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入笠山山頂から富士山・南アルプスを望む
入笠山山頂から八ヶ岳連峰を望む
富士見パノラマリゾート
入笠山は長野県富士見町と伊那市に跨る標高1955mの山で、南アルプスの明石山脈の一部です。 南アルプスの一部といっても、他の山地に見られるような重厚かつ峻険な山の頂や、深い渓谷といった近寄りがたい雰囲気はありません。
入笠山にあるのは、山稜に点在する草原やのどかな放牧風景、スズランやレンゲツツジなど可憐な花々の集落です。 行楽シーズンである春から夏はもちろんのこと、秋には美しい紅葉、冬にはスキーやスノーボードを楽しむことができます。
山麓ゴンドラ駅
ゴンドラからの八ヶ岳連峰
ゴンドラから山頂方向を望む
そして何といっても特筆すべき点は、山頂からの展望、360度のパノラマです。 北アルプス、中央アルプス、南アルプスが眼前に美しく広がる素晴らしい展望は、息を呑む素晴らしさです。 入笠山は、山頂近くまでゴンドラリフトが通じていますので、比較的容易に夏山登山を楽しむことができます。
山麓の富士見パノラマからゴンドラを利用すれば、素晴らしい景観と空中散歩を楽しみながら、標高差730mを一気に登り、標高1780mの雲上の世界に到着します。 今回は、ゴンドラ山頂駅から「おすすめルート」の次のコースで散策しました。
ゴンドラ山頂駅そばの花畑
入笠湿原
入笠湿原 右手斜面がスズラン群生地
入笠湿原への出入り口
ゴンドラ山頂駅→15分→入笠湿原→10分→御所平峠登山口→30分→入笠山→20分→首切登山口→20分→大河原湿原(40分)→20分→首切登山口→10分→八ヶ岳ビューポイント→20分→入笠湿原→15分→ゴンドラ山頂駅 ルート距離は約7.4kmで、コースタイムは3時間15分です。
ゴンドラ山頂駅に着くと無料のステッキが用意されていましたので、ここでステッキを借りてスタートです。 ゴンドラ山頂駅から右手のレストランの傍らから散策路に入り15分ほど進むと入笠湿原です。 入笠湿原の入口はネットで閉鎖されていて、手動で開閉するようになっています。 「ニホンジカ等が入り込まないようネットの開け閉めをして出入りをお願いします。入笠山に生息する野生動物の区域と観光地とのすみわけをしています」と書かれていました。
入笠湿原の散策路
エゾリンドウ
ゴマナ
入笠湿原 入笠湿原は、入笠山麓の標高1730mにある、面積約1.85ヘクタールの湿原です。 湿原は文字通り「湿った草原」のことですが、変化していく状態によって「低層湿原」「中層湿原」「高層湿原」に区分されており、入笠湿原は「高層湿原」にあたるとのことです。 春から秋にかけてさまざまな草花が咲くことから、入笠登山とともに多くの人が訪れています。
「入笠湿原」という名前は富士見町や山小屋関係者によって、昭和52年(1977年)に名付けられました。 それ以来地元では、湿原や草原への立ち入りを防止する柵の設置や湿原への木道整備など、入笠湿原や周辺の草原保存・保護に努めており、スズラン大群落を始めとする多くの草花を増やすことに成功し、湿原植生は維持され、貴重な植物も生育しています。
アキノキリンソウ
ノハラアザミ
ウメバチソウ
入笠湿原の花暦は5月に始まります。 遅い春の訪れを告げるのはザゼンソウです。 ザゼンソウが咲き終わる5月中旬頃、ヒメイチゲやシロバナヘビイチゴが小さな花を咲かせます。 6月中旬にはスズランが開花します。湿原の中で最も広範囲な群落は西側斜面で、約80万株のスズランが咲き誇る様子はまさに圧巻です。
太陽が降り注ぐ夏にはヤナギラン、コオニユリ、ツリフネソウ、クサレダマなど、さまざまな花々が咲き競います。 マツムシソウが花開き始めると、湿原には秋が近づいてきます。 アケボノソウ、ツリガネニンジン、タムラソウが咲き、続いてエゾリンドウやノコンギクが咲き始めると入笠湿原は一気に秋の気配に包まれていきます。 風来坊の訪ねた9月7日はエゾリンドウが見頃を迎えていました。
花畑そばの紅葉軒
お花畑
入笠湿原から5分ほど進むと花畑です。 花畑の一番上部が御所平峠登山口です。 御所平峠から入笠山山頂までは約30分ですが、登り始めるといきなり急坂です。 ステッキを借りてきて良かったと感じた次第です。
急坂を5分ほど上るとやや坂の勾配が緩やかになります。 御所平峠から20分ほど進んだところで登山道が2つに分かれています。 岩場コースと岩場迂回コースです。 ステッキを借りてきましたので、岩場コースを登りました。 10分ほどで入笠山山頂に到着です。
岩場コースの険しい登り道
入笠山山頂からの展望 北アルプス 手前は諏訪湖
入笠山山頂からの展望 乗鞍岳〜北アルプス
入笠山山頂からの展望 中央アルプス
入笠山山頂からの展望 南アルプス〜富士山
北アルプス
標高1955mの入笠山山頂には、八ヶ岳、奥秩父連峰、富士山、南アルプス、中央アルプス、北アルプスと360度の大パノラマが広がっていました。 この日は雲一つない晴天で、素晴らしい展望を堪能することができました。
山頂で景色を楽しんだ後は、岩場迂回コースを100mほど下ったところで御所平峠に戻る道と分かれて、首切登山口に降りました。 首切登山道から右手に50mほど進んだところに「首切清水」があります。
中央アルプス
富士山
八ヶ岳連峰
蓼科山〜八ヶ岳連峰
入笠山山頂 1955m
昔、高遠藩の金奉行が江戸に参勤の藩主のもとへ金を届けるために、近道をして三義(みよし)から山の麓を経てここまで辿り、汗をぬぐい清水で喉をうるおさんと腹這いになったところを、後ろからつけて来た盗賊に首を切られたという伝説が残っています。
首切登山口から右手に約20分進んだところが大河原湿原です。ここは車両の通行する広い道路です。 大河原湿原 入笠山の南の標高1810mの高地に広がる約12ヘクタールの湿原です。 約3億年前に形成された地質で、秩父古生層に属しています。 湿原としてはすでに乾燥度が高く、老年時代に入っているため、植物層も低木が侵入しており、尾瀬などとは少し異なる性質の湿原とのことです。
首切清水
大河原湿原
湿原には観察用の遊歩道が整備されており、足を濡らさずに散策を楽しむことができます。 大河原湿原の周辺では、低木ではシラカンバ、ズナ(コナシ)、ヤナギ、レンゲツツジなどが繁茂し、草木類ではスズラン、クリンソウ、ヤナギラン、マツムシソウなどのほかに、天然記念物に指定されているモウセンゴケや全国的に有名なミズゴケ類があります。
大河原湿原から首切登山口に戻り、そのまま広い道路を10分ほど進むと八ヶ岳ビューポイントです。 広場があり休憩用のベンチも設置されています。
八ヶ岳ビューポイントから広い道路を15分ほど進むと左手が花畑です。 ここから散策路に入ってさらに5分ほど入笠湿原です。 入笠湿原から「ゴンドラ山頂駅近道」の表示にしたがって右手に折れて急な坂を上ると10分で、そのまま真っ直ぐ林の中の散策路を進むと15分でゴンドラ山頂駅到着です。
関連するホームページ 富士見パノラマリゾート ゴンドラ料金 ゴンドラ片道1000円、往復1600円。 ゴンドラの往復券を購入すると「入笠に咲く花」の小冊子がもらえます。
八ヶ岳ビューポイントから
八ヶ岳ビューポイントから 八ヶ岳連峰〜秩父連峰
八ヶ岳ビューポイントからの富士山
アクセス ゴンドラ運航期間(4月下旬〜11月上旬)の土・日・祝日には富士見駅から富士見パノラマまで無料シャトルバスが運行されています。 富士見駅から富士見パノラマまで徒歩50分 風来坊