散策スポット目次
HOME
前ページ
次ページ
フランスのクリスマス
クリスマス! 日本では家族と過ごすクリスマスというよりも、カップルで過ごす年末の一大イベントというイメージが浸透しているようですが、実はこれは日本だけなのです。 そもそもクリスマスは、イエス・キリストの誕生を祝うキリスト教のお祭りのことです。 キリスト教徒の多いヨーロッパでは、昔から宗教行事としてクリスマスを祝ってきています。
クリスマスイブからクリスマス当日にかけてお祝いする国が多いようです。 ミサでお祈りをしたり、家族とクリスマスディナーを囲んで過ごしたり・・・・・このような素朴なクリスマスが一般的なようです。 聖なる夜はファミリーで静かに祝うというのが欧米のクリスマスで、日本のお正月の雰囲気といえるかもしれません。
こうした世界のクリスマスの様子を楽しむことができるのが、毎年横浜山手西洋館で開催されている「世界のクリスマス」です。 今年も12月1日〜12月25日の間、「世界のクリスマス2008」が開催されています。横浜の年末の風物詩に定着した感じです。
今年は横浜山手西洋館7館と山手68番館の合計8館で行われていました。 昨年初参加の「テニス発祥記念館」は今年は参加していませんでした。
開館時間は9時30分〜17時ですが、12月20日〜24日の4日間は9時30分〜19時です。 また、12月1日〜24日の間は、日没から22時までイルミネーションが点灯されます。 今年は12月18日に訪ねました。 趣のある夜の部は見に行くことができませんでした。
「山手西洋館 世界のクリスマス2008」は、港の見える丘公園の山手111番館、イギリス館からスタートする方法と、逆方向となるJR根岸線石川町駅に近いブラフ18番館、外交官の家からスタートする方法があります。 今年はブラフ18番館からスタートしましたが、レポートは逆順になりますが山手111番館からです。
室内の飾り付け
山手111番館は、「フランスのクリスマス」で、「ロマンティックノエル」がテーマです。
ロマンティックカラーで暖かなフランスのクリスマスが演出されています。 また、ギャラリーではフランスと横浜・山手の文化のつながりが紹介されています。
山手111番館は、J.H.モーガンの設計により、大正15年(1926年)アメリカ人 J.E. ラフィン氏の住宅として現在地に建てられました。
赤瓦の屋根と白い壁が美しいスパニッシュ・スタイルの洋館で、平成11年横浜市指定文化財に指定されました。 5月と10月には、館の周りは色とりどりの美しいバラで彩られます。喫茶室があります。
山手111番館
イギリスのクリスマス
イギリス館は、もちろん「イギリスのクリスマス」で、今年のテーマは「ようこそ我が家へ 笑顔あふれるクリスマス」です。 今年もクリスマスがやってきました。クリスマスツリーの下にはプレゼントがいっぱい。 暖炉の周りは子供たちの笑い声。 クリスマスクラッカーの音とともに、いよいよパーティーは始まります。
クリスマスツリーはドイツが発祥の地ですが、イギリスでも王族の結婚などでドイツの伝統や入るようになった19世紀には盛んに飾られるようになったようです。 ヴィクトリア女王が家族に恵まれ、ツリーを飾りクリスマスをお祝いする幸せそうな姿が当時のトレンドとなり、英国社交界に広まったのがイギリスのクリスマスツリーの最初のようです。 大きなクリスマスツリーは幸せのシンボル。ここでの時間は家族の笑え声が絶えません。
イギリス館は、昭和12年に英国総領事公邸として現在地に建てられました。 鉄筋コンクリート2階建てで、広い敷地と建物規模は、東アジアにある領事公邸の中でも、上位に格付けされていました。
玄関脇にはめ込まれた王冠入りの銘版(ジョージY世の時代)や、正面脇の銅板(British Consular Residence)が、旧英国総領事公邸であった由緒を示しています。 昭和44年(1969年)に横浜市が取得し、1階ホールはコンサートに、2階集会室は会議等に利用されています。
ドラジェ お菓子です!
イギリス館
平成2年に横浜市指定文化財に指定されました。 平成14年にリニューアルを行い資料展示室等が設けられ、一般見学できるようになりました。 建物の周りにはローズガーデンも整備され、バラの季節には特に美しい景観が楽しめます。
イギリス館の入口
南アフリカ共和国のクリスマス
山手234番館は、「南アフリカ共和国のクリスマス」で、「南半球、真夏のクリスマス」がテーマです。 南アフリカは「レインボー・カントリー=虹の国」と呼ばれるとおり、様々な文化をもつ人種で構成されています。 しかし、約80%の人がクリスチャンとのことです。
アフリカでのクリスチャンの歴史は1世紀頃から始まります。 アフリカの人々は魂を大切にしますが、南アフリカ人も例外ではありません。 クリスマスに教会に行くことは大切な行事です。 イブの夜のミサに教会に行く人、クリスマスに行く人、そして2日続けて行く人も多く見かけられます。
キリン
子供たちは学校や教会でキリスト誕生のお芝居をし、聖歌を歌います。 イブにロウソクの灯りの中で行われるミサはとても荘厳で美しいものです。 クリスチャンの文化に共通しているのは、ミサの後、家族や友人と共に昼食や夕食をとることを大切にしているところです。
12月25日のクリスマス、そして26日のDay of Good Will(善意の日)は真夏の2連休の祝日です。 海岸や家々の庭はバーベキューを楽しむ家族で溢れます。 クリスマスの食事は特にたっぷりと時間をかけたもので、クリスマス・プディングや肉、魚のバーベキューが用意されます。
南アフリカではミサに出たり、聖歌を歌ったり、キリストの誕生を「精神的に」祝うことが大切にされています。 もちろん、プレゼント交換する人もいます。 よい子にしていると「パパ・クリスマス」がやってくるようです。 国花「プロテア」とビーズのオーナメントが真夏の力強いクリスマスを表現していました。
国花「プロテア」
山手234番館は、昭和2年頃に外国人向けの共同住宅(アパートメントハウス)として、 民間業者によって建設されました。 関東大震災により横浜を離れた外国人に戻ってもらうための復興事業の一つとして建てられ、設計者は、隣接する山手89−6番館(現在のえの木てい)も設計した朝香吉蔵です。
建設当初の施設は、4つの同一形式の住宅が中央の玄関ポーチを挟んで、左右対称に向かい合い、上下に重なる構成になっていました。 また、各住戸の3LDKの間取りは、合理的かつコンパクトにまとめられ、往時の「モダン」な生活様式が伺えます。 また、洋風住宅の標準的な要素である上げ下げ窓やよろい戸、煙突などが、簡素な仕様で採用されており、震災後の洋風住宅意匠の典型といえます。
山手234番館
平成元年に横浜市が歴史的景観の保全を目的に取得しました。 平成9年から保全改修工事を行い、平成11年から一般公開しています。 1階は山手の総合案内所になっており、山手の移り変わりの資料などが展示されております。 2階は展示や会議に使用されています。横浜市認定歴史的建造物に指定されております。
オーストリアのクリスマス
エリスマン邸は、「オーストリアのクリスマス」で、「音楽とお菓子が奏でるクリスマス」がテーマです。 静かな白銀の世界で迎えるクリスマス、家々の窓辺の光に照らされクリスタルのように煌きます。
エリスマン邸は、大正15年(1926年)にスイス人貿易商エリスマン氏の私邸として山手町127番地に建てられました。 木造2階建ての白く美しい洋館は、「近代建築の父、」といわれるチェコ出身のアントニン・レーモンドの設計です。
昭和57年にマンション建築のため解体されましたが、平成2年に現在の地に再現されました。 1階各室には、レーモンドの設計した家具が復元展示され、2階には写真や図面で山手の洋館に関する資料を展示しています。 横浜市認定歴史的建造物に指定されております。 木立に囲まれた眺めのよい喫茶室があります。
エリスマン邸
アクセス 山手111番館、イギリス館:みなとみらい線元町駅から徒歩約10分 外交官の家、ブラフ18番館:JR根岸線石川町駅から徒歩約5分 入館料 無料です。
関連するホームページ 横浜市緑の協会 世界のクリスマスその2へ サチさんに作成していただいたスライドショーです 風来坊