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小山田神社周辺のハス田(下段)
小山田神社周辺のハス田は観光用のハス田ではなく、町田市の大賀藕絲館(おおがぐうしかん)が、館内で作成する手工芸品の材料にするために、大賀ハスの栽培、管理を農家に依頼しているハス田です。 水田を利用した自然のままのハス田ですが、広さが約5000平方メートルあり、約3000平方メートルの薬師池公園のハス池の2倍近くあります。
町田市の大賀藕絲館は昭和54年(1979年)に、大賀一郎博士著「ハス」にヒントを得て、藕絲織(ぐうしおり)を障害のある人たちの仕事とする職場作り目指して、開設したのが始まりです。
最初に、上野公園の不忍池のハスを譲り受け、薬師池公園でハス糸を作り、藕絲織を試作しました。 これに続いて、ハスの繊維を使った和紙(蓮紙)の試作に成功しました。 同時に紅花袋にも着眼し、山形県米沢の紅花研究所に、藕絲染色の研究を依頼し、紅花香袋第一号が完成しました。
1980年4月には大賀ハスと紅花の栽培を本格的にスタートさせました。 ここでは大賀ハスの栽培から加工、作品作りまで一貫して行われており、皆さんそれぞれの個性を活かしてすてきな作品を生み出しています。 ハスの実を使ったお手玉やハスのドライフラワーが最初の作品のようですが、その後、着々と製品を開発し、現在では約50種類の手作りの作品が製作されています。
小山田神社周辺のハス田(中段)
大賀ハス 昭和26年(1951年)、大賀一郎博士の指導のもとに、千葉県検見川遺跡から二千年前のハスの実が3個発見されました。 大賀博士の努力により、そのうち1個だけが翌年開花したことから「大賀ハス」として一躍世界的に有名になりました。
藕絲(ぐうし) ハスの茎から抜き出したクモの糸のような細い糸です。これを紡いで織ったものが「藕絲織(ぐうしおり)」です。天平時代の中将姫が當麻寺に寄進されたと伝えられる當麻曼茶羅が、最古の藕絲織として現存しています。 町田市では、古来からの染料である紅花で染色した藕絲織を使って「香袋」を製作し、「町田藕絲織」と名付けています。
小山田神社周辺のハス田(下段) 煙突は焼却場 その左手前が小山田神社
小山田神社周辺のハス田(上段)
小山田神社周辺のハス田(上段) 右前方が小山田神社
茄糸(かし) ハスの茎を苛性ソーダで1時間ほど煮て、茎の中の繊維を取り出します。 それをきれいに洗い、平たく延ばして乾燥させます。 この繊維を裂いて、寄り合わせた糸を茄糸(かし)と呼びます。 現在、大賀藕絲館では、主にこの茄糸織を中心にテーブルセンターやコースター、バッグ、印鑑ケース、メガネケースなどの製品を作っています。
大賀ハスの実、茎、葉、果托などが大賀藕絲館の製品の材料となっており、大賀ハスを大量に使用することから、大賀藕絲館でハスを栽培しております。 現実にはこの栽培を農家に依頼しており、その一つは小山田神社周辺のハス田です。 秋にはボランティアの方々の支援を受けて、ハスの刈り取り作業が行われるとのことです。
小山田神社
見頃のハス田
小山田神社周辺のハス田は、観光用のハス田ではありませんので、ハス田の中に散策路は設けられておりません。 水田のあぜ道からハスを観賞するといった感じで、足元は決して良くありません。 観賞用のハス田でないことから、観光資料に案内は掲載されておりません。 また、ハス田の周辺には案内板も掲示されておりませんので、ややわかりにくいです。
ハス田のハス
昨年は歩きましたが、今年は途中までバスを利用しました。 JR淵野辺駅からバス利用の場合は「桜美林学園前」または「桜美林学園東」が最寄りのバス停となります。「桜美林学園前」まではバスの本数が多いです。 「桜美林学園前」から町田街道を横切ってまっすぐ進むと「桜美林学園東」のバス停があり、そのまま真っ直ぐ300mほど進むと左手が「大賀藕絲館」です。
小さな建物ですからややわかりにくいです。前方に焼却場の高い煙突が見えます。 「大賀藕絲館」のすぐ先に短い橋があり、橋を渡ったところが三叉路になっています。 「焼却場入口」の案内にしたがって三叉路を左折し、煙突を右に見ながら焼却場入口を過ぎて、道なりに下り坂を500mほど進んだところが小山田神社周辺のハス田です。 淵野辺駅北口から小山田神社までは約3kmありますが、ほぼ一本道で、分岐点は焼却場入り口手前の1箇所のみです。
アクセス バス 最寄りのバス停は「桜橋」ですが、バス便は「町田バスセンター」からで、1時間に1本〜2本です。 バス停「桜美林学園前」はハス田から約1.3kmありますが、バス便は「小淵沢駅北口」まで1時間に4〜5本あり、こちらが便利です。
徒歩 淵野辺駅北口から約3km、徒歩45分です。 夏ですから早朝でも暑いです! 駐車場 駐車場はありません。 風来坊