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隅田川テラス散策(勝鬨橋〜吾妻橋)その1 (H23.5.18〜5.20)

勝鬨橋〜中央大橋


勝鬨橋から上流の展望



勝鬨橋からの東京スカイツリー



勝鬨橋上流右岸の隅田川テラス

隅田川は東京都北区の新岩淵水門で荒川から分岐し、神河岸川、石神井川、神田川、日本橋川などの支流河川を合わせ、東京湾に注ぐ全長23.5kmの一級河川です。

古くは墨田川、角田川と書かれたこともあります。

また、隅田川派川は分流で、永代橋の下流で分岐して、相生橋の下流で晴海運河に注ぐまでの0.9kmをいいます。


江戸時代は防備上の観点から架橋が制限されたこともあり、明治時代までは多くの渡しによって両岸が結ばれていましたが、交通量の増加に伴い次第に木橋などで架橋が進みました。

大正12年の関東大震災によりその多くが被害を受けたため鉄橋に架け替えられました。

さらに自動車時代の幕開けによって多くの橋の建設が行われ、現在は26の橋が隅田川に架かっています。


勝鬨橋上流左岸の隅田川テラス


また、隅田川では河川テラスの整備が進められています。
隅田川の治水は、東京高潮対策事業として、いわゆる「カミソリ堤防」の整備が昭和50年までに完了しましたが、堤防によって人と水辺が隔離される結果となりました。
これを受けて東京都は、昭和55年から安全性に加えて、人が水辺に近づける親水性にも配慮した緩傾斜堤防事業に着手しました。

隅田川テラスは、隅田川両岸に沿って整備された親水テラスの総称です。
治水上の高水敷にあたる部分をテラス化したもので、舗装や緑化が施されることによって平時には憩いの場、散策路など、公園としての役割が与えられています。
昭和60年からスーパー堤防等整備事業の一環として、隅田川両岸のほぼ全域、総延長46.9kmの計画で東京都によって順次整備が進められています。



勝鬨橋から下流の展望



中央卸売市場築地市場

今回は、隅田川テラスのうち隅田川の最下流流域から浅草まで散策することにしました。

浜離宮恩賜庭園と中央卸売市場築地市場の間を流れている築地川と、対岸の浜前水門を結ぶ線から上流が隅田川です。

築地川と浜前水門を結ぶ線が隅田川の最下流流域で、ここで東京湾に注いでいることになります。



隅田川テラスの最下流付近からは東京タワーが


この場所は勝鬨橋から約300m下流になりますが、勝鬨橋から下流の隅田川の右岸は築地市場ですから散策路は整備されていません。

したがって、勝鬨橋より下流の隅田川テラスは左岸のみです。

隅田川テラスの堤防の南側は月島です。


東京タワー、六本木ヒルズ、浜離宮恩賜庭園



浜前水門

隅田川テラスの一番下流に近い場所からは前方に東京タワーや六本木ヒルズを眺めることができます。

東京タワーの手前に見える緑地地帯は浜離宮恩賜庭園です。

浜離宮恩賜庭園には東京都観光汽船及び東京水辺ラインの発着所があります。



隅田川テラスからの展望


隅田川の一番下流に架かっている橋が勝鬨橋です。

勝鬨橋の工事は昭和7年(1933年)に着工し、昭和15年(1940年)に完成しました。

当初から路面電車用のレールが敷設されており、1947年から1968年まで都電が運行されていました。


勝鬨橋



勝鬨橋

設置当初は1日に5回、1回につき約20分程度跳開していました。

この頻度はほぼ1953年頃まで続きましたが、船舶運航量の減少と高度経済成長の進展で道路交通量が増大したことで次第に跳開回数は減少し、上流に開閉機構を待たない佃大橋が建設された1964年以降は、船舶運航の需要は佃大橋下流の乾倉庫に限定され、開閉回数は年間100回を下回るようになりました。


1967年には運航のための最後の跳開が行われ、その後は年に1回ほどの試験のための跳開が行われていましたが、航行する大型船舶が少なくなったことや陸上交通量の著しい増加などの理由から、1970年11月29日を最後に開閉停止となり、1980年には電力供給も停止されました。

このため、勝鬨橋は日本で現存する数少ない可動橋(跳開橋)ですが、可動部もロックされており跳開することはありません。


勝鬨橋



月島川水門から上流の隅田川テラス 東京スカイツリーは霞んでいます



月島川水門

勝鬨橋から上流の佃大橋までの左岸の隅田テラスは月島川水門で途切れています。

このため、月島川に架かる西仲橋を経由して隅田川テラスに戻ることになります。

西仲橋から真っ直ぐ進むともんじゃ焼きで有名な「月島西仲通商店街」です。


隅田川テラスに戻る階段の傍の「わたし童公園」に「月島の渡し跡」の案内板が立っています。

この付近の隅田テラスからは、遙か彼方に東京スカイツリーを見ることができます。


月島の渡し跡の案内板



勝鬨橋から隅田川テラスを望む



勝鬨橋からの隅田川テラス入口

勝鬨橋の上からの展望も素晴らしいものがあります。

下流方向は東京湾に注ぐ隅田川を眺めることができます。

上流方向は隅田川沿いの高層ビルを展望できます。

また、勝ちどき橋の南端付近からは東京スカイツリーを望むことができます。


勝鬨橋から佃大橋までの右岸は幅広い隅田川テラスが整備されています。

赤レンガ造りの塀も整備されており、いろいろな光景を楽しみながら散策できます。

勝鬨橋と佃大橋の中間付近に東京水辺ラインの明石町発着所があります。


隅田川テラス



聖路加タワー

また、明石町発着所の少し上流の左手にあるのが聖路加タワーです。

展望台からの景観は素晴らしいですが、現在一般には開放されていません。



佃大橋と大川端リバーシティ21


聖路加タワーと隅田川テラスの間に拡がっているのが「明石町河岸公園」で、憩いの場となっています。

明石町河岸公園からの展望も素晴らしく、眼前には佃大橋と大川端リバーシティ21の高層マンション群が拡がっています。


佃大橋と大川端リバーシティ21



佃大橋

佃大橋は隅田川最後の渡船場として320余年続いた「佃の渡し」の位置に架けられた橋です。

上流に平行している永代橋や下流の勝鬨橋の交通量の増加、及び東京オリンピック開催に備えた関連道路の一部として、戦後初めて隅田川に架橋された橋で、昭和39年(1964年)に竣工しました。

佃大橋の両岸には「佃島渡船」の石碑が建っています。



佃島渡船の碑(右岸)


佃島渡船の碑(左岸)



佃大橋から下流の展望


佃大橋は右岸側では隅田川の手前100mほどの位置から高架が始まり、左岸では月島全域にわたって高架のままで、朝潮運河に架かる朝潮大橋に繋がっています。

これは水面から桁の下面までの高さを勝鬨橋に合わせたためとのことです。

また、他の隅田川に架かる橋は川に対してほぼ直角に交わっていますが、佃大橋は中心線が岸に対して60度ほど斜めになっています。


佃大橋下流左岸の隅田川テラス



佃大橋から上流の展望 船の左側が住吉水門



佃大橋から上流の展望

佃島と月島を隔てていた佃川は。佃大橋の取付け道路建設のために埋め立てられ、島であった佃島は地続きとなり、同時に佃川に架かっていた佃橋は廃橋となりました。

佃大橋の上からの景観も素晴らしく、中央大橋と並ぶスカイツリーも見ることができます。



佃大橋上流右岸の隅田川テラス


佃大橋と中央大橋の間の、右岸の隅田川テラスは、亀島川水門のため途切れています。

亀島川に架かっている南高橋を経て上流に向かうことになります。

隅田川テラスと南高橋との連絡路は少し迂回する必要があり、少しわかりづらいです。


亀島川水門



南高橋

南高橋は、昭和5年(1930年)の両国橋の最後の架け替えの際、損傷のほとんどなかった3連トラスのうちの一連が移設されたものです。

南高橋は都内に現存する鉄橋のうち、川を跨いで実際に利用されている自動車道としては最も古いものです。

都内に現存する最古の橋は富岡八幡宮の東隣の八幡橋(旧弾正橋)ですが、人道橋です。


南高橋から中央大橋の間に、江戸港発祥の地の記念碑があります。

記念碑には「慶長年間江戸幕府がこの地に江戸湊を築港してより, 水運の中心地として江戸の経済を支えていた。昭和11年まで, 伊豆七島など諸国への航路の出発点として賑わった。」と記されていました。


江戸港発祥の地の碑



住吉水門


佃煮の老舗


佃大橋から中央大橋の間の左岸の隅田川テラスも住吉水門で途切れています。


佃大橋から住吉水門までの間には、江戸の風情を残す佃島の街並みがあり、すぐ隣の大川端リバーシティ21の高層ビルと対照的な佇まいを見せています。



佃煮の老舗


佃煮の老舗


佃島の街並みでは佃煮の老舗が3軒、現在も営業を続けています。

佃島には住吉神社、波除稲荷神社、佃天台地蔵尊などのスポットもあります。


東京灯台



住吉水門上流の隅田川テラス



中央大橋

住吉小橋で住吉水門のある佃堀(佃川支流)を渡ると、東京灯台の傍から隅田川テラスに戻ることができます。

前方の中央大橋とその先にある東京スカイツリーを眺めながら隅田川テラスを進むと、中央大橋と東京スカイツリーとが次第に重なり、写真のような光景に出会うことができます。



中央大橋とスカイツリー


中央大橋とスカイツリー


中央大橋は平成5年(1993年)8月26日(レインボーブリッジと同じ日)に竣工した隅田川の中で最も新しい橋でしたが、平成18年2月に千住汐入大橋が完成したことによりその地位を明け渡しました。

機能やコスト一辺倒であった昭和の橋と異なり、都市景観やデザインに気遣いが施されています。


中央大橋



中央大橋

バブルの絶頂期ということもあり、分不相応なほどの贅沢な造りですが、中央区のシンボル「中央大橋」の名前に恥じないものとなっています。

夕刻から夜10時までは、白色の水銀灯と暖色系のカクテル光でライトアップされます。

隅田川はセーヌ川と友好河川を提携しており、中央大橋はフランスのデザイン会社の設計です。

そのためか、主塔及び欄干部分に日本の「兜」を意識した特徴的な意匠が施されています。

中央大橋は、上流の永代橋ならびに東京のスカイツリーを眺めることができるスポットです。



中央大橋からの展望


関連するホームページ

 隅田川を歩こう


 隅田川テラス散策その2へ

 隅田川テラス散策その3へ

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        風来坊


中央大橋は大きく旋回しています


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