散策スポット目次
HOME
前ページ
次ページ
チョウトンボ
チョウトンボは、チョウのようにひらひらと飛ぶことから、その名前が付けられたようです。 翅は青紫色でつけ根から先端部にかけて黒く、強い金属光沢を持っています。前翅は細長いですが、後翅は幅が広くなっています。 また、腹部は細くて短く、腹長は20〜25mmほどです。
チョウトンボは、チョウとトンボの中間のような恰好をしていますが、トンボ目・トンボ科に属するトンボの一種です。 また、メスには,光を受けたときの翅の色が青紫〜赤紫にかがやくものと,金色にかがやくものがあるとのことです。
止まっているチョウトンボの上に交尾中のチョウトンボが
国内では本州東北部から九州にかけて分布し、国外では朝鮮半島、中国に分布しています。 ある程度自然度の高い環境でないと、多数の個体は見られないとのことです。 昭和記念公園では日本庭園で毎年見かけることができます。
今年は8月8日と8月15日の2回、日本庭園にチョウトンボを見に行きました。 2回とも猛暑日の暑い日でした。 チョウトンボは暑い日は行動が活発だそうで、2回とも10頭以上のチョウトンボが飛び交っていました。
チョウトンボは、追いかけっこをしながら飛び廻っており、なかなか止まってくれません。 やっと止まったと思っても、警戒心が強いようで、近付くとすぐ逃げてしまいます。 また、止まっているところに他の種類のトンボが飛んでくると、すぐに飛び去ってしまいます。 したがって、チョウトンボの撮影は止まりそうなところでじっと待っているのが良いようです。
日本庭園にはチョウトンボの撮影スポットがいくつかあります。 日本庭園の奥の方にある橋の傍に、池の上に板で造られた散策路が設けられています。 このエリアには花菖蒲や葦などが生えており、チョウトンボの止まる場所がたくさんあります。 しかもここでは比較的近距離にチョウトンボが止まってくれます。
今回も、撮影スポットの一つである、この散策路で待つことにしました。 しかしながら、猛暑日の日射しの中では立っているだけでも汗が噴き出てきます。 8月8日は少し風がありましたので、やや涼しかったですが、逆にチョウトンボが止まろうとしても葉が揺れてなかなか止まれませんし、やっと止まっても風に吹かれてすぐ飛び立ってしまいます。 この日はあまり撮影することができませんでした。
8月15日は風がなくて暑かったですが、逆にチョウトンボが止まる回数が多くて撮影チャンスに恵まれました。 また、曇るとチョウトンボの活動が弱まって止まる回数も増えるようで、この日は時々太陽が雲隠れしたのが幸いしたかもしれません。 しかし、太陽の光線がないと鮮やかな羽の色が撮影できませんので、チョウトンボの撮影はなかなか条件が難しいです。
日本庭園の橋の袂にある四阿「昌陽」の前にハスが植えられていますが、このハスにチョウトンボが止まることがあります。 ハスの場合は風があっても揺れませんので、ゆっくり撮影することができますが、少し距離があります。 また、このハスは他のトンボの止まる場所でもあり、折角止まっても他のトンボに追われてしまうことが多いようです。
四阿「昌陽」から少し出口の方に進んだ場所に、飛び石を伝って池の上を移動できる場所があります。 この付近でもチョウトンボが飛翔しており、傍のモミジの木にチョウトンボが止まります。 この場所も風の影響が少なくて、撮影スポットかもしれません。 しかしながら、止まる枝によっては距離が遠かったり、手前の枝や葉に隠れてしまうことがあります。
トンボの成虫の寿命は3ヶ月程度と比較的長いです。 したがって、チョウトンボも、時期が遅くなるにしたがって、羽が痛んできます。 チョウトンボの撮影の時期としては、羽の痛みが少ない7月中旬〜8月上旬が狙い目かもしれません。 風来坊