸時代になると築城、城下町の造営などで高まった木材需要によって重要な拠点となりました。

このため、旅人のみでなく木材関連の多くの仕事人の宿場として栄え、旅籠は35軒あったとのことです。


浦島太郎の釣り竿



小野の滝



上松宿



上松宿旅館越後屋

上松宿は上町駅の北にある十王橋から上町、本町、仲町、下町と続いていましたが、現在古い町並みが残っているのは上町です。

今回は時間の関係で上町を訪ねることができませんでしたが、寝覚の床近くにある越後屋とたせやを訪ねることができました。

中山道は国道19号線と平行して昔の街道が残されています。


アクセス

JR上松駅から徒歩30分
コミュニティーバスで「中山道ねざめ」で下車して徒歩10分


臨川寺

拝観料 200円

関連するホームページ

 上松町観光協会


       風来坊


上松宿民宿たせや


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