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茶臼岳山頂からの展望
那須ロープウェイ山頂駅からの展望
那須連峰には登山道が整備されており、多くの人が登山を楽しんでいました。 登山道は、斜面は緩やかでルートには案内板やマーキングなどの目印も付けられているため初心者や子供連れでも比較的容易に登ることができます。 登山口は峠の茶屋(標高1462m)で、峰の茶屋まで最初は林の中の土の道を歩き、その後大小岩石と砂礫の道を登って行きます。 そして、峰の茶屋で南方向に折り返し、茶臼岳山頂に向かって一気に登ることになります。
那須ロープウェイを利用すると、終点の那須山頂駅(標高1684m)が茶臼山頂上(標高1915m)のすぐ下にあり、茶臼山山頂まで50分程度で登ることができます。 このため軽装のまま茶臼岳を目指す観光客も少なくないようですが、足元には火山礫の大小の岩石が多く歩き難い上、強風など天候の急変でロープウェイが運休となることも多く、下りは歩いて帰ることも想定し、ロープウェイ利用時であっても歩き易い運動靴を履き、適切な飲食物を持参するのが望ましいです。
那須ロープウェイ山頂駅
茶臼岳の登山道
今回は那須ロープウェイを利用しましたが、そのまま山頂を目指すのではなく、「ロープウェイ山頂駅→牛ヶ首→峰の茶屋→茶臼山山頂→ロープウェイ山頂駅」のコースを歩くことにしました。 案内板には、このコースは4.2km、2時間30分と書かれていました。
那須ロープウェイ山頂駅に到着すると、前方に緩やかな勾配の比較的幅の広い登山道が続いています。 登るにしたがって登山道は広がりますが、足場は細かい石から次第に砂地になってきます。 勾配のある砂浜を歩く感じとなり、勾配が急な部分は足が滑ります。
登山道の分岐点
茶臼岳の登山道 山頂駅〜牛ヶ首
登山道からの展望
山頂駅から200mほど進むと、茶臼岳山頂方面と牛ヶ首方面の分岐点になります。 この場所から茶臼岳山頂までは600m、ロープウェイ山頂駅200mと表示されています。 ロープウェイ山頂駅から茶臼山山頂までの所要時間は登りが50分、下りが40分となっており、600mを50分とは相当な難関です。
表示されている距離は、実際に歩く距離ではなく、直線距離のような感じです。 ロープウェイ山頂駅と茶臼山山頂とは標高差が231mあり、ここからでも200mは登る必要があります。 茶臼岳山頂方面はここから勾配がやや急になりますが、登山道は設定されてなく、幅広い山の斜面を駆け上っていく感じです。 足場は砂が続いています。
登山道から山頂方向を望む
一方、牛ヶ首までは600mとなっていますが、このコースは茶臼岳の9合目付近を周回する感じで、緩やかな上り下りが続いています。 登山道の幅も狭くなり、一部には岩場を上り下りしなければならない個所や行き違いのできない場所もありますが、景観を楽しみながら気楽に散策することができます。
牛ヶ首に向かう登山道にもところどころに黄色のマーキングがつけられています。 霧などのために急に視界が悪くなった場合に、道に迷わないための目印です。 今回は快晴で視界が良かったため、お世話にならずに済みました。
茶臼岳の登山道 目印の黄色のマーキング
登山道の茶臼岳側には山麓方向とは異なった世界が拡がっています。 ひび割れた岩 表面が平らな岩をよく見ると、ジグザクの面白い形の割れ目が入っているものがあるとのことです。 これは、岩の小さなヒビに水がしみこんで、冬に凍ったためにできたものと考えられています。
火山の開拓者 岩や砂礫地が多い場所にも、植物が育っています。 葉の裏が白いウラジロタデ、ススキに似たコメススキ、いかにも高山植物らしいガンコウランなどです。 このような植物を、開拓者に見立てて「パイオニア植物」と呼称しているとのことです。
噴火のつめあと 所々に、白骨化した木の幹や枝が落ちています。 これは、かつての茶臼岳の噴火のために枯れたハイマツの残骸とのことです。 噴火の前は、この辺りもハイマツに覆われていたものと考えられています。
登山道からの紅葉
茶臼岳山頂方面との分岐点から牛ヶ首まで600mとなっていますが、300mほど進むと左手下方に真っ赤な紅葉が見えてきます。 登山道を進むにしたがい紅葉の見える範囲が拡がります。 紅葉の見える登山道は牛ヶ首まで続いています。
登山道の紅葉
紅葉の中で休憩する登山者
ロープウェイ山頂駅から牛ヶ首までの所要時間は30分となっていますので、往復1時間で素晴らしい紅葉を楽しむことができます。 牛ヶ首の少し手前には比較的平坦な場所が拡がっており、多くの人が岩場や草の上に腰を下ろして、前方に拡がる見事な紅葉を眺めながらお弁当を拡げていました。
茶臼岳の登山道 前方の丘の上が牛ヶ首
牛ヶ首で登山道が4つに分かれています。 左方向に進むと日の出平、南月山になります。 牛ヶ首から南月山までの往復は1時間20分程度かかるようです。
牛ヶ首から山頂方向を望む 左側からは白煙が!
姥ヶ平の紅葉 手前の砂利の先は急勾配の斜面
姥ヶ平の紅葉
姥ヶ平への登山道
牛ヶ首の反対側にも見事な紅葉が拡がっています。 姥ヶ平の紅葉で、牛ヶ首から真っ直ぐ進み反対側の斜面を降りたところです。 この日は9合目では10m程度の風が吹いていたようですが、牛ヶ首は風が吹き抜ける場所になっており、牛ヶ首から姥ヶ平の紅葉を撮影しようとしましたが、立つのがやっとでなかなかピントを合わせることができません。
登山道から南月山方向の展望
茶臼岳の登山道 牛ヶ首〜峰の茶屋
牛ヶ首から姥ヶ平方向は急斜面になっていますが、後方は平坦な場所が続いていますので、風に吹き飛ばされても崖から落ちることはありませんので、頑張って写真を撮りました。 牛ヶ首から姥ヶ平までは下りが15分、登りは20分程度です。 今回はパスしましたが紅葉を見るのであれば、姥ヶ平に降りるのも良いかもしれません。
白煙あがる茶臼山
今回は、牛ヶ首から右に曲がって峰の茶屋に向かいました。 牛ヶ首から峰の茶屋までの所要時間は約20分で、概ね平坦な道が続いています。 左手下方には姥ヶ平の見事な紅葉が拡がり、左手遠方には福島県の山々が連なっています。
一方右手には白煙があがっています。 牛ヶ首から峰の茶屋に向かう途中の斜面には噴気孔が多数あり、硫化ガスなどが噴出しているのです。 登山道のすぐ傍からも、あちこちから白煙が上がっています。 「硫化水素は無色無臭の有毒ガスで、危険ですから噴気孔には近づかないで下さい」との掲示がありました。
茶臼岳の登山道 牛ヶ首〜峰の茶屋 前方に朝日岳が
かつてはここで硫黄の採掘が行われ、火薬などの原料として利用されたとのことです。 「峰の茶屋」という地名は、当時硫黄精錬所で働いていた従業員の休憩所のことで、現在は避難小屋になっています。
朝日岳 左手前が峰の茶屋
峰の茶屋の手前に三叉路があり、右手に進むと茶臼岳山頂です。 今回は三叉路から200mほど先にある、峰の茶屋(標高1678m)に立ち寄ることにしました。 峰の茶屋までくると朝日岳が眼前に迫っています。 朝日岳は標高1896mで、最も峻険な山体を有する鋭峰です。 山頂部は狭く、山体は岩場やガレ場が多いとのことです。
峰の茶屋からの朝日岳
峰の茶屋から 右が峠の茶屋への下山道
峠の茶屋への下山道 右上尾根が茶臼岳への登山道
茶臼岳の頂上は前方に見えている山の遙か彼方です
峰の茶屋の朝日岳側も風が吹き抜けており、立っていることができないほどの強風が吹いていました。 峰の茶屋で登山道が4つに分かれており、真っ直ぐ進むと朝日岳や三本槍岳に登ることができます。
茶臼岳への登山道からの展望 左下は峠の茶屋への下山道
茶臼岳への登山道
風来坊も峰の茶屋から三叉路に戻り、茶臼岳山頂を目指すことにしました。 今回の登山コースでの初めての本格的な登り道です。 案内では峰の茶屋から茶臼岳山頂まで50分となっています。 登り始めると最初は登山道がありましたが、そのうち岩石ばかりの部分も多くなり、黄色のマーキングを目印に登ることになりました。
登山道からの展望 郡山・白河方面
峰の茶屋から山頂のように見えたところは山頂の遙か下の方でした。 山頂が見えてきたと思って登れば、その先に次の山頂が見えてくる感じで、なかなか頂上にたどり着きません。 しかも頂上に近づくにしたがい、岩場を登るような急な坂が続いています。
朝日岳の高さに近づきつつあります
茶臼岳山頂からの展望 前方は南月山
まもなく山頂です!
峰の茶屋の標高が1678mですから、1915mの茶臼岳山頂とは標高差が237mあります。 考えてみればそれほど簡単に山頂に到着するはずがありません。 やっと山頂らしい広い場所に到着しましたが、そこはロープウェイ山頂駅から登ってきた登山道との合流点で、実際の山頂はそこから10分ほど登ったところでした。
茶臼岳山頂は噴火に伴う砂礫に覆われていますが、随分と広くゆっくりと休息することができます。 また、低木は点在していますが、視界が開けており360度の壮大な景色を楽しむことができます。 この日は強風のため視界が良く、福島県の白河市や郡山市まで展望することができました。
茶臼山山頂!
茶臼岳山頂からロープウェイ山頂駅までの下山コースは所要時間約40分です。登りは50分です。 下山コースの最初は峰の茶屋からの登り道と同様で、急坂の連続です。 しかし、ロープウェイ山頂駅からの登山コースとなりますので、登山道が整備されていますが、狭い場所が多く、すれ違う場合はお互いに道を譲る必要があります。
登山道からの展望 手前は那須ロープウェイ
山頂から25分程度下ると登山道が急に拡がります。 ここからは登山道ではなく、幅広い砂の斜面を下ることになります。 勾配の急なところは滑走しそうになりますので、前方の景観と足場を交互に見ながら下る必要があります。
朝日岳
狭くて急坂の続く登山道
形の変わった岩
10分程度下ると牛ヶ首方面からの登山道と合流します。 ロープウェイ山頂駅から出発して、最初の分岐点の場所です。 ここから200mほど進んだところがロープウェイ山頂駅です。 2時間30分のコースを、写真を撮りながら2時間40分で無事踏破することができました。
急に広くなった登山道
下方の登山道は砂地です
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まもなく山頂駅です!